ぽぽぽぽいぞなぁ!~物騒すぎるジョブになっちゃったので、私、スローライフは諦めます~

藤原キリオ

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第二章 毒娘、王都デビューする

50:新人ですがギルドで注目されるのにも慣れてきました

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 あの後、助けた女の人のパーティーメンバーが助っ人を引き連れて駆け付けた。
 それをいい事にオークの解体と運搬を手伝ってもらった。
 正直捨てる前提だったんで助かったわ。

 ちなみに助っ人に来たのはオーフェンのパーティーでワイバーンの時にも助けに来た人たちだった。
 名前はよく覚えていない。モブっぽかった気がする。


 王都の冒険者ギルドまで直行し、大荷物となったオークの素材を引き渡してもらい、その人たちとは別れた。
 助けた女の人(レイナさんと言うらしい)のパーティーからは頻りにお礼を言われた。
 そんなに言うなら今後奢っておくれ。ネルトに。

 大きな袋をドサドサと下ろしつつ、まずは依頼ボードへと向かう。


「やった! ピーゾンさん、オークの依頼何枚か残ってますよ!」

「やっぱ害獣みたいなもんだからね。数も多いんだね。おっ、ブラックウルフもあるじゃん」

「ブラックウルフも不人気ですからねぇ」

「オークキングは……ないかー」

「いやまだあれがオークキングかどうか分からないですよ。ハイオークかもしれないですし」


 私たちはすぐに達成できそうな依頼をチョイスして、報告窓口へと並ぶ。
 大荷物はネルトとポロリンで順番に見張ってもらう感じだ。私はリーダーなので報告優先で。


「はい次は……【輝く礁域グロウラグーン】の皆さんですね。依頼票を確認します」

「えっと、とりあえず受注したのがこっちで、事後受注したいのがこれです」

「……これはまた多いですね。順番に納品をお願いします」


 採取系の薬草や毒草、茸とかをまずは納品する。
 それから討伐した魔物の証明部位。コボルトの牙とかブラックウルフの尻尾、オークの鼻などを出す。
 もうそれだけで結構な数だ。オークなんか依頼何枚分だって話でね。


「これだけのオークを……まさか集落ですか?」

「はい、四〇体くらい居たんで倒しました」

「たおっ!? い、いえ、そうですよね。証明部位がこれだけあるのですから……」

「あとオークキングだかハイオークだか居たんですけど――」

「オ、オークキング!? 場所は!? 王都の近くですか!?」

「あ、そうですけど、もう倒したんで。この後買い取り窓口に納品するつもりです」

「た、倒したぁ!? 納品って……持ってきたんですか!? オークキングを!?」


 いやだからオークキングか分からないって言ってるでしょ。
 すっごいリアクション大きいから注目の的なんですが、何とかしてくれませんかねぇ。

 とりあえず集落の場所を報告する。また集落作られたら堪ったもんじゃないしね。
 情報の共有はしておきましょ。
 さて、報告窓口は以上かな。あとは買い取り窓口に……


「あ、ちょっとお待ち下さい。ピーゾンさんとネルトさんはランクアップ出来ます。更新して行かれますか?」

「おおっ、ネルト、四日目でもうEランクですか」

「はい。しかし今日だけでもDランク依頼が八件、Eランク依頼が五件、Fランク依頼が五件あります。【輝く礁域グロウラグーン】はEランクパーティーですのでそれを考慮しても昇格条件に達しますね」


 はぇ~。確かEランクへの昇格条件は『討伐依頼五件を含む、Fランク依頼の二〇件達成』だったはず。
 私たちはEランクパーティーだから、その中のFランクであるネルトは貢献度の取得にマイナス補正がかかる。
 それでも1ランクしか違わないので大差はないのだろう。

 とりあえずネルトの昇格はすぐに出来るのでお願いするとして、私はすぐには出来ないんだよね。


「Dランクへの昇格には実技試験があります。訓練場で試験官と模擬戦になりますが今日受けられますか?」


 どうしよっか。ポロリンとネルトと相談する。
 すぐに終わるんなら今日やってもいいんじゃないか、と。


「じゃあ買い取りが終わったらお願いします」

「分かりました。ではその際は職員にお声掛け下さい」


 ちなみにポロリンの昇格は、あとEランク依頼二〇件分くらいだそうだ。
 近日中には上がりそうだね。

 で、買い取り窓口に並び、お願いしようと思ったんだけど大荷物すぎてギルド内の解体場に直接卸すことになった。またも注目の的です。


「おいおい、これ全部オークか? すごい量だな」

「ブラックウルフとかもあります。あとこれ、オークキングなのかハイオークなのか……」

「うわわわ、すごいなその魔法の鞄! 気持ちわるっ! どんだけ入ってんだよ!」


 気持ち悪いは言いっこなしだよ。
 確かにウサギさんの口を最大限広げてボスオークの身体とか出してるけども。
 あとついでにボスオークの特大剣も一応持ってきたんで出しておいた。


「おお! こりゃオークキングだよ。ハイオークはこれより少し小さくて色が緑っぽいんだ。よく倒したもんだ」

「へぇ~そうなんですか」

「量が量だからちょっと査定に時間かかるぜ? どうする?」

「あー、じゃあ昇格試験受けてから来ますんで、それで大丈夫ですかね」

「ああ、まぁ大丈夫だろう。急ぎでやっとくよ」


 という事で、続いては昇格試験となった。窓口の付近にいた職員さんに声を掛けると、訓練場で待っていてくれと言う。
 私たちはギルド地下の訓練場へと下りて行った。


 初めて下りた地下。地上のギルドの建物よりなぜか広く感じる。
 魔法専用のスペースや、弓を練習する為の距離のある的なんかが並ぶスペースもある。
 木人形が並んでいたり、単純に広場になってる所もある。

 もう夕方近いと言うのに、結構訓練してる人たちが居た。
 いやまぁ王都の冒険者はホント多いから、訓練してる人もそれなりに居るんだろうけど。

 私たちが見回していると当然のように見て来る人がいる。
 えっお前ら訓練するの? みたいな。
 しませんよ? 固有職ユニークジョブなんだから人前で訓練とかしません。


「おっ、お前がピーゾンだな。噂通りのウサギだな」


 そう声を掛けられた。
 振り向けば細マッチョ体型のおっさんが近づいてくる。
 アロークのおっさんよりは端正な顔立ちで清潔感がある。
 装備は軽装だが、いかにも使い込まれた熟練者の装備ですよと言わんばかりだ。

 で、ちょっとその噂ってやつを教えてくれませんかね? 私気になります。


「俺はギルド職員のネロだ。今日の試験官だな。よろしく頼む」

「Eランクのピーゾンです、よろしくお願いします」

「ああ。まぁお前の実績を見るに試験なしで昇格させてもいいんだが、一応規則なんでな、見させてもらうぞ」


 実績……オークキングの事か、ワイバーンの事か。
 多分ワイバーンだろうな。オーフェンから情報来てないわけがないだろうし。
 で、広場の空いてるスペースで模擬戦となる。

 模擬剣を選んでくれと言われて色んな武器が立てかけてある所に向かった。さすがに鉈はない。当然か。

 大剣は……やっぱ魔剣より重いんだよなぁ。
 これが本当の大剣なんだろうけど十歳の女の子の身体には合わない。
 大人しくロングソードにしておこう。


「ふむ、やっぱり長剣なんだな。それにしたってお前の体格にゃ長すぎるし重すぎると思うんだが」

「私はその方が使いやすいんで」

「まぁ皆まで言うまい。一応言うけど魔法もアリだ。但し致死性のものや施設を破壊するようなものはナシ。いいか?」


 そんな魔法、試験で使うヤツいるのかね……まぁ私の<衰弱毒>が致死性なんだけども。即死じゃないがね。
 今回は衆目もあるし【毒殺屋】のスキルは使わないつもりだよ。
 要は剣技でDランク相当と認められればそれでいいでしょ。


「お、おい、ネロさんと例のウサギが――」
「まじかよ、ランクアップ試験でネロさんとか――」
「本当にウサギのまま戦うのか――」


 外野が騒がしくなってきた。野次馬が出つつある。
 ポロリン、ちょっと壁になってて。<挑発>とか<魅惑の視線>とかしててちょうだい。

 そんな事を思いつつ、意識はネロさんに集中しなければならないと改める。
 ネロさんはショートソードとバックラー。
 防御中心で様子見するつもりかな?


「よし、来い!」

「お願いします」


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