絶対お兄ちゃん主義!

桜祭

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1章

フラグがぼっきぼき

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「ちょっと鮮やか過ぎて突っ込み入れられなかったのですが」
「で、お前あんな奴のどこ良いの?」

次は本人の流亜の確認である。

「あれ!?終わってないし。達裄先輩冗談ですから。戻ってきてー」
「あ?冗談……?あー焦ったわー」
「私にそんな人居ませんから。居るとしたら……達裄先輩ですよ」

その躊躇って渋々言ってくれた事がすごく悲しかった。
お世辞とわかるお世辞って結構くるよなー……。

「うん、お世辞ありがと」
「……フラグをぼっきぼきに折って楽しいですか……?」
「…………」
「…………」
「なんてな」
「冗談でしたー」

長い茶番のコントでした。
こんなバカな遊びに付き合ってくれる流亜は本当に良い奴だ。
しかし打ち合わせ無しでここまでいけるものか。
流亜と俺は相性抜群だな。
冗談だと言ってはいたが星丸を気になるか……。
俺との方が流亜と付き合い長いはずで、星丸なんか数回しか会った事ないはずなのだが。
それとも俺が居ない時にでもコソコソしてたりとかか。
ま、まぁ別に動揺とかまっっったくしていないけどな。
このまま流亜と遊びにでかけようとも思ったが恋と出かける約束を思い出した。
と同時に昨日の事情を言ってしまおうか悩んだが、恥ずかしいのでしばらくは妹と暮らしている事は秘密にしておこう。

「今から俺用事あるから今日はお別れだわ」
「女か?女なんですか?」

ジト目である。
その目からは『お前、私で散々遊んで捨てんのかコノヤロー』的な意味が脳内に伝わった気がした。

「ぼぼぼ、ボッチだし」
「もっとプライド持ってくださいよ!」

ボッチで納得される俺。
普段から友達居ないって思われてんだなぁ。

「えー、そうなんですか。これから達裄先輩にごちになるデート期待してたのに」
「君から見て俺はATMですか……」
「その変わりわらあげますよ」
「まだわらしべ長者続いてた!?」

これからは結局なあなあで切り上げた。
因みにわらはもらわなかった。

「ではまた会いましょう、ATM」
「はっきり言いやがったなお前!」

流亜を見送り、そのまま手を振って別れた。
そろそろ恋を呼ぼうか。
そう思い家の玄関へ目を向けると同時に恋がドアから出てきた。

「遅くなってごめんねお兄ちゃん」

俺を見るなり開口一番に俺にぺこりと頭を下げて謝罪を入れた。
とても躾けられた礼儀正しい妹だ。
可愛い、礼儀正しい、料理得意。
こいつは最高の妹ではないだろうか。
姉はわけわからん性格していたから尚更天使だ。

「ごめんな、お兄ちゃんちょっと失礼な事思ってたわ」

あの姉と姉妹なんて、頭のネジどころか頭自体が取れた変な奴だと思っていたら会ってみたら天使。
もっと早く出会いたかったな。
もっとも今脈絡なく謝られた恋は頭に?を浮かべていたが、流れに呑まれて納得したみたいだった。

「お、お前……」
「え?次は何お兄ちゃん?」
「可愛い姿しているな」
「はわわわわ……、ありがとうございます」

ドキドキした。
とても恋の姿が俺が可愛いと称するスキルを埋めていて、新しい世界へ旅立ってしまいそうだった。
ピンクのワンピースに、二つ結いで結んだ恋。
白くて小さなバッグを持ち、幼いながらもその幼さをちゃんと武器にした化粧だった。
光とよく遊んだりするがあいつは化粧をしないからなぁ。
それでいて町中に居る誰より美人だから質が悪い。
恋も化粧なんかなくても誰より可愛いだろう。
影太と同じロリコンは認めたくはないが、シスコンとかいうやつには目覚めてしまいそうだった。

「は、初デ、……お出かけだし写メって良い?」
「おっけ~」

初デート、そう言いそうになっていた自分に驚いていた。
そもそも写メの機能は電池の消耗が激しい為滅多に使わないのだがそれをあっさり解禁していた。
これも記念だ。

「はいポーズ。もう一枚いくよ。よしもう一枚」

カシャ、カシャ。
何回かシャッタを押していき何枚かの恋の画像が保存されて、一番良かったと思った11枚目の写メを待ち受けにした。
デジカメでも買っとくか。

「結構撮ったね。何枚くらいだった?」
「ほんの30枚くらいだよ」
「そんなものなんだぁ。もう5枚ぐらい遠慮しなくて良かったのに」
「撮る機会はまだあるしそこまで欲張らないよ」
「お兄ちゃんって謙虚だね」
「日本人は謙虚だからな」

こころも広いしこの子も光や流亜みたいに話していて面白い子だなぁ。

買い物をするのが目的なので近所のそこそこ大きいデパートを目指し徒歩でブラブラっと向かう事になる。
天気は陽光。気温は低め。湿度低めな外であった。
太陽が眩しい。
日の明かりはあまり得意ではなかった。

「お兄ちゃん寒いね~」
「あー……、少し眠いわ」
「それでもポカポカのお日様で絶好のお出かけ日和だね~」
「そうだね、寒いね~」
「……お兄ちゃん眠い?」
「そうだな、良い天気だなぁ」
「なんか会話が1つずつずれて返ってくるんだけど……」

おっと、流亜との会話が楽しすぎて疲れていたのか。
このさんさんと照らす太陽がまた眠気を誘う。

「お兄ちゃん、手繋いでいこうか」
「ああ」

恋が俺の左手を持っていき手をぎゅっと繋いだ。
恋の体温が指先から伝わっていた。

「あれ?いつの間に手繋いだんだ?」
「えっ!?今ですよ」

描写してはいるが全く理解が追い付いてないな。
恋を不安にさせてしまっている。
これは恋に驚かせてもらって眠気を飛ばしてもらうか。

「なぁ恋、なんか驚かせる事言ってみて?」
「急にそんな事言われる方がびっくりするよ」

確かにそうかもしれない。
この子やっぱり頭良いかもしれない。

「えーとね、私を見て」
「ふむ?」

胸に手を当てて赤い顔をして言った。

「私Oだよ」
「ふーん。……って、はあああぁぁぁ!?いやいやいやいや、どう考えたってAでしょ?」

軽く流して聞いていたがOカップはないだろ!
つーか化け物じゃねーか!
ただ大きければ良いってわけじゃない典型的な例である。

「みんなに言われるよ」
「そうか、だろうな」
「やっぱり私A型に見えるんだなぁ」
「……その胸張る癖やめような」

なんか悲しくなってきた。
光とこの妹が1つしかかわらないとか神様って不公平だな。

「俺は因みにB型だ」
「あぁ、なんとなくわかります」
「お前今俺の事バカにしたろ?」
「そんな事ないですよ、BとOって相性良いんじゃないでしたっけ?だったら嬉しいじゃないですか!わーいわーいです」

心の歪んでいる俺は今この場で泣きたくなった。
とても眩しい。
とても俺なんかといちゃいけない。
そんな事言ったらまた泣きつくか怒られるかするから口にはしないけど。

眠気はいつの間にか吹っ飛んでいた。
徹夜する前よりテンションが上昇していた。

このまま高いテンションならもう一徹夜ぐらい余裕の裕ちゃんだぜ。
もう深夜4時ぐらいの狂ったテンションになっていた。

「もう俺のテンションはしばらく下がる事はないぜ」
「おー、なんかかっけー」

と、恋から『かっけー』評価をもらった瞬間だった。
スマホから弱い振動を感じた。
メールならすぐに終わるバイブは、しばらく続いていたのでおそらく通話だろう。
さて誰やと確認するとそこには天然パーマグループの海谷星丸からの通話だった。
…………テンションが戻った。
下がらない発言から1分で下がってしまった。
どうやらフラグだったらしい。

「なぁ恋?この通話の相手さぁすげー悪者なの」
「はぁ、すげー悪者?」
「お面ライダーの真の黒幕お面博士なんだ」
「お面博士は疑ってなかった!」

誰だよお面博士!
というか登場人物にいるんかい。

「だからドス聞かせて脅して、すぐ切って」

はい、とスマホを渡し恋が通話モードにした。
さて、恋のプリチーな脅しを楽しみに待った。





「オイ、んだよお前ぇ?存在を消されたくなかったらさっさと存在消えろよ!存在の消し方が知らなきゃうちの兄《あに》さんが直接向かうぞコラ!」

通話を切断。
右手で俺にスマホを返しに伸ばしていた。

「あれ、お兄ちゃん遠くない?」
「いや、地球の自転じゃない?」
「なんで冷や汗かいてるの?」
「怖いもの見ちゃったからかな……」
「お兄ちゃんでも怖いのあるんだね~」
「恐怖心がない奴は強くも弱くもなれない半端者だからな」

うん、姉さんこの子強いわ。
やっぱり遠野家の人間だわ。
もはや別人の領域だった。
声優でも目指せば良いんじゃないかな?

「今のお姉ちゃんのドス聞いた声のマネしたんですがどうでしたか?」
「……二度とそんな声出さないでください」

姉さん……。
あんたもこえーよ。

「ちょっと普通に脅してみて」
「え?えぇっと、おぉい!今機嫌悪いんだよ!ぷ、プンプンですよ!」
「…………」

むしろご褒美です。
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