カスタム侍女無双~人間最弱の世界に転生した喪服男は能力をいじって最強の侍女ハーレムをつくりたい~

藤原キリオ

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第十二章 黒の主、禁忌の域に立つ

291:一筋の光明を見逃すな!

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■サリュ 狼人族ウェルフィン 女
■15歳 セイヤの奴隷 アルビノ


「あれはカモだぞ。かなり戦いやすい【領域主】だ。当たりだな」


 ご主人様は上機嫌にそう言います。
 私たちはサラマンダーをさっさと駆逐し、ご主人様は時間をかけてファイアドレイクと戦いました。

 結果、攻撃力に関しては巨体故の重さがあるものの、危険性ではトロールキングの斧の方が上だろうと。
 防御力に関してもヒュドラや蛇さんと大差なく、鱗はあるが見た目ほど硬くはない。
 少なくとも魔竜剣ならば問題なく通る。但し魔法防御については試せていない。

 総評としてはエメリーさん、イブキさん、ミーティアさん、ツェンさんは問題なくタイマン出来るほどだと言います。

 それを聞いたドルチェちゃんとティナちゃんは「私は!?」と食って掛かりましたが、トロールキングのように何人もタイマンするわけもなく、おそらく二回目以降は数人で戦う事になるのでしょう。


 ドロップ品についてもヒュドラ並みの大きさの火属性魔石。
 その他【炎大蜥蜴の鱗・爪・牙】が出たそうです。やはり【領域主】という事ですね。

 まさにご主人様が狙っていた【領域主】と言っても良いでしょう。


「では仰っていた通り、探索をしつつマラソンという事でしょうか」

「だな。リポップ時間は分からないがとりあえず探索しよう。最初は南東部こっちの区画から行くか。斥候組は魔物だけじゃなく魔法陣にも注意してくれ」

『はいっ!』


 そんなわけで『廃墟の街』の探索が始まりました。
 ネネちゃんとパティちゃんは魔法陣を中心に探し、私とアネモネさんは<魔力感知>で魔物を探します。
 いくら見通しが良いとは言え、物陰くらいはありますからね。突然出て来られても困ります。

 広場に来るまでの大通りではそうでもなかったのですが、家が建っていたであろう区画の中は罠魔法陣が多い。
 『黒岩渓谷』も結構な数の罠がありましたが、ここも同じように多い印象です。

 本当ならパーティー単位で分かれて探索したい所ですが、ある程度かたまりながら動く感じです。
 さらには相変わらず雑魚敵が多いので、そっちも対処しつつとこれは結構時間が掛かりますね。


 結局この日は、南東部の探索をし、ドレイクを倒し、南西部の探索をし、またドレイクを倒して終了しました。
 ドレイクの二回戦目からは侍女六人でパーティーを組み、バランスよく戦いました。


 キャンプは『廃墟の街』から出てから張る事にしました。
 やっぱり街の中だと魔物が多いですし、風呂小屋が置きづらいですからね。
 私も入りたいですし。


 探索六日目。
 この日はまず、広場のファイアドレイクを倒す事から始まります。

 ちなみにリポップしているかどうかの確認は、倒してから一定時間でネネちゃんが確認しています。
 もしリポップしていなければ広場の敵を殲滅。リポップしていれば予定範囲を探索後にドレイク退治と。

 そんなわけで、ドレイク→北東部探索→ドレイク→北西部→ドレイク、で終了です。
 計六回、ドレイクと戦い、魔石を入手出来ました。


 探索の成果としては、やはりと言うべきか、罠魔法陣の多さに比例して、宝魔法陣もそこそこありました。
 霊薬エリクサーやアダマンタイト製装備、耐熱系の魔道具とかは別にいらないんですけどね。
 中には良さげなものもありまして、それがこちら。


・スキルオーブ<流水の心得>
・スキルオーブ<金剛力>
・癒しの腕輪
・瞑想の指輪


 <流水の心得>はティナちゃんに渡されました。どうも攻撃や回避の動きをスムーズにするスキルのようです。
 ご主人様は双剣の動きをよくする為にもティナちゃんに渡したようです。

 <金剛力>は単純な防御力上昇。イブキさんの<剛力>の防御版ですね。
 これはドルチェちゃんに渡されました。すっかりメイン盾ですね。

 【癒しの腕輪】はイブキさんの【癒しの首飾り】と同様に徐々に回復するものです。
 これはエメリーさんに渡されました。エメリーさんも前衛で戦う事がほとんどですからね。念の為。

 【瞑想の指輪】は徐々に魔力が回復。スキル<瞑想>と同じ効果ですね。
 これはウェルシアさんに渡されました。ウェルシアさんは<魔力凝縮>でいっぱい魔力を使うので順当でしょう。


 ドレイクのドロップに関してもレアなのか何なのか【炎大蜥蜴の尾・舌】というのも出ました。
 二つとも結構大きいんですけど、これ博物館に展示するんでしょうかね?
 いや、展示したら腐っちゃいますかね? とくに舌。


「タンステーキ……いやしかしどうにか展示出来ないものか……しかしタンステーキも捨てがたい……あ、風竜のタンステーキ食べなきゃ」


 ご主人様がブツブツと何か言っています。
 食べるか飾るかで悩んでいるようですね。私は食べたいです。


 結局、六日目はここで終了。『廃墟の街』を出てキャンプを張りました。
 少し早めの夕食をとりながら、作戦会議を行います。


「明日からの探索だが……さてどうしようかな」


 候補は四つです。

① 『廃墟の街』でのファイアドレイクマラソンを続行。火属性魔石をもっと集める。
② 『廃墟の街』の東部、『黒曜樹の森』の北部にあたる『黒い山岳』の探索。
③ 『廃墟の街』の西部、『溶岩湖』上流の『溶岩川』の探索。
④ 『廃墟の街』から火山方面に進む。

 こんなとこです。
 とりあえず探索を中止して帰還という事はなさそうです。やっぱりお風呂の存在は大きい。気持ちもまだ充実しています。


「ドレイクは確かに有用ですがそれだけで今回の探索を終わらせるのも勿体ない気がします」

「火山方面に進む前に左右の探索をしておきたい気持ちもありますね」

「じゃあ②か③か」

「どっちも探索しにくそうですね……」

「『溶岩川』は明るいけど足元が悪い。『黒い山岳』は暗い山登り……うーん……」


 結局、探索に時間のかかりそうな『黒い山岳』から攻める事にしました。
『溶岩川』は帰りに火山方面から『溶岩湖』方面に下ればいいんじゃないかと。そんな感じになりました。


 そして探索七日目、私たちは山岳地帯の方に向かいます。

 見るからに広大なエリアなので、どうやって探索したらいいかと話し合いました。
 パーティー単位で分けてローラー作戦(ご主人様がそう言ってました)で分散しながら探索するかと言う話もありましたが、さすがに四階層の未探索エリアで戦力分散は怖い。

 初回の『黒岩渓谷』の時も結局はご主人様単騎によるごり押しになったそうですし。そう考えると侍女数人で探索するのは危険です。

 ならばある程度かたまって進むしかありません。
 しかし山岳に登山道などなく、順路などもありません。
 暗闇の中、通れそうな道を探し、見えない目的地に向かって闇雲に進むという事になります。

 さすがにそれはどうかと。せめて何かしらの手掛かりを見つけ、そこに向かって進むような探索にしたいと。

 広い山岳の中、遠目にそういったものを見つけるにはパティちゃんの<探索眼>やミーティアさんの<鷹の目>が有効なのですが、二人とも<暗視>スキルは持っていません。

 じゃあどうするか。何かで遠くを照らせば<探索眼>にある<千里眼>効果で分かるんじゃないか。


 という事で、生まれたのがこの作戦です。


「ひゃあああ! あのっ、ほ、本当にやるんですかっ!? あたい怖いんだけどっ!」

「ご主人様の作戦に間違いなどないでございます。パティさんも頑張りましょう」

「私も頑張るでござる! MPポーションがぶ飲みの覚悟でござる!」


 山岳の麓。まずはシャムさんがパティちゃんを抱え、上空へと飛び立ちます。
 マルちゃんも一緒に空へ。

 マルちゃんが適当な方向、山岳に向かって<聖なる閃光ホーリーレイ>を撃ちます。
 その方向に私も地上から<聖なる閃光ホーリーレイ>を撃ちます。
 自分で言うのも何ですが、さすがの飛距離ですね。

 空と地上から二本の極太光線が交わり、その地点は一時ではありますが明るく照らされます。
 そこをパティちゃんが<探索眼>で見ると。


「完璧だな。″一筋の光明を見逃すな作戦″」

「二筋ですけどね、<聖なる閃光ホーリーレイ>が二発ですから」

「パティが怖がって見逃しそうですが、光明」

「これ何発撃たせるつもりなんだ? 三階層以上に酷使するぞ?」


 満足気なご主人様にエメリーさん、イブキさん、ツェンさんが突っ込んでいます。
 私もさすがに<聖なる閃光ホーリーレイ>ばかりを何連発もした事がないのでどれほどやれるものなのか……。
 不安半分、期待半分でしょうか。


「パティー、どうだー?」

「え、あーっと、その方向は特にないと思いますー!」

「じゃあ次は少し角度変えて撃ってくれー」

「了解でござる!」「はいっ!」

「マルティエルが辛そうならシャムシャエルと交代しろよー、空中でパティを渡す時に落とさないようになー」

「「はいっ!」」

「え、ちょ、怖いんですけど、あたい!」


 さて、早めに何か見つかるといいんですがねー、どうでしょうか。
 これだけ広大なエリアだから何かしらあるとは思うんですが……。
 まさか何もないなんてこと……。

 これも不安半分、期待半分ですね。


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