11 / 33
1章
後日談、『サナダユキムラ』について
しおりを挟む
後日談。
青高の『サナダユキムラ』について。
特に理由もなく、ネットをしながらそんなのあったけなーという気軽な感じで検索をしてみると誰かのブログにヒットしたのであった。
タイトルは『武神サナダユキムラにマジ会ったわ』とかいうタイトルであった。
『サナダユキムラって真田裄村って書くみたいでサインももらったわ』とか書いてあり、画像のデータを読み込むと俺が書いた誤字色紙の画像が出てきた。
ブログのタイトルがポン酢の世界とかいうブログだったがこいつポンドとか名乗ってなかったか?
「これポンドのブログか?……コメント欄なんだこれ?」
偽物の俺なんかのサインに1万で譲れだのどこに行けば俺に会えるだのとても英雄扱いされてる奴なんだなぁと思った。
俺じゃない本物の武神がこれを見たらどう反応すんのか、俺に仕返しとかないよな?
もう面倒事は嫌だとページを閉じるのであった。
しかし、武神のファンとかいう奴が俺の知り合いにも居たのであった。
「おっす流亜」
「ちわーっす達裄先輩」
それは数日後の学校からの帰宅時の話である。
家まで直帰の俺は帰宅途中の金髪中学生の流亜を見かけそのまま一緒に話していた。
「実はお前に伝えなくてはいけない大事な話があるわ……」
「な、なんか今日は深刻そうですね」
「とっても大事な話なんだ。……多分お前が傷付くかもしれない」
「え……?」
どんな嫌な事が思い浮かんだがかはわからない。
ただ、何故か俺の制服の裾を握り覚悟した顔で目を瞑っていた。
「お前の事さ……」
「たつ、裄先輩……?」
「星丸が興味ないって。雨一筋だってさ」
「……」
「ごめんな力になれなくて。俺星丸も雨も親友だから無理言えなかった」
「だからその話は嘘って言ったじゃないですか!」
大声で怒られて、制服の裾から手を放していた。
「驚かさないでくださいよ。それにこないだ『サナダユキムラ』がサインもらったのをネットに挙げてる記事読んでショック受けているんですから。私も欲しいんですから」
「……あれは俺が書いた偽物だぜ?」
「知ってますよ。『裄』なんて字、達裄先輩と会うまで存在自体知らなかったんですから」
というかあの字って他にも使えるんか?
俺も短い人生の中であの字は母親の名前と俺の名前でしか見た事がないしな。
「あんなん欲しいなら今すぐ書いてやるっつーの」
どうせいらないとか来る前振りだろ?
そう考えて軽い気持ちで言ったのだが流亜は目をキラキラと輝かせていた。
何かを欲しがる子供、失礼ながら容姿からもそう思ってしまった。
「わたし『サナダユキムラ』のファンなんです。ぜひお願いします。でも色紙もペンもないです。コンビニ行きましょう」
あれ?
書いてやるとは言ったが、書くとは断言してない。
しかし、流亜は帰宅方向から変えてコンビニのある元来た道を戻りだした。
まぁ書かない選択肢はなさそうだ。
それならと流亜のコンビニに付き合うのであった。
しかしここからは少し遠い距離だ。
雑談するぐらいの時間はあるか。
しかし内容がない。
『サナダユキムラ』の事でも聞こうとしたら流亜から俺への雑談のネタを投げ出されたのであった。
「そういえば達裄先輩ってどうして青空高校に入学したんですか?」
学歴なんか必要なさそうなのにと失礼な一言が後ろにくっ付いた。
「別に理由はないよ。ただ家から近かっただけさ。底辺校が一番近かったらそっちに行ってたさ」
「確かにゆっくり出来ますもんねー。私も青高入りたいけど無理だしなー……」
俺の制服を見ながら羨ましそうに溜め息を付いた。
俺の短い付き合いの中でも流亜がこんな暗いテンションになるのもそうないとは思う。
「お前どこ目指してるんだ?」
「んー……。一応先生には秋風女子目指してはいるんですけど、青高から3ランクぐらい落としてもB評価なんですよ」
受験生の流亜と進路相談をするのはもしかして初めてかもしれない。
もし後輩になったらと考えた事もあったが青高は偏差値が高い、倍率も高い、人気も高い。
確かに入るのは困難な場所なのだ。
受験も1月の後半だから残り1ヶ月くらいか。
残り1ヶ月で進路を変える決断もまた大変だからな。
そういえば俺は今年入学して新入生の挨拶の代表になったっけな。
「先生から内申は良いけど学力が無いって言われたんですよ」
「いやお前金髪じゃん。内申悪いやろ」
「これは地毛です。私の両親どちら共ハーフですから。まぁもう完全に日本人ですけど」
「え、そうなん?ただの不良娘だと思ってたわ」
そう言われると人工的な色だと思っていた金髪が、とても自然な金髪に見えてくるので不思議だ。
血が出ていても、気が付くまで全く痛いと思わないあの錯覚の様な現象だろうか。
「俺は流亜が後輩になるかも、なんて考えてたけどそうか無理か……」
「…………」
流亜が俺から顔を背けて、どうやら指で頬を掻いているようだった。
なんか恥ずかしい事あったか?
「去年は星丸と光の3人で頑張れって応援し合って俺が家庭教師やったのも1年前か……。あいつら5個ランク落としてギリギリだったのによくやるよ」
あいつら俺が行くってだけで便乗しやがったからな。
思ってたよりバカで勉強が嫌で泣いてたあいつらと教えるのが嫌で泣いてた俺。
そこまでして行く価値もあったか?
「先輩、なら私にも頑張れって応援を下さい。それなら私受験頑張れる気がします」
「……頑張れ」
「全然気持ちが籠ってないんですけど……」
「よくわかったな正解だ。全然気持ちを込めてないからな。なんにも思ってないし想ってない。どうにでもなればって感じだからな」
「……え?」
俺の感情が籠っているかいないか。
こいつはそんな事がわかるくらい俺を理解してたんでなと少し関心した。
「心の籠めていない頑張れならいくらでも言えるぞ。おぅ頑張れ」
「……どうして星丸先輩達には言えて私には言ってくれないんですか?親友じゃないからってんですか?」
泣きそうになりながらも耐えている声が耳に響く。
少し流亜が歩くスピードを遅めたので、俺も一時停止してからその流亜の歩調に合わせた。
「そんなんじゃねーよ。つかお前も親友だとは思ってるよ。ただこれは俺の別問題なんだ」
ここからの説明がちょっと難しい。
5秒くらい言葉を作っては崩し、修正して口に出す。
「俺さ、……自分が見ているだけで全く干渉していないのに頑張っている人間に頑張れって応援するのに嫌気がさしたんだ。だから俺が心を籠めてする応援の時は俺がとことんまで干渉した時だ。俺も受験の時、あいつらには1回しか言えてないしな」
「そうなんですか。……ごめんなさい」
「いや、こっちが悪いよ。ごめん」
2人して頭を下げ合った。
こんな話、年下の後輩にする話じゃなかったな。
「私もあと1年早く生まれていればなー……」
「……おっ、着いたな」
コンビニの入口に付き、俺が先頭で自動ドアの前に立ち、開くと同時にコンビニ内に入店した。
雑誌売り場や小物売り場を脇目に文房具売り場へ辿り着き色紙とマジックペンを手に取りそのままレジに向かおうと方向転換するが、流亜が「待ってください」と引き留めた。
「私が書いてもらうんだから私が払いますよ」
「あ?出してやるよそんぐらい。その変わりお前あっちで表紙買いでいいからエロ本買って来い」
「ロリでよかと?」
「エロ本買った時点でお前とは縁を切るけどな」
「それじゃあやっぱりただのおごりじゃないですか!」
何故おごりで怒ってんのか。
こないだは俺おごりのデートだのATM等言っていたくせに。
というわけで消費税分だけの金額は受け取った。
「しかしコンビニって来るとテンション上がんないですか達裄先輩」
「うひょーってなるよな」
「いや、別になりませんよ」
「なんだお前!?」
合わせてやって否定がきた。
何考えているかよくわからん後輩だと思う。
「うひょー、新商品レモン味のオレンジジュースですって達裄先輩」
「本当にお前はなんなんだ流亜後輩」
というかレモン味のオレンジジュースって何?
果汁5パーセントってなってるけどどっちの?
謎の新商品は気にはなったのだが目的の2品のみを持ってお会計を済ませるのであった。
コンビニから出た2人は早速色紙とマジックペンの包装を破りゴミはきちんと近くのゴミ箱へと捨てた。
とりあえず近場のベンチへ腰かけ右手にマジックペン、左手に色紙を持った。
「これに『真田裄村』って書けば良いの?」
「はいそうですね」
偽物相手の俺に何故そんなにニコニコで居られるのか。
いまいちよく俺もわからない。
ただなんとなくだけど1つ確信している事はある。
こいつが青高に行きたいと言ったのはその『サナダユキムラ』が絡んでいるのではないかと思った。
なんとなく流亜の彼への反応はファンというより好意に見える。
俺でもなく、星丸でもない。
彼『サナダユキムラ』の為に彼女は青高に憧れるのであろう。
「……」
サラサラ~とポンドに書いてやったサインを思い出しながらそれに似たサインを描いてやった。
隣では「ありがとうございます」と、とても大喜びの流亜が笑顔になっていた。
「なんかメッセージでもいる?」
「是非。どんな事でも構いません」
「言ったな。どんなんでも良いと言ってしまったな」
俺はフフフと笑ってしまった。
悪ふざけのお時間だとばかりに嫌がらせのようなメッセージが次々と思い浮かんだ。
「ナスを喰えるようになりなさい。だから君はまだまだ体が幼いんだぜ!小さいなゲヘゲヘゲヘ」
「うわ、最低だこの先輩!」
「返品はご遠慮願いますお客様」
そのまま流亜に押し付ける様に色紙を渡した。
そして逃げる様に通学カバンを持ってベンチから立ち上がった。
「そういやせっかく寄り道したんだから本屋寄ってくわ。またどこかのお寺で会うか」
「私は達裄先輩とお寺で会った事はありません」
「突っ込むとこそこ?」
「他に突っ込む箇所がありません」
ではまたーと流亜に手を振って別れた。
さて今月はどんな本が売っているだろうか?
俺はスマホの本の発売日を閲覧出来るアプリを起動した。
―――――
「全く達裄先輩って完全にふざけてて異性として見てないよねー……って、なにこれ?達裄先輩が言ってた文章と違うようなー……」
『流亜へ
応援はしないけど一緒に頑張る事は出来るから本気で青高を目指すんなら俺に頼れ!』
「……た、達裄先輩……こんなのずるいよ……。少しくらい気付いてよ……、胸が痛いですよ……」
つーか『サナダユキムラ』って本当に誰だ?
本屋に入ったら加藤清正特集をしていた。
真田幸村じゃねーんかよ!
青高の『サナダユキムラ』について。
特に理由もなく、ネットをしながらそんなのあったけなーという気軽な感じで検索をしてみると誰かのブログにヒットしたのであった。
タイトルは『武神サナダユキムラにマジ会ったわ』とかいうタイトルであった。
『サナダユキムラって真田裄村って書くみたいでサインももらったわ』とか書いてあり、画像のデータを読み込むと俺が書いた誤字色紙の画像が出てきた。
ブログのタイトルがポン酢の世界とかいうブログだったがこいつポンドとか名乗ってなかったか?
「これポンドのブログか?……コメント欄なんだこれ?」
偽物の俺なんかのサインに1万で譲れだのどこに行けば俺に会えるだのとても英雄扱いされてる奴なんだなぁと思った。
俺じゃない本物の武神がこれを見たらどう反応すんのか、俺に仕返しとかないよな?
もう面倒事は嫌だとページを閉じるのであった。
しかし、武神のファンとかいう奴が俺の知り合いにも居たのであった。
「おっす流亜」
「ちわーっす達裄先輩」
それは数日後の学校からの帰宅時の話である。
家まで直帰の俺は帰宅途中の金髪中学生の流亜を見かけそのまま一緒に話していた。
「実はお前に伝えなくてはいけない大事な話があるわ……」
「な、なんか今日は深刻そうですね」
「とっても大事な話なんだ。……多分お前が傷付くかもしれない」
「え……?」
どんな嫌な事が思い浮かんだがかはわからない。
ただ、何故か俺の制服の裾を握り覚悟した顔で目を瞑っていた。
「お前の事さ……」
「たつ、裄先輩……?」
「星丸が興味ないって。雨一筋だってさ」
「……」
「ごめんな力になれなくて。俺星丸も雨も親友だから無理言えなかった」
「だからその話は嘘って言ったじゃないですか!」
大声で怒られて、制服の裾から手を放していた。
「驚かさないでくださいよ。それにこないだ『サナダユキムラ』がサインもらったのをネットに挙げてる記事読んでショック受けているんですから。私も欲しいんですから」
「……あれは俺が書いた偽物だぜ?」
「知ってますよ。『裄』なんて字、達裄先輩と会うまで存在自体知らなかったんですから」
というかあの字って他にも使えるんか?
俺も短い人生の中であの字は母親の名前と俺の名前でしか見た事がないしな。
「あんなん欲しいなら今すぐ書いてやるっつーの」
どうせいらないとか来る前振りだろ?
そう考えて軽い気持ちで言ったのだが流亜は目をキラキラと輝かせていた。
何かを欲しがる子供、失礼ながら容姿からもそう思ってしまった。
「わたし『サナダユキムラ』のファンなんです。ぜひお願いします。でも色紙もペンもないです。コンビニ行きましょう」
あれ?
書いてやるとは言ったが、書くとは断言してない。
しかし、流亜は帰宅方向から変えてコンビニのある元来た道を戻りだした。
まぁ書かない選択肢はなさそうだ。
それならと流亜のコンビニに付き合うのであった。
しかしここからは少し遠い距離だ。
雑談するぐらいの時間はあるか。
しかし内容がない。
『サナダユキムラ』の事でも聞こうとしたら流亜から俺への雑談のネタを投げ出されたのであった。
「そういえば達裄先輩ってどうして青空高校に入学したんですか?」
学歴なんか必要なさそうなのにと失礼な一言が後ろにくっ付いた。
「別に理由はないよ。ただ家から近かっただけさ。底辺校が一番近かったらそっちに行ってたさ」
「確かにゆっくり出来ますもんねー。私も青高入りたいけど無理だしなー……」
俺の制服を見ながら羨ましそうに溜め息を付いた。
俺の短い付き合いの中でも流亜がこんな暗いテンションになるのもそうないとは思う。
「お前どこ目指してるんだ?」
「んー……。一応先生には秋風女子目指してはいるんですけど、青高から3ランクぐらい落としてもB評価なんですよ」
受験生の流亜と進路相談をするのはもしかして初めてかもしれない。
もし後輩になったらと考えた事もあったが青高は偏差値が高い、倍率も高い、人気も高い。
確かに入るのは困難な場所なのだ。
受験も1月の後半だから残り1ヶ月くらいか。
残り1ヶ月で進路を変える決断もまた大変だからな。
そういえば俺は今年入学して新入生の挨拶の代表になったっけな。
「先生から内申は良いけど学力が無いって言われたんですよ」
「いやお前金髪じゃん。内申悪いやろ」
「これは地毛です。私の両親どちら共ハーフですから。まぁもう完全に日本人ですけど」
「え、そうなん?ただの不良娘だと思ってたわ」
そう言われると人工的な色だと思っていた金髪が、とても自然な金髪に見えてくるので不思議だ。
血が出ていても、気が付くまで全く痛いと思わないあの錯覚の様な現象だろうか。
「俺は流亜が後輩になるかも、なんて考えてたけどそうか無理か……」
「…………」
流亜が俺から顔を背けて、どうやら指で頬を掻いているようだった。
なんか恥ずかしい事あったか?
「去年は星丸と光の3人で頑張れって応援し合って俺が家庭教師やったのも1年前か……。あいつら5個ランク落としてギリギリだったのによくやるよ」
あいつら俺が行くってだけで便乗しやがったからな。
思ってたよりバカで勉強が嫌で泣いてたあいつらと教えるのが嫌で泣いてた俺。
そこまでして行く価値もあったか?
「先輩、なら私にも頑張れって応援を下さい。それなら私受験頑張れる気がします」
「……頑張れ」
「全然気持ちが籠ってないんですけど……」
「よくわかったな正解だ。全然気持ちを込めてないからな。なんにも思ってないし想ってない。どうにでもなればって感じだからな」
「……え?」
俺の感情が籠っているかいないか。
こいつはそんな事がわかるくらい俺を理解してたんでなと少し関心した。
「心の籠めていない頑張れならいくらでも言えるぞ。おぅ頑張れ」
「……どうして星丸先輩達には言えて私には言ってくれないんですか?親友じゃないからってんですか?」
泣きそうになりながらも耐えている声が耳に響く。
少し流亜が歩くスピードを遅めたので、俺も一時停止してからその流亜の歩調に合わせた。
「そんなんじゃねーよ。つかお前も親友だとは思ってるよ。ただこれは俺の別問題なんだ」
ここからの説明がちょっと難しい。
5秒くらい言葉を作っては崩し、修正して口に出す。
「俺さ、……自分が見ているだけで全く干渉していないのに頑張っている人間に頑張れって応援するのに嫌気がさしたんだ。だから俺が心を籠めてする応援の時は俺がとことんまで干渉した時だ。俺も受験の時、あいつらには1回しか言えてないしな」
「そうなんですか。……ごめんなさい」
「いや、こっちが悪いよ。ごめん」
2人して頭を下げ合った。
こんな話、年下の後輩にする話じゃなかったな。
「私もあと1年早く生まれていればなー……」
「……おっ、着いたな」
コンビニの入口に付き、俺が先頭で自動ドアの前に立ち、開くと同時にコンビニ内に入店した。
雑誌売り場や小物売り場を脇目に文房具売り場へ辿り着き色紙とマジックペンを手に取りそのままレジに向かおうと方向転換するが、流亜が「待ってください」と引き留めた。
「私が書いてもらうんだから私が払いますよ」
「あ?出してやるよそんぐらい。その変わりお前あっちで表紙買いでいいからエロ本買って来い」
「ロリでよかと?」
「エロ本買った時点でお前とは縁を切るけどな」
「それじゃあやっぱりただのおごりじゃないですか!」
何故おごりで怒ってんのか。
こないだは俺おごりのデートだのATM等言っていたくせに。
というわけで消費税分だけの金額は受け取った。
「しかしコンビニって来るとテンション上がんないですか達裄先輩」
「うひょーってなるよな」
「いや、別になりませんよ」
「なんだお前!?」
合わせてやって否定がきた。
何考えているかよくわからん後輩だと思う。
「うひょー、新商品レモン味のオレンジジュースですって達裄先輩」
「本当にお前はなんなんだ流亜後輩」
というかレモン味のオレンジジュースって何?
果汁5パーセントってなってるけどどっちの?
謎の新商品は気にはなったのだが目的の2品のみを持ってお会計を済ませるのであった。
コンビニから出た2人は早速色紙とマジックペンの包装を破りゴミはきちんと近くのゴミ箱へと捨てた。
とりあえず近場のベンチへ腰かけ右手にマジックペン、左手に色紙を持った。
「これに『真田裄村』って書けば良いの?」
「はいそうですね」
偽物相手の俺に何故そんなにニコニコで居られるのか。
いまいちよく俺もわからない。
ただなんとなくだけど1つ確信している事はある。
こいつが青高に行きたいと言ったのはその『サナダユキムラ』が絡んでいるのではないかと思った。
なんとなく流亜の彼への反応はファンというより好意に見える。
俺でもなく、星丸でもない。
彼『サナダユキムラ』の為に彼女は青高に憧れるのであろう。
「……」
サラサラ~とポンドに書いてやったサインを思い出しながらそれに似たサインを描いてやった。
隣では「ありがとうございます」と、とても大喜びの流亜が笑顔になっていた。
「なんかメッセージでもいる?」
「是非。どんな事でも構いません」
「言ったな。どんなんでも良いと言ってしまったな」
俺はフフフと笑ってしまった。
悪ふざけのお時間だとばかりに嫌がらせのようなメッセージが次々と思い浮かんだ。
「ナスを喰えるようになりなさい。だから君はまだまだ体が幼いんだぜ!小さいなゲヘゲヘゲヘ」
「うわ、最低だこの先輩!」
「返品はご遠慮願いますお客様」
そのまま流亜に押し付ける様に色紙を渡した。
そして逃げる様に通学カバンを持ってベンチから立ち上がった。
「そういやせっかく寄り道したんだから本屋寄ってくわ。またどこかのお寺で会うか」
「私は達裄先輩とお寺で会った事はありません」
「突っ込むとこそこ?」
「他に突っ込む箇所がありません」
ではまたーと流亜に手を振って別れた。
さて今月はどんな本が売っているだろうか?
俺はスマホの本の発売日を閲覧出来るアプリを起動した。
―――――
「全く達裄先輩って完全にふざけてて異性として見てないよねー……って、なにこれ?達裄先輩が言ってた文章と違うようなー……」
『流亜へ
応援はしないけど一緒に頑張る事は出来るから本気で青高を目指すんなら俺に頼れ!』
「……た、達裄先輩……こんなのずるいよ……。少しくらい気付いてよ……、胸が痛いですよ……」
つーか『サナダユキムラ』って本当に誰だ?
本屋に入ったら加藤清正特集をしていた。
真田幸村じゃねーんかよ!
0
あなたにおすすめの小説
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい
みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。
それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。
願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。
スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。
ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。
※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる