8 / 33
1章
喧嘩売るボッチ
しおりを挟む
「な、何笑ってんですか?」
「い、いや……全然っ」
笑いを堪えていた。
ぷんぷんがツボに入った。
脅しの言葉ではなく単にぷんぷんって怒っているだけなのではないだろうか。
「実は私、物まねが得意なんですお姉ちゃんは完璧マスターしました」
「なにを持って物まねが得意と言うか。姉さんの物まね他にやってみてよ」
「『よーし、新しい趣味に目覚めに行くかー!いざ、見知らぬ誰かをストーキング!』」
「やめて、俺もまだ知らない曝け出されたアブノーマルを見せつけないで」
すごく声と意味のわからない突発的な言葉が完全に姉だった。
恋の顔で言われるのがすごいショックで、本当は記憶を消したい。
まぁ忘れやすい俺の頭ではすぐ忘れるだろうが。
「あれ?どうして目を背けたくなってますか?お姉ちゃんの良いところをお兄ちゃんに知ってもらおうとしたのに」
「なんで?むしろ幻滅したんだけど」
「新しい趣味にはまるのは良い事です。マラソンなりスイミングだったりと何事も始める事が大変なのですから」
ピュア過ぎるよ。
なんで姉さんの妹で姉さんと暮らしていたのにそんなに無垢でいられるんだよぉ。
まずストーキングってアウトな単語入っているでないの。
根本的な話、何故物まねスキルを手にした。
誰かに姉の自慢として言い聞かせているのだろうか。
一家の恥なんだけど。
まぁ俺含め一家の恥は承知だけど。
「じゃあ俺の物まねをしてみてよ」
「急に難易度上げますね」
「あー」と発声練習を始めた。
少し男らしい声になっている。
「『お前らの敗因は俺に手を出した事だったな。はい残念、君達の敗北はこの時点で確定したよ』」
「いや誰だよ!」
なんでそんな悪役の最強の四天王なんて設定の似合いそうな言葉をチョイスしたんだよ。
俺の声は似ていたけど物まねではなく声まねである。
もしかしたら今日見たとかいう夢のお面ライダーみたいな俺の言ったセリフかもしれない。
いや、それはそれで元ネタがおかしい。
「おっ、着いたぞ」
そんな事をして遊びながら歩いていたからかとても早くデパートに辿り着いたような錯覚に見舞われた。
逆に少し遅かったくらいだ。
あ、デパートの中に入った俺の元に1つのことが思い至った。
とてもデパートに来た意味を覆すことだ。
「ところでさここに来てから言うのもなんだけど必要なものってある?」
「あー、……昨日ハンバーグいっぱい作ったからひき肉とかですかね」
「生活必需品ではないんだな」
恋の届く荷物以外にもそろえるのなんかあるだろう。
そんな事言ったが昨日の夜に送られた姉のメールの荷物リストは大概が埋まっていた。
「普通に買い物していくか」
買い物カゴを手に取りカートに乗っけた。
エコバッグは持参していたので、カートにそれを引っ掛けた。
「ちょっとトイレに行ってきます」
「場所わかる?」
「はい、何回か来ているので」
そう言って恋はここから少し距離のあるトイレの方向に歩いて行った。
あまりそういうのには着いて行かなくても良いだろう。
前に光のトイレに着いて行った星丸が文字通り星になった事がある。
流れ星になって戻って来た。
なんだかよくわからない出来事である。
因みに恋と俺は別々に住んでいたといっても徒歩ぐらいの20分ぐらいの距離なので微妙に近所という話。
中に入った事は無いが、たまにマンション前を歩く事はある。
通っている中学校も昔の俺と同じ中学で転校の必要もない。
「あれ、達裄」
「おお、なんか暇つぶしが出来そうだ」
「は?」
「いや、こっちの話」
噂をすればなんとやら。
買い物帰りの光と遭遇した。
「ボッチか」
「喧嘩売ってるボッチ?」
心にくるなぁ。
光は誰にでも気軽に話しかけられる性格なので友達が多いし、先輩にも可愛がられている。
星丸も明るいし行動力あるし話すとウザイ(全体の評価では楽しいだが俺から見たらウザイ)しで多々に渡る人間関係がある。
何故そんな人間に囲まれている俺は友達が少ないのか。
理由はわからないが、しかし理由があるから友達がいないんだろう。
運動出来る、勉強出来るみたいなだけで嫌われるのだろうか?
光は運動出来る、勉強出来ない。
星丸はどっちも出来ない。
そういえば中学の教師からは『優等生の問題児』とか揶揄された事があったか。
なんだろう?学校の奴らからは星丸と光のおまけとか、金で雇った友達とかに見られていたりする?
うーん、なんで俺はこんな奴らと仲良くやっているのだろうか。
学校の七不思議として俺自身が流してやろうか。
流す相手も居ないのだが。
……何故俺はこんなに渡って自虐しているんだろうか?
「全く、自分の言った言葉が跳ね返ってきてダメージを受けるって言葉もないわ」
「ごめんなさい」
力の序列は完全に光が頂点だった。
流石女性優先の社会。
こんなところまで影響を及ぼすなんて。
「達裄もここに来るんだったら誘うんだったなー……」
「誘われたらもう喜んで拒否するよ」
「あ?」
「……冗談です」
まあ実際は喜び過ぎて逆に光から鬱陶しがられて帰れって追い出されそうな気がするが……。
この光には素直になれない自分はなんなんだろうか?
以下、割愛。
「しかしエコバッグとか持って主夫だよねぇ」
「1人暮らしは全部やらなきゃならんから大変だよ。なんなら光が一緒に住んでくれたら俺も少しは楽出来るんだけど」
「え……?そ、そう。まぁもし本気で言われたらしてやっても良いけど、っ」
光はちょっと照れながらしゃべっていたが最後の最後で舌を噛んでちょっと涙目になっていた。
はきはきする光が舌を噛むのは珍しい。
美人がそういう反応を見せるととてもギャップがあり可愛いさがぐっと上がる。
本当に光が一緒に住んでくれたら荷物持ちになってくれそうで助かるのに。
恋には荷物持ちは怖くてあまりお願い出来そうにない。
「うわっ、そういえば格好付けてんねぇ」
話を変える機会だと思ったのか脈絡なく流亜からの誕生日プレゼントのペンダントへ目を向けていた。
「あんた青好きだもんね」
「流石相手の気持ちを汲める光さんはわかるねぇ」
「なに、買ったの?」
「いや、昨日流亜からもらったプレゼントだよ。あいつって話もだけど選ぶセンスも持ってるよなぁ」
「……」
急にぶすっとした表情の光。
二次元なら大好物な反応だがリアルでやられると視線で弓矢を発射された気になる。
「……それは昨日拳をぶつけた私への当て付け?」
「違います。いや、ホント違うんですよ……」
「うん、達裄が年下ばっかり贔屓するのはわかる。うん気持ち悪いぐらい。そして仲良くしてやってる私と星丸ばっかり冷たくあしらうのも知ってる。どうせ達裄から雇われた親友というポジションだからね」
「そんなつもりはありませんでした、ごめんなさい」
流亜や恋の年下に甘いかもしれない。
もしかしたら光の妹の花ちゃんにも。
そして光、星丸、姉さん辺りとは大分違うかもしれない。
もう少し後者3人に対し接し方を変えようと誓った。
「もうそんなに良いから。いや本当に」
それから5回ぐらい頭を下げ続けた。
2回目ぐらいで許してはくれていたのだがそれでも謝り続けた。
「これから言うのはとどめではなく親友だから言うよ」
そして光はちょっと思考と合わせながら言葉を紡いでいっているみたいだった。
どうやら真面目な話になりそうだった。
本当に姉御肌だよな。
「あんたさ、来年になってもし私と星丸、両方とクラスが別れたらどうするつもり?」
「え……」
「人との交流を絶つつもり?学校生活なのに?あんたもうすぐで1年経つけどまともに話すのそれぐらいじゃん。私たちは中学からずっと一緒なのに達裄の周りだけ全然メンバー変わらないんだよ?」
「…………」
考えてみる。
星丸とは幼馴染だけど1回疎遠になったな。
1年の時はクラスが違うんだっけか?
まぁ、小学6年ぐらいから疎遠になったのだけれども。
光とは2年から。
そこから3人の慌ただしい光景が日常になったんだっけか。
そこまで行くのにも時間は掛かったが。
そういや、ずっと1人なんだったか。
家に帰っても、学校でも1人。
俺は星丸との空白の1、2年の時ある子が支えになってたんだっけな。
もし、支えになっていたあの子が居なかったらそれこそ中卒引き籠りになっていたかもしれない。
「他に友達居る?」
「えっと……影太」
「影太ってどっちかというと星丸の友達だよね」
言われてみなくてもそうだったな。
これで男子は、……全滅した。
「雨なら友達だ」
「雨ちゃんは確かに友達だね。でもね彼女は星丸の彼女なの。クラス一緒になったとして授業の合間はともかく昼休みは星丸と一緒に食事に行っちゃってボッチだよ」
「あれ?」
俺ってこんな人数しか友達居ない?
あれ?右手の指で数えても1本余るんだけど……。
「じ、実は描写されてないだけで知り合いは居る、とか?」
「そんな都合の良い話はありません」
積んだ。
光に完全に論破された。
俺はそんな時どうすりゃ良いんだろうか?
「でもうちの学校はクラスでもあまり生徒の入れ替えはしないって話だから大丈夫だと思うけどね。2年と3年はクラス変わらないし。これは知り合いに先輩が居れば普通に聞く話だけど達裄はどうせ知らないでしょ」
全く知らなかった。
万が一の事も考えておいて、光に厳しく忠告された。
「だからもう少し交友関係を広めなさいな」
「はあ、お前がカリスマ性のある奴ってよくわかるわ」
こんな強くて、厳しくて、正しくて、美人で。
俺は光の側に居ると安心するんだ。
どんどん、惹かれていくんだ。
「達裄も十分そのカリスマってやつ持ってるよ」
「ん?」
「人には伝わりにくいカリスマなんだよ。自分で言うのもなんだけどカリスマ抜群な私と星丸があんたには敵わないと思っているんだから」
「そ、そうか?」
光はともかく星丸もなのか。
ちょっと信じられない話だけど。
「あんたはきっかけが作るのが下手。その変わり一度知り合えばすぐにあんたのカリスマ性が見えるって事。普段は100の力を持つカリスマを100の力を持って隠しちゃってる感じ」
「それはほめ過ぎだろ」
「そうかな?私バカだから優等生の意見の方が正しいかもねん」
「問題児だけどなぁ」
「それは達裄が意図して隠してるって事かな?そもそもあんた自身が近寄らないんだよね。まぁその辺は追及しないけど」
含みを持たせているが俺には真意が読み込めなかった。
「以上、親友の忠告を終わります」
「……ありがとうございました」「じゃあ今から言う口座に授業料を支払っておいてね」
「有料!?」
でも彼女の忠告はお金を払う価値があったぐらい有意義だったと自負出来る。
まったく、お節介な親友だな。
「5万ぐらいで足りる?」
「ごめん、その払えそうだし払えなさそうなリアルな金額やめて……」
「光さん、肩もみましょうか?」
「ここでの肩もみってどんな視感プレイよ」
そういえばここはデパートだったな。
よくよく考えたら俺達こんな場所で何言い合ってんだよ!
ハズい。
俺と光は顔を赤くなった。
それくらいヒートアップしていた。
「じゃあね達裄、今度あんたの手料理でも食べさせてくれれば良いから」
「飛びっっっっっっっきりまずい料理ごちそうしてやる」
「あはは、くたばれよ~」
そう言って光は外へ出て行った。
さて、光にごちそうする時はあいつの好物をたくさん作ってやろうかとメニューを思考していた。
「ごめんお兄ちゃん、トイレの場所見つからなくて2階まで行ってたよ」
それから5分くらいして息切れした申し訳なさそうな妹と再会した。
この時は恋のドジっ子に感謝した。
「い、いや……全然っ」
笑いを堪えていた。
ぷんぷんがツボに入った。
脅しの言葉ではなく単にぷんぷんって怒っているだけなのではないだろうか。
「実は私、物まねが得意なんですお姉ちゃんは完璧マスターしました」
「なにを持って物まねが得意と言うか。姉さんの物まね他にやってみてよ」
「『よーし、新しい趣味に目覚めに行くかー!いざ、見知らぬ誰かをストーキング!』」
「やめて、俺もまだ知らない曝け出されたアブノーマルを見せつけないで」
すごく声と意味のわからない突発的な言葉が完全に姉だった。
恋の顔で言われるのがすごいショックで、本当は記憶を消したい。
まぁ忘れやすい俺の頭ではすぐ忘れるだろうが。
「あれ?どうして目を背けたくなってますか?お姉ちゃんの良いところをお兄ちゃんに知ってもらおうとしたのに」
「なんで?むしろ幻滅したんだけど」
「新しい趣味にはまるのは良い事です。マラソンなりスイミングだったりと何事も始める事が大変なのですから」
ピュア過ぎるよ。
なんで姉さんの妹で姉さんと暮らしていたのにそんなに無垢でいられるんだよぉ。
まずストーキングってアウトな単語入っているでないの。
根本的な話、何故物まねスキルを手にした。
誰かに姉の自慢として言い聞かせているのだろうか。
一家の恥なんだけど。
まぁ俺含め一家の恥は承知だけど。
「じゃあ俺の物まねをしてみてよ」
「急に難易度上げますね」
「あー」と発声練習を始めた。
少し男らしい声になっている。
「『お前らの敗因は俺に手を出した事だったな。はい残念、君達の敗北はこの時点で確定したよ』」
「いや誰だよ!」
なんでそんな悪役の最強の四天王なんて設定の似合いそうな言葉をチョイスしたんだよ。
俺の声は似ていたけど物まねではなく声まねである。
もしかしたら今日見たとかいう夢のお面ライダーみたいな俺の言ったセリフかもしれない。
いや、それはそれで元ネタがおかしい。
「おっ、着いたぞ」
そんな事をして遊びながら歩いていたからかとても早くデパートに辿り着いたような錯覚に見舞われた。
逆に少し遅かったくらいだ。
あ、デパートの中に入った俺の元に1つのことが思い至った。
とてもデパートに来た意味を覆すことだ。
「ところでさここに来てから言うのもなんだけど必要なものってある?」
「あー、……昨日ハンバーグいっぱい作ったからひき肉とかですかね」
「生活必需品ではないんだな」
恋の届く荷物以外にもそろえるのなんかあるだろう。
そんな事言ったが昨日の夜に送られた姉のメールの荷物リストは大概が埋まっていた。
「普通に買い物していくか」
買い物カゴを手に取りカートに乗っけた。
エコバッグは持参していたので、カートにそれを引っ掛けた。
「ちょっとトイレに行ってきます」
「場所わかる?」
「はい、何回か来ているので」
そう言って恋はここから少し距離のあるトイレの方向に歩いて行った。
あまりそういうのには着いて行かなくても良いだろう。
前に光のトイレに着いて行った星丸が文字通り星になった事がある。
流れ星になって戻って来た。
なんだかよくわからない出来事である。
因みに恋と俺は別々に住んでいたといっても徒歩ぐらいの20分ぐらいの距離なので微妙に近所という話。
中に入った事は無いが、たまにマンション前を歩く事はある。
通っている中学校も昔の俺と同じ中学で転校の必要もない。
「あれ、達裄」
「おお、なんか暇つぶしが出来そうだ」
「は?」
「いや、こっちの話」
噂をすればなんとやら。
買い物帰りの光と遭遇した。
「ボッチか」
「喧嘩売ってるボッチ?」
心にくるなぁ。
光は誰にでも気軽に話しかけられる性格なので友達が多いし、先輩にも可愛がられている。
星丸も明るいし行動力あるし話すとウザイ(全体の評価では楽しいだが俺から見たらウザイ)しで多々に渡る人間関係がある。
何故そんな人間に囲まれている俺は友達が少ないのか。
理由はわからないが、しかし理由があるから友達がいないんだろう。
運動出来る、勉強出来るみたいなだけで嫌われるのだろうか?
光は運動出来る、勉強出来ない。
星丸はどっちも出来ない。
そういえば中学の教師からは『優等生の問題児』とか揶揄された事があったか。
なんだろう?学校の奴らからは星丸と光のおまけとか、金で雇った友達とかに見られていたりする?
うーん、なんで俺はこんな奴らと仲良くやっているのだろうか。
学校の七不思議として俺自身が流してやろうか。
流す相手も居ないのだが。
……何故俺はこんなに渡って自虐しているんだろうか?
「全く、自分の言った言葉が跳ね返ってきてダメージを受けるって言葉もないわ」
「ごめんなさい」
力の序列は完全に光が頂点だった。
流石女性優先の社会。
こんなところまで影響を及ぼすなんて。
「達裄もここに来るんだったら誘うんだったなー……」
「誘われたらもう喜んで拒否するよ」
「あ?」
「……冗談です」
まあ実際は喜び過ぎて逆に光から鬱陶しがられて帰れって追い出されそうな気がするが……。
この光には素直になれない自分はなんなんだろうか?
以下、割愛。
「しかしエコバッグとか持って主夫だよねぇ」
「1人暮らしは全部やらなきゃならんから大変だよ。なんなら光が一緒に住んでくれたら俺も少しは楽出来るんだけど」
「え……?そ、そう。まぁもし本気で言われたらしてやっても良いけど、っ」
光はちょっと照れながらしゃべっていたが最後の最後で舌を噛んでちょっと涙目になっていた。
はきはきする光が舌を噛むのは珍しい。
美人がそういう反応を見せるととてもギャップがあり可愛いさがぐっと上がる。
本当に光が一緒に住んでくれたら荷物持ちになってくれそうで助かるのに。
恋には荷物持ちは怖くてあまりお願い出来そうにない。
「うわっ、そういえば格好付けてんねぇ」
話を変える機会だと思ったのか脈絡なく流亜からの誕生日プレゼントのペンダントへ目を向けていた。
「あんた青好きだもんね」
「流石相手の気持ちを汲める光さんはわかるねぇ」
「なに、買ったの?」
「いや、昨日流亜からもらったプレゼントだよ。あいつって話もだけど選ぶセンスも持ってるよなぁ」
「……」
急にぶすっとした表情の光。
二次元なら大好物な反応だがリアルでやられると視線で弓矢を発射された気になる。
「……それは昨日拳をぶつけた私への当て付け?」
「違います。いや、ホント違うんですよ……」
「うん、達裄が年下ばっかり贔屓するのはわかる。うん気持ち悪いぐらい。そして仲良くしてやってる私と星丸ばっかり冷たくあしらうのも知ってる。どうせ達裄から雇われた親友というポジションだからね」
「そんなつもりはありませんでした、ごめんなさい」
流亜や恋の年下に甘いかもしれない。
もしかしたら光の妹の花ちゃんにも。
そして光、星丸、姉さん辺りとは大分違うかもしれない。
もう少し後者3人に対し接し方を変えようと誓った。
「もうそんなに良いから。いや本当に」
それから5回ぐらい頭を下げ続けた。
2回目ぐらいで許してはくれていたのだがそれでも謝り続けた。
「これから言うのはとどめではなく親友だから言うよ」
そして光はちょっと思考と合わせながら言葉を紡いでいっているみたいだった。
どうやら真面目な話になりそうだった。
本当に姉御肌だよな。
「あんたさ、来年になってもし私と星丸、両方とクラスが別れたらどうするつもり?」
「え……」
「人との交流を絶つつもり?学校生活なのに?あんたもうすぐで1年経つけどまともに話すのそれぐらいじゃん。私たちは中学からずっと一緒なのに達裄の周りだけ全然メンバー変わらないんだよ?」
「…………」
考えてみる。
星丸とは幼馴染だけど1回疎遠になったな。
1年の時はクラスが違うんだっけか?
まぁ、小学6年ぐらいから疎遠になったのだけれども。
光とは2年から。
そこから3人の慌ただしい光景が日常になったんだっけか。
そこまで行くのにも時間は掛かったが。
そういや、ずっと1人なんだったか。
家に帰っても、学校でも1人。
俺は星丸との空白の1、2年の時ある子が支えになってたんだっけな。
もし、支えになっていたあの子が居なかったらそれこそ中卒引き籠りになっていたかもしれない。
「他に友達居る?」
「えっと……影太」
「影太ってどっちかというと星丸の友達だよね」
言われてみなくてもそうだったな。
これで男子は、……全滅した。
「雨なら友達だ」
「雨ちゃんは確かに友達だね。でもね彼女は星丸の彼女なの。クラス一緒になったとして授業の合間はともかく昼休みは星丸と一緒に食事に行っちゃってボッチだよ」
「あれ?」
俺ってこんな人数しか友達居ない?
あれ?右手の指で数えても1本余るんだけど……。
「じ、実は描写されてないだけで知り合いは居る、とか?」
「そんな都合の良い話はありません」
積んだ。
光に完全に論破された。
俺はそんな時どうすりゃ良いんだろうか?
「でもうちの学校はクラスでもあまり生徒の入れ替えはしないって話だから大丈夫だと思うけどね。2年と3年はクラス変わらないし。これは知り合いに先輩が居れば普通に聞く話だけど達裄はどうせ知らないでしょ」
全く知らなかった。
万が一の事も考えておいて、光に厳しく忠告された。
「だからもう少し交友関係を広めなさいな」
「はあ、お前がカリスマ性のある奴ってよくわかるわ」
こんな強くて、厳しくて、正しくて、美人で。
俺は光の側に居ると安心するんだ。
どんどん、惹かれていくんだ。
「達裄も十分そのカリスマってやつ持ってるよ」
「ん?」
「人には伝わりにくいカリスマなんだよ。自分で言うのもなんだけどカリスマ抜群な私と星丸があんたには敵わないと思っているんだから」
「そ、そうか?」
光はともかく星丸もなのか。
ちょっと信じられない話だけど。
「あんたはきっかけが作るのが下手。その変わり一度知り合えばすぐにあんたのカリスマ性が見えるって事。普段は100の力を持つカリスマを100の力を持って隠しちゃってる感じ」
「それはほめ過ぎだろ」
「そうかな?私バカだから優等生の意見の方が正しいかもねん」
「問題児だけどなぁ」
「それは達裄が意図して隠してるって事かな?そもそもあんた自身が近寄らないんだよね。まぁその辺は追及しないけど」
含みを持たせているが俺には真意が読み込めなかった。
「以上、親友の忠告を終わります」
「……ありがとうございました」「じゃあ今から言う口座に授業料を支払っておいてね」
「有料!?」
でも彼女の忠告はお金を払う価値があったぐらい有意義だったと自負出来る。
まったく、お節介な親友だな。
「5万ぐらいで足りる?」
「ごめん、その払えそうだし払えなさそうなリアルな金額やめて……」
「光さん、肩もみましょうか?」
「ここでの肩もみってどんな視感プレイよ」
そういえばここはデパートだったな。
よくよく考えたら俺達こんな場所で何言い合ってんだよ!
ハズい。
俺と光は顔を赤くなった。
それくらいヒートアップしていた。
「じゃあね達裄、今度あんたの手料理でも食べさせてくれれば良いから」
「飛びっっっっっっっきりまずい料理ごちそうしてやる」
「あはは、くたばれよ~」
そう言って光は外へ出て行った。
さて、光にごちそうする時はあいつの好物をたくさん作ってやろうかとメニューを思考していた。
「ごめんお兄ちゃん、トイレの場所見つからなくて2階まで行ってたよ」
それから5分くらいして息切れした申し訳なさそうな妹と再会した。
この時は恋のドジっ子に感謝した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる