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新婚旅行はミレンハン国へ!猫になったシャルロットとポチたま大論争勃発!?
犯人はだあれ?
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港の側にある商家の主人が小麦粉やオリーブ油を快く貸してくれた。
それに井戸の水と大きな樽まで提供してくれた。
人間の姿に戻ったシャルロットは黙々と樽に井戸水を張って、その中に手を入れた。
「火の魔法で水を温めて……お湯を沸かす。これくらいかな……」
お湯の中に料理用の重曹を少量加えて攪拌した。
船にへばり付いた身体を剥がす際に大暴れしたので疲れ切ってしまい、猫達はぐったりしている。
シャルロットはベタベタなトリモチだらけの身体に小麦粉をまぶすと、オリーブ油を垂らして揉みこんだ。
「いい子ね、気持ち悪いと思うけど我慢してね。綺麗にしてあげるわ」
優しく猫に語りかける。
隣でゲーテも、シャルロットに教わりながら猫の身体を洗っていた。
「姫様、ゲーテ、お召し物が汚れてしまいます。私やユーシンがやりますから…」
「ふふ、ありがとう。でも、もう裾もスカートもずぶ濡れよ。それに慣れてるから大丈夫よ」
「ああ、俺も猫を風呂に入れるのは慣れてるぜ」
お湯で身体を洗おうとするとまた怖がって暴れたが、なんとか体の汚れを落とすことに成功した。
ずぶ濡れな身体をそっと清潔な布で包んで、身体を優しく拭いてあげた。
お風呂はやっぱり苦手なんだろう。
放心状態だ。
「もう、終わりよ。頑張ったわね」
「姫様」
キャロルは猫に近寄って頭に手を置いた。
すると風がぶわっと舞い上がり、猫を包む。
「ブローみたい!ありがとう、キャロルさん」
「専門外の魔法なんでこれくらいしかできませんが…」
猫の身体はすっかり綺麗になった。
商家の主人は犯人が残したメッセージカードを読みながら何かを考え込んでいた。
「……ううん……、あまり疑いたくはないんですが、これってやっぱりマース夫人の仕業かなぁ。昔、2人が宮殿の中で、ペットの問題で大揉めしたことは有名な話ですから……」
「マース夫人?」
「ナージャ王妃が、マース夫人の大事なペットの犬を殺してしまったんです。しかも故意に…」
「口を慎め、母上がそんな真似するわけないだろ!」
ゲーテが怒鳴ると、商家の主人は顔を青くした。
「も!もちろんでございます。王妃様は国民や動物を愛し慈しむ大変素晴らしい方です…」
「けど、確かに母上とマース夫人の間には確執があります。けれど、マース夫人も動物好きの優しい方です。いくら母上を恨んでいても、罪のない猫たちにこんなことするわけがない」
「何か思惑があるのか、愉快犯なのかわからないわ。けれど、近いうちにまた同じように犯行を繰り返すはずよ」
シャルロットは立ち上がった。
「いたいけな猫をいじめるやつは絶対に許さない!犯人を捕まえて懲らしめようよっ」
ヴェルはシャルロットの前に立つと、大きな声を出した。
「そうね!被害猫はもう出したくないもの」
『ねえ、お前たち。他の猫達にも気をつけるように周知してくれない?それから、何か怪しい奴を見かけたら教えてよ!』
ヴェルは野良猫達に言った。
こうして、その日は解散した。
それに井戸の水と大きな樽まで提供してくれた。
人間の姿に戻ったシャルロットは黙々と樽に井戸水を張って、その中に手を入れた。
「火の魔法で水を温めて……お湯を沸かす。これくらいかな……」
お湯の中に料理用の重曹を少量加えて攪拌した。
船にへばり付いた身体を剥がす際に大暴れしたので疲れ切ってしまい、猫達はぐったりしている。
シャルロットはベタベタなトリモチだらけの身体に小麦粉をまぶすと、オリーブ油を垂らして揉みこんだ。
「いい子ね、気持ち悪いと思うけど我慢してね。綺麗にしてあげるわ」
優しく猫に語りかける。
隣でゲーテも、シャルロットに教わりながら猫の身体を洗っていた。
「姫様、ゲーテ、お召し物が汚れてしまいます。私やユーシンがやりますから…」
「ふふ、ありがとう。でも、もう裾もスカートもずぶ濡れよ。それに慣れてるから大丈夫よ」
「ああ、俺も猫を風呂に入れるのは慣れてるぜ」
お湯で身体を洗おうとするとまた怖がって暴れたが、なんとか体の汚れを落とすことに成功した。
ずぶ濡れな身体をそっと清潔な布で包んで、身体を優しく拭いてあげた。
お風呂はやっぱり苦手なんだろう。
放心状態だ。
「もう、終わりよ。頑張ったわね」
「姫様」
キャロルは猫に近寄って頭に手を置いた。
すると風がぶわっと舞い上がり、猫を包む。
「ブローみたい!ありがとう、キャロルさん」
「専門外の魔法なんでこれくらいしかできませんが…」
猫の身体はすっかり綺麗になった。
商家の主人は犯人が残したメッセージカードを読みながら何かを考え込んでいた。
「……ううん……、あまり疑いたくはないんですが、これってやっぱりマース夫人の仕業かなぁ。昔、2人が宮殿の中で、ペットの問題で大揉めしたことは有名な話ですから……」
「マース夫人?」
「ナージャ王妃が、マース夫人の大事なペットの犬を殺してしまったんです。しかも故意に…」
「口を慎め、母上がそんな真似するわけないだろ!」
ゲーテが怒鳴ると、商家の主人は顔を青くした。
「も!もちろんでございます。王妃様は国民や動物を愛し慈しむ大変素晴らしい方です…」
「けど、確かに母上とマース夫人の間には確執があります。けれど、マース夫人も動物好きの優しい方です。いくら母上を恨んでいても、罪のない猫たちにこんなことするわけがない」
「何か思惑があるのか、愉快犯なのかわからないわ。けれど、近いうちにまた同じように犯行を繰り返すはずよ」
シャルロットは立ち上がった。
「いたいけな猫をいじめるやつは絶対に許さない!犯人を捕まえて懲らしめようよっ」
ヴェルはシャルロットの前に立つと、大きな声を出した。
「そうね!被害猫はもう出したくないもの」
『ねえ、お前たち。他の猫達にも気をつけるように周知してくれない?それから、何か怪しい奴を見かけたら教えてよ!』
ヴェルは野良猫達に言った。
こうして、その日は解散した。
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