234 / 421
第九章 黒の主、魔導王国に立つ
226:ツェッペルンドぶらぶらショッピング・後編
しおりを挟む■ウェルシア・ベルトチーネ 導珠族 女
■70歳 セイヤの奴隷 エクスマギア魔導王国伯爵位
「ウェルシアさん、すみませんでした……行けなくて……」
「大丈夫ですわ。アネモネさんのお花はちゃんとご主人様が手向けて下さいました。気にする事ないですわよ」
「でも……」
「一緒にご主人様に買われた仲ではありませんか。大丈夫です。わたくしは貴女の味方ですわ」
「ウェルシアさん……ありがとう……」
アネモネさんを抱きしめてそう言いました。
帰って早々、謝られたのです。わたくしはお気持ちだけで十分ですのに。
わたくしは王都へ来て、良い事ばかりが起こりました。
陛下に謝罪され、爵位が認められたばかりか伯爵位に陞爵し、国宝の杖を頂き、皆さんと共に両親に報告が出来ました。
しかしアネモネさんはお父上が逮捕されるという事態になりました。
おそらくお母上も捕まるでしょうし【ジキタリス商会】も潰れるでしょう。
アネモネさんはそれを「悪い事をしていたのだし捕まって良かった」と言います。
確かに自分を奴隷におとし、悪事に手を染めていたのであれば逮捕されて喜ぶ事もあるのかもしれません。
しかし悲しい気持ちがないとは思えないのです。
アネモネさんは多くを語りませんが、わたくしにはどこか泣き出しそうな表情にも見えるのです。
だからわたくしは抱きしめました。
共に奴隷となり、共にご主人様に買われ、共に切磋琢磨した仲間だと、そう言いました。
どちらからともなく流した涙は、はたしてどのような涙なのか。
おそらくその意味は多く、また意味など見出せるものではないのかもしれません。
その日はしばらくそうしていたのです。
翌日、王都を巡る最後の日。
やはりアネモネさんは王城に残るそうです。
しかしその表情は昨日に比べ、晴れやかなもの。
その″眼″で見ないと決めた。それもまた決意なのでしょう。
わたくしは笑って頷き返しました。
♦
「今日も付き合わせちゃってすみません」
「いえ、昨日のアレを見てしまうと他の者にはさすがに……ははは……」
今日も騎士団長のフォッティマ・グルンゼム伯爵が案内して下さいます。
昨日も恐縮していたのですが、フォッティマ伯と同じ爵位というのが未だに実感できません。
わたくしが案内出来れば良いのですが、フォッティマ伯ほど詳しくないのが悔やまれます。
今日はまず、装飾品のお店に行きます。
装飾品と言っても貴族が付けて飾るようなものではなく、組合員としての装備品です。
例えば魔法触媒になる指輪や腕輪、ツェンさんのイヤリングのような特殊な効果が付与されたものがあれば、と。
そうしたものは工房によってデザインや性能が変わるそうなのですが、今回はいくつもの工房と契約している大店の商店に向かいます。
「いらっしゃいませ……これはフォッティマ騎士団長! どうされましたか! この方々は……?」
「こちらは国の賓客でカオテッドから参られた迷宮組合員の方々だ。買い物がしたいというので案内してきた」
「は、はぁ……」
フォッティマ伯がいらっしゃって助かります。
店主さんもフォッティマ伯がそうおっしゃるならと普通に応対して下さいました。
「まずはアミュレットから見ようか。この四人の装備より良さそうな品はあるか?」
うちでアミュレットを装備しているのはミーティア様、ラピス様、シャムさんとマルさんですね。
シャムさんは聖剣があるので触媒は不要なのですが、国の支給品ということもあり、身につけたままにしています。
四人が店主さんにそれぞれの装備品を見せます。
「こ、これは……! いやどれも素晴らしいものですな。失礼ですが高ランクのクランとお見受けしますが……」
「ああ、Sランクの【黒屋敷】という」
「S!?」
カオテッドでは知られていても王都では誰も知らないでしょう。
フォッティマ伯がいらっしゃるから組合員として見られますが、普通は道行く人と同じく『ただの基人族と侍女軍団』としか見ないでしょうしね。
それがSランクだと聞かされれば驚くのも分かります。
店主さんはフォッティマ伯に目線をやると、伯は頷いて答えました。その通りだと。
それから店主さんの対応が一段と変わります。
相手が騎士団長に連れられたSランククランだと知ったのだから当然かもしれません。
「うーん……残念ながらこちらの腕輪に勝るものは当店にはございません。しかしこちらの【炎のアミュレットリング】より強力なものでしたら一点ございます」
「おお、それを見せてくれ」
どうやらラピス様とシャムさん、マルさんの腕輪は、やはり最上のものらしいです。
国から持ち出したものですから当然なのかもしれませんが。
しかしミーティア様のリングはオークションで競り落としたもの。
あれも高額だったはずですが、それより上があるとは……さすが王都の大店ですわね。
「こちらは【ツェッペルンド迷宮】の二九階層の宝魔法陣から出た指輪に、魔導研究所がさらに手を加えた一点物です。【紅焔のアミュレットリング】と申しまして<火魔法>用の指輪としては当店で最上のものになります」
赤い魔石が目立つ綺麗な指輪です。迷宮産の装備は特殊な外見をしているものも多いですが、これはシンプルな溝のみが入っているだけ。
これはこれで美しいデザインですね。
店主さんに断りを入れ、付け心地と<身体能力向上>を試しました。さすがに攻撃魔法は試せません。
結果、非常に満足のいくものだったらしく、即座に購入を決めました。
「えっ、まだお値段を言ってない……あ、いえ、ありがとうございます!」
「ご主人様、ありがとうございます」
「ああ、いいのがあって良かったな。……さて、次は……ツェンこっち来て。店主さん、こんな感じの特殊な効果がついた装飾品ってあるか?」
「こ、これは……【防毒のイヤリング】ですか! これはまた何とも……」
毒を完全に防ぐというのは迷宮産であっても珍しいそうです。
『毒を治す』のならば魔法も薬もいくらでもあるのですが、『装備しているだけで事前に予防』しかも『耐毒』ではなく『防毒』となるとかなり希少だそうです。
装飾品というのは付いている魔石が小さい分、それこそ迷宮産でなければ効果が低いのが普通だそうです。気休め程度だと。
杖に比べてアミュレットの魔法行使力が低いのと同じですね。
それを考えると【防毒のイヤリング】というのは破格の性能なのでしょう。
ツェンさん以外の誰も装飾品は着けていないので、誰に何を着けても問題はないのですが、あまり効果の低いものを着けてもわたくし達にそれほど意味はありません。
現状でも普通に戦う分には支障がありませんからね。
という事で、【防毒のイヤリング】と同等か、それに近い性能のものを出して頂きました。
「あれほどのものとなりますと、当店で扱っている中ではこのくらいでして……」
「なるほどなるほど、これ全部買うといくらになる?」
「全部となりますとこれくらいです。さすがにこれは―――」
「よし買おう」
「ファッ!? あ、ありがとうございますぅ!」
買ったものはこちらになります。
・耐呪の指輪:状態異常【呪い】を抵抗
・防石の腕輪:状態異常【石化】を防ぐ
・癒しの首飾り:時間に応じて体力が極微量回復する
【耐呪の指輪】は『抵抗』のステータスがまだ低いユアさんに。
【防石の腕輪】は前衛の安全確保を優先してシャムさんに。
【癒しの首飾り】は魔剣を使うたびに自ら炎熱ダメージを受けるイブキさんに装備する事となりました。
杖と同じくユアさんの錬金術で作れそうにも思えますが、どうやら錬金術師に加え装飾職人という専門職の方が必要なようです。
お屋敷で作れると便利なのですがね。素材も良い物が大量にありますし。
「ふむ、装飾職人の奴隷を買うという手も……」
「そんな手はない。フロロ黙ってろ」
わたくしもチラリと思いましたけどね。フロロさんと同じ事を。
装飾品屋さんを出まして、次は魔道具屋さんです。
ここはわたくしも知っている有名店。昔に一度来た事があります。
こちらも大通り沿いの大店なのですが、本当に大きい。一階から三階まで全部同じお店なのです。
『おおおー!』
「うっわ、デパートかよ……とんでもない品揃えだな……」
さすがにご主人様も驚いていますね。
魔導王国と言えば魔道具と言っても過言ではありませんから、当然と言える品揃えです。
見て回るだけで一日潰れてしまいます。
日用品はもちろん、組合員用の品や職人が専門に使うようなものまで幅広く扱っています。
皆さんは散らばって良さそうなものを物色し始めました。
「ふむ、こちらの照明はエントランスに良いかもしれません」
「お庭の灯篭もこちらの方がいいでしょうか」
「あっ、裁縫の魔道具! これお土産にしますっ! ご主人様、お屋敷にも一つ下さい!」
「まぁまぁ調理道具が多いですね、撹拌の魔道具……これは使えますね」
「釣り竿? ああ、糸が勝手に巻かれるんですか!」
「うわぁ……ミシン、ハンドミキサー、リール……魔道具すげえな……」
やはりかなりの量を買い込むようですね。釣り竿なんて買っても使わないと思いますが……。
まさか四階層で? いやいや、糸が焼けますね。ミスリルじゃないですし。
中でも一番皆さんが食いついたのはマジックバッグです。
今使っているのは【鴉爪団】という闇組織や山賊のアジトから貰ったものだそうです。
数はあるのでその中からポーチタイプの小さめのものを、侍女服の腰に付けています。
背嚢のような大きなものは容量がありますが、戦闘の邪魔になりますからね。採取目的で持ち込んだりはしますが。
そもそもご主人様の<インベントリ>のおかげで、それほど入れるものもありませんし。
しかしせっかく来たのだから良いものに一新しようと。
今以上に小さくて容量の大きいものを手に入れたいようです。
そしてそれは、ここにはいくらでもあります。魔導王国王都の大店ですからね。さすがです。
工房が違うのか、微妙にデザインや使い勝手が違うらしく、ご主人様の独断で『侍女服の邪魔をしないもの』を選びました。
確かに白黒の侍女服に真っ赤でゴツゴツしたポーチを付ければ変ですからね。
動きやすく、目立たず、容量が大きい。そんなマジックバッグになりました。
「えっと、これを……二〇個くれ」
「ファッ!?」
「ご主人様二〇ですと足りません。申し訳ありませんがもう少しお願いします」
「そうか? じゃあ四〇個」
「ファッ!!??」
エメリーさん腰の両側に付けていますしね。大量の武器を入れて。
あとは今後侍女が増える事も考慮しているのでしょう。
「セ、セイヤ殿、大丈夫なんですか、ホントに……昨日と言い今日と言い……」
「いやぁさすがに散財しましたね。ここまでだとオークション以来かな」
フォッティマ伯も引いています。本当によく散財しましたね、この二日間で。
しかしご主人様、オークションからまだ三月ほどしか経っていませんわよ?
その間に祝賀会用で本やビリヤードを買った事をお忘れですの?
ともかくこれで買い物は終了でしょうか。
ある程度目当てのものは買えたのではないかと思います。
ご主人様も皆さんもホクホク顔なのでわたくしも魔導王国の一員として嬉しく思います。
「なんて人たちだ……これが規格外の【黒屋敷】か……」
フォッティマ伯、この二日間で随分とお痩せになりましたわね。
お身体にお気を付け下さいませ。
0
あなたにおすすめの小説
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました
東束末木
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞、いただきました!!
スティールスキル。
皆さん、どんなイメージを持ってますか?
使うのが敵であっても主人公であっても、あまりいい印象は持たれない……そんなスキル。
でもこの物語のスティールスキルはちょっと違います。
スティールスキルが一人の少年の人生を救い、やがて世界を変えてゆく。
楽しくも心温まるそんなスティールの物語をお楽しみください。
それでは「スティールスキルが進化したら魔物の天敵になりました」、開幕です。
2025/12/7
一話あたりの文字数が多くなってしまったため、第31話から1回2~3千文字となるよう分割掲載となっています。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる