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第6章 偽りのアイドル
24、遠野達裄は託す
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後日、俺は達裄さんと会う機会があり彼とスタチャについて尋ねてみた。
スタチャのライン友とかマジ?とか色々謎が多い。
「スターチャイルド?あぁ、姉が見出だしたアイドルだね」
「え?噂のギャルマスターの?」
「……姉さんをギャルマスターとか呼ばれると笑うからやめて」
耐えきれないという表情で笑いを堪えていた。
顔が半笑いになっている。
「俺の妹ってスタチャの元ネタのリーフチャイルドなんだよ」
「り、リーフチャイルド!」
それはもうジャパン中で知らない人はいないと言われているソロアイドル歌手。
当然ながら名前の通り、スターチャイルドはリーフチャイルドのリスペクト元として知られる。
リーフチャイルドの美しさは神話レベルとファンの間では語り継がれている。
チケット販売から完売まで数秒レベルと言われている。
「そ、それって5人の妹の1人?」
「うん。唯一俺の本当の妹なんだ」
「ん?は?……え?」
達裄さんは特に表情を変えるまでもなく普通に座っている。
冗談ではなさそうだ。
「ウチ、結構複雑なんだよね。ギャルマスターの姉も本当は俺の従姉弟だし、血すら繋がってない三つ子の妹がいるし」
「…………」
遠野家がドロドロのぐちゃぐちゃなのが伝わってきた。
それでも血が繋がってない妹を自分の命より大事と言い切れるこの人を格好良いし、尊敬できる人だなと思った。
「そういえば日曜日の夜にライン来てたね。『明智君と会ってきました』って。ははっ、中々凄い行動力だね彼女も」
「なんでファンなだけの俺に家に行くようにけしかけたんですか?」
「けしかけたつもりなんかないよ。俺は背中を押しただけ。自発的に動いたのは彼女の方さ」
俺と似た考え方をする人である。
そして、達裄さんはスマホを取り出し操作する。
何をしているんだろう?と思いつつ数秒間待機する。
「彼女また君に会いたいんだって」
「は?またそんな冗談ばっかり……」
「いや、ガチよ。『明智君にまた会いたいんですがどうしたら良いでしょうか?』ってラインがきた」
プライベートなメッセージは手で隠しつつ、スターチャイルドと書かれたトークのチャット画面を見せてくれる。
『会えばええやん』と返信して、変なスタンプを達裄さんは送っていた。
「マジだ……」
本気で俺に会いたいってスタチャから達裄さんへ連絡が行っていた。
それと同時に彼女が本物のスターチャイルドだとわかり、ちょっと顔の体温が高くなる。
「でしょ。そうだな、じゃあ君と出会った喫茶店でも貸し切りにして俺が彼女を連れて来てあげる。貸し切り代は俺持ちで。次の日曜日でいっか。確か彼女の予定も大丈夫だ」
「ま、マジっすか……?」
「男の頼みなら蹴りとばすけど、女の頼みなら頑張るよ俺は。あと、知り合いでスタチャに会ってずるいずるいとかならなかったかい?」
「…………なりました」
理沙と和が特に凄かった……。
兄さんを呼んで自分を呼ばないの酷いって色々責められた。
結果論とはいえ、本当に来ると思わんだろ……。
「ははっ、中学生は元気だね。じゃあ連れて来ると良い。……ただし」
「ただし?」
「君が信用と信頼できる人しか呼んではダメだよ」
「え?」
「彼女はアイドルだからね。間違ってもSNSに晒すバカいたら殺すよ?」
「は、はは……」
「店の確保だけお願いね。いつもあんなに客いないんだ。金払ったらマスターだって喜んで貸してくれるでしょ。コーヒーおいしい店なのにもったいない」
「言い方……」
本気で人を殺せる人が言うと説得力がやばすぎた。
この人『アンチギフト』なしでギフト効かないからな……。
とりあえず理沙とかならそんなこともないだろうし、大丈夫だろう。
またスターチャイルドに会える。
そう思うと俄然、今週のつまらない授業も乗り切れそうだ。
「彼女の『想い』に応えるのは俺や姉さんではダメなんだ……。……秀頼、君が彼女を認めてあげないとあの子は前に進めないんだ」
「……どういうことっすか?」
「偽りのアイドルの秘密だよ」
達裄さんはそういって俺を期待の目で『想い』を託した。
何がなんなのか全然わからないが、俺は『想い』を受け取っておいた。
スタチャのライン友とかマジ?とか色々謎が多い。
「スターチャイルド?あぁ、姉が見出だしたアイドルだね」
「え?噂のギャルマスターの?」
「……姉さんをギャルマスターとか呼ばれると笑うからやめて」
耐えきれないという表情で笑いを堪えていた。
顔が半笑いになっている。
「俺の妹ってスタチャの元ネタのリーフチャイルドなんだよ」
「り、リーフチャイルド!」
それはもうジャパン中で知らない人はいないと言われているソロアイドル歌手。
当然ながら名前の通り、スターチャイルドはリーフチャイルドのリスペクト元として知られる。
リーフチャイルドの美しさは神話レベルとファンの間では語り継がれている。
チケット販売から完売まで数秒レベルと言われている。
「そ、それって5人の妹の1人?」
「うん。唯一俺の本当の妹なんだ」
「ん?は?……え?」
達裄さんは特に表情を変えるまでもなく普通に座っている。
冗談ではなさそうだ。
「ウチ、結構複雑なんだよね。ギャルマスターの姉も本当は俺の従姉弟だし、血すら繋がってない三つ子の妹がいるし」
「…………」
遠野家がドロドロのぐちゃぐちゃなのが伝わってきた。
それでも血が繋がってない妹を自分の命より大事と言い切れるこの人を格好良いし、尊敬できる人だなと思った。
「そういえば日曜日の夜にライン来てたね。『明智君と会ってきました』って。ははっ、中々凄い行動力だね彼女も」
「なんでファンなだけの俺に家に行くようにけしかけたんですか?」
「けしかけたつもりなんかないよ。俺は背中を押しただけ。自発的に動いたのは彼女の方さ」
俺と似た考え方をする人である。
そして、達裄さんはスマホを取り出し操作する。
何をしているんだろう?と思いつつ数秒間待機する。
「彼女また君に会いたいんだって」
「は?またそんな冗談ばっかり……」
「いや、ガチよ。『明智君にまた会いたいんですがどうしたら良いでしょうか?』ってラインがきた」
プライベートなメッセージは手で隠しつつ、スターチャイルドと書かれたトークのチャット画面を見せてくれる。
『会えばええやん』と返信して、変なスタンプを達裄さんは送っていた。
「マジだ……」
本気で俺に会いたいってスタチャから達裄さんへ連絡が行っていた。
それと同時に彼女が本物のスターチャイルドだとわかり、ちょっと顔の体温が高くなる。
「でしょ。そうだな、じゃあ君と出会った喫茶店でも貸し切りにして俺が彼女を連れて来てあげる。貸し切り代は俺持ちで。次の日曜日でいっか。確か彼女の予定も大丈夫だ」
「ま、マジっすか……?」
「男の頼みなら蹴りとばすけど、女の頼みなら頑張るよ俺は。あと、知り合いでスタチャに会ってずるいずるいとかならなかったかい?」
「…………なりました」
理沙と和が特に凄かった……。
兄さんを呼んで自分を呼ばないの酷いって色々責められた。
結果論とはいえ、本当に来ると思わんだろ……。
「ははっ、中学生は元気だね。じゃあ連れて来ると良い。……ただし」
「ただし?」
「君が信用と信頼できる人しか呼んではダメだよ」
「え?」
「彼女はアイドルだからね。間違ってもSNSに晒すバカいたら殺すよ?」
「は、はは……」
「店の確保だけお願いね。いつもあんなに客いないんだ。金払ったらマスターだって喜んで貸してくれるでしょ。コーヒーおいしい店なのにもったいない」
「言い方……」
本気で人を殺せる人が言うと説得力がやばすぎた。
この人『アンチギフト』なしでギフト効かないからな……。
とりあえず理沙とかならそんなこともないだろうし、大丈夫だろう。
またスターチャイルドに会える。
そう思うと俄然、今週のつまらない授業も乗り切れそうだ。
「彼女の『想い』に応えるのは俺や姉さんではダメなんだ……。……秀頼、君が彼女を認めてあげないとあの子は前に進めないんだ」
「……どういうことっすか?」
「偽りのアイドルの秘密だよ」
達裄さんはそういって俺を期待の目で『想い』を託した。
何がなんなのか全然わからないが、俺は『想い』を受け取っておいた。
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