55 / 171
第二章 毒娘、王都デビューする
46:新人三人になった事だしレベリングします
しおりを挟む私の魔剣用の鞘が出来上がった。
これで最初から予定していた装備関係が、ほぼほぼ揃った格好となる。
まだ買わないといけない装備もあるんだけど……。
・ピーゾン=服の上下
・ポロリン=ブーツ、スパッツ、外套
・ネルト=服の上下、ブーツ
こんな所が初心者装備だったり普段着だったり。あと腕装備とか装飾品とか。
まぁこれらは徐々に買うつもりでいきましょう。
というか最初にいっぱい買いすぎたよね。反省はしないが。
「そんなわけで、訓練しつつ、お金を貯めつつ、レベルアップをしつつ行こうと思います」
「おー!」
「ん」かっくん
「今日から<呼び込み>祭りです。ポロリンさん出番ですよ」
「えっ、他の冒険者の人たちへの配慮は……」
「<呼び込み>祭りしますよ!」
「は、はいっ!」
慈悲はない。魔物は殲滅してくれるわ!
我々には金が必要なのだ。
揃えきれていない装備品の他、毎日の宿代・食事代、日用品もろもろ、パーティーホーム資金、ネルトの食事代、ネルトのおやつ代……などなど。
だから! 我々には金が必要なのだよ!
依頼成功報酬、それもそうだけど倒した魔物はちゃんと剥ぎ取りして、討伐証明以外の部位もギルドの買い取り窓口に持ち込む。
ぶっちゃけそっちのほうがお金にはなる。
本当に金目的ならダンジョンに潜るところなんだけど罠が怖いしね。
私が神回避したところで二人が死んでしまう。
斥候が居ないとダンジョンは厳しい。
ネルトの<グリッド>も斥候要素はあるけど、果たしてそれがダンジョンで使えるのか。罠の発見が出来るのか。それは試してみないと分からない。
いずれにしてもレベルアップとネルトの戦闘訓練が優先だけどね。
ともかくそんなわけで適度に強い魔物をなるべく多く倒したいって事です。
二つめの目的として、我々には経験値が必要だ。
特にネルトはまだレベルも低いし事故が怖い。何気にポロリンもまだ一桁だからね。レベルアップを図りたいところ。
職業レベルもそうなんだけど、スキルレベルも上げたい。
これもやはりネルト優先なんだけど私もポロリンも。だからなるべくスキルを使おうと思っている。
スキルレベルを上げる方法は様々だ。
職業レベルと共に上がる場合、使用回数(熟練度?)によって上がる場合、何かしらの条件で上がる場合……などがある。
何かしらの条件っていうのは、例えば【鍛冶師】の鍛冶レベルであれば『ミスリルを一定品質で打てたら〇レベルになる』とかがあるらしい。
私たちの場合みんな固有職で、未知のスキルが多いからどうやってスキルレベルが上がるのかは分からない。
私のスキルはワイバーンを倒して膨大な経験値と共に上がったけど、それが職業レベルによるものなのか、熟練度によるものなのかよく分からないんだよね。<毒感知>は熟練度っぽいけど。
まぁ深く考えてもしょうがないんだけど、念の為、なるべくスキルを使って魔物を倒しましょうという事だ。
「というわけで私は<毒感知>と<毒弾><毒霧>をなるべく使うよ。ポロリンは<呼び込み>と<挑発>、ネルトは無駄撃ちでも<空間魔法>の<グリッド>で探索と<念力>で魔物にちょっかいを出す。ポロリンの後ろからね。盾役は基本ポロリンで行こう」
「了解!」「ん」かっくん
「森の浅いところだとコボルトくらいしか出ないから依頼は最悪帰り際にでもやるとして、とりあえず奥に行っていい感じの魔物が出るところまで進もうか」
依頼を受けたのは平原に近い森で出る魔物や薬草・毒草類だけ。
奥に行く途中でゲットしてもいいし、それまでに見つからなければ帰り際に集めればいい。
ある程度森の奥に入って、出来ればDランクのイノシシあたりが出るくらいの場所が理想かなぁ。
そこで周りに冒険者が居なければ<呼び込み>祭り実施です。
♦
森は木々が密集しているところもあれば、ある程度拓けているところもある。
川が流れていたり、ちょっとした滝になっているところもある。
そこら辺を目印がてらに戦場として<呼び込み>しまくった。
コボルトとか角カエルも出て来たけど、ブラックウルフの群れが釣れた時には少し驚いた。
こいつらはEランクなんだけど嫌われ者だ。ランクのわりに速いし強い。
基本的に群れだし、その群れの規模でランクが上がる。七体以上でDランクだったかな?
今回は六体だったから私たちとランク相応だったんだけど、さすがに初見だしネルトからすれば格上だ。
私は<麻痺毒>の<毒霧>を解禁し、数体の狼を麻痺らせながら戦った。
二人には抗麻痺薬を渡してあるので私がもし自爆したら使ってもらうという感じ。
またブラックウルフには100%毒させる事ができないと分かった。これも収穫。
まぁ何度か<毒弾>撃てばいいだけなんだけど。体感六~七割って感じかな。
そうして倒しては剥ぎ取りと繰り返す。
結構なペースで倒せていると思う。みんなレベル上がってるし。
MPの関係で休みながらだけど、一番MP使うネルトが<MP回復増進>のローブ着てるからね。
マリリンさんありがとう、助かってます。
ある程度<呼び込み>で倒したら少し場所を変えてまた同じルーティーン。
と、何度か繰り返していた時だった。
まず私の<気配察知>に引っ掛かる反応、そしてネルトの<グリッド>で森の奥に居る存在を確認する。
「オークかぁ……」
「ん。三匹いる」
「群れってほどじゃないですけど……戦うのは初めてですね」
オークは成人男性よりも背の高い、二足歩行のイノブタだ。ゴブリンと同じように棍棒を持っている。ランクは単体だとD。
危険なのは群れで居る場合が多い事と、人間の女性を攫い、それによる繁殖力が高い事。
その為見つけたら徹底的に殲滅するのが推奨される。ついでに肉が美味い。
「ブフォオオオ!!!」
「見つかるの早いな! とりあえず普通に倒すよ! ポロリン、先頭のヤツ引き付けて! ネルトは後ろのヤツの邪魔! 私は遊撃で動くから!」
「了解!」「ん」
そんなこんなでオークとの初戦闘だったわけだが、割とあっさり三体を倒せた。
ポロリンは、やはりオークのパワーに驚いたらしい。
そして何故か<挑発>をかけずともオークが襲って来たらしい。
これはオークの性欲センサーにポロリンが反応したためと思われる。
「うそでしょ!? ボク男だもん! 狙われるわけないですよ!」
などと意味不明な供述をしているが、私はそうだと確信している。むしろオークが狙わないわけがないと。
なぜこの期に及んで自分は男だと言い張るのか。
なぜ自分が本当は女だと認めないのか。
「ねぇ、ポロリンってチ〇コついてんの?」
「ついてますよ! て言うか女の子がチ〇コとか言わないで!」
「<グリッド>……チ〇コついてた」
「まじか」
「ちょっと、ネルトさん何してんですか! <グリッド>で覗くのやめて!」
「大きめのチ〇コだった」
「ばかな」
「ネルトさんっ!?」
うーん、ミニスカチャイナでもそうは見えないんだけどなぁ。
不思議だ。まさか本当に男の子だったなんて……。
「ピーゾンさん! ジッと見ないで!」
そう言って恥ずかしい表情で身体を隠すポロリンは非常にセクシーだった。
ちなみに王都に来てからここまでの間で、レベルアップやスキル習得をしている。
特に今日のスパートが効いてるんだけどね。
やはりポロリンの<呼び込み>は素晴らしいという事だ。ナイスセクシー。
新規取得のスキル及びレベルアップしたスキルはこちら。
・ピーゾンLv21(+2)
毒精製Lv3(+1):<腐食毒>追加
毒弾Lv3(+1):弾速・飛距離上昇
毒霧Lv2(+1):噴射距離上昇、噴射時間5秒
毒雨Lv1(New)
毒感知Lv4(+1):感知範囲拡大、感応上昇
・ポロリンLv13(+6)
挑発Lv2(+1):効果時間延長、ヘイト効果上昇
呼び込みLv2(+1):効果範囲拡大
セクシートンファー術Lv2(+1):アーツ<トンファーキック>習得
魅惑の視線Lv1(New)
・ネルトLv8(+7)
念力Lv2(+1):効力増大、効果範囲拡大
「トンファーキック……魅惑の視線……」
「元気だしなよ、ポロリン」
「ん」
本格的な検証は後日としたけど、分かっている限りではこんな感じ。
・腐食毒:″非生物″を腐食させる。″生物″には不可。腐食するものが結構限定されている感じ。
・毒雨:前方45度くらいの扇状、5~30mくらいの距離まで毒の雨を降らせる。5秒くらい。
・トンファーキック:蹴撃による打撃ダメージに加えノックバック効果。
・魅惑の視線:対象一体に対して『混乱』の状態異常をかける。
「ちゃんとしたトンファー技が欲しかった……」
「そのうち出るよ、ポロリン」
「ん」
6
あなたにおすすめの小説
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
追放聖女だってお茶したい!─セカンドライフはティーサロン経営を志望中─
石田空
ファンタジー
「ミーナ今までありがとう。聖女の座を降りてもらおう」
貴族の利権関係が原因でいきなり聖女をクビになった庶民出身のミーナ。その上あてがわれた婚約者のルカは甘味嫌いで食の趣味が合わない。
「嫌! 人の横暴に付き合うのはもうこりごり! 私は逃げます!」
かくしてミーナは神殿から脱走し、ティーサロン経営のために奔走しはじめた。
ときどき舞い込んでくるトラブル。
慌ててミーナを探しているルカ。
果たしてミーナは理想のセカンドライフを歩めるのか。
甘いお菓子とお茶。そしてちょっとの恋模様。
*サイトより転載になります。
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
屑スキルが覚醒したら追放されたので、手伝い屋を営みながら、のんびりしてたのに~なんか色々たいへんです(完結)
わたなべ ゆたか
ファンタジー
タムール大陸の南よりにあるインムナーマ王国。王都タイミョンの軍事訓練場で、ランド・コールは軍に入るための最終試験に挑む。対戦相手は、《ダブルスキル》の異名を持つゴガルン。
対するランドの持つ《スキル》は、左手から棘が一本出るだけのもの。
剣技だけならゴガルン以上を自負するランドだったが、ゴガルンの《スキル》である〈筋力増強〉と〈遠当て〉に翻弄されてしまう。敗北する寸前にランドの《スキル》が真の力を発揮し、ゴガルンに勝つことができた。だが、それが原因で、ランドは王都を追い出されてしまった。移住した村で、〝手伝い屋〟として、のんびりとした生活を送っていた。だが、村に来た領地の騎士団に所属する騎馬が、ランドの生活が一変する切っ掛けとなる――。チート系スキル持ちの主人公のファンタジーです。楽しんで頂けたら、幸いです。
よろしくお願いします!
(7/15追記
一晩でお気に入りが一気に増えておりました。24Hポイントが2683! ありがとうございます!
(9/9追記
三部の一章-6、ルビ修正しました。スイマセン
(11/13追記 一章-7 神様の名前修正しました。
追記 異能(イレギュラー)タグを追加しました。これで検索しやすくなるかな……。
異世界人生を楽しみたい そのためにも赤ん坊から努力する
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前は朝霧 雷斗(アサギリ ライト)
前世の記憶を持ったまま僕は別の世界に転生した
生まれてからすぐに両親の持っていた本を読み魔法があることを学ぶ
魔力は筋力と同じ、訓練をすれば上達する
ということで努力していくことにしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる