カスタム侍女無双~人間最弱の世界に転生した喪服男は能力をいじって最強の侍女ハーレムをつくりたい~

藤原キリオ

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最終章 黒の主、聖戦の地に立つ

309:カオテッドに集う者たち

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■ウェルシア・ベルトチーネ 導珠族アスラ 女
■70歳 セイヤの奴隷 エクスマギア魔導王国伯爵位


「よお、メルクリオ! 間に合ったみたいだな!」

「長旅お疲れさま、兄上。来てくれて助かったよ」

「セイヤ殿も久しいな! いや、あんま久しくもないか! メルクリオからの報告書も読んでるから活躍はしょっちゅう聞いてるぜ!」

「ハハハ……お久しぶりですジルドラ殿下。フォッティマ騎士団長もお疲れさまです」


 魔導王国から王国軍が到着しました。
 軍務卿・第二王子のジルドラ殿下を筆頭に、フォッティマ伯が率いる王国騎士団と魔導士団も引き連れて。
 総勢五千を超える軍勢です。


 それを出迎える為、わたくしはご主人様とメルクリオ殿下と共に北東区側の第二防壁まで来ました。
 北東区の区長様もいらっしゃいます。

 やはりこれだけの数をカオテッド内に宿泊させるのは難しいらしく、軍の大半は第二防壁の外で野営となるようです。

 ジルドラ殿下やフォッティマ伯など貴族の将校様たちは街内で泊まるという事で案内がてらご挨拶をしております。


 獣帝国軍はあと数日でカオテッド付近に迫るという所。
 申し合わせたように到着したのはメルクリオ殿下から事前に、そして密に連絡を行っていたが故でしょう。

 区長様だけであったなら、これほど順調に派兵が済むとはいかなかったかもしれません。
 メルクリオ殿下と本国が連携をとり、尚且つジルドラ殿下が軍部を完全に掌握していたからと言えます。


 わたくしも伯爵位を授かる者として、そして一応はカオテッド特務員の一員としてご挨拶をしました。


「ウェルシア伯、杖の調子はどうだ? 使いこなせているのか?」

「さすがに国宝の杖という事で扱いには苦労しましたが、毎日のように訓練し最近ではまともに扱えるようになったと思いますわ」

「ほう、それは見物だな。強力すぎる杖は制御に難があるからな。使い手によっては逆に威力を殺す事になっちまう。ウェルシア伯が使えるってんならそれは大したもんだ」


 魔法に関してはメルクリオ殿下が国で一番かもしれませんが、軍務卿のジルドラ殿下は剣も魔法も扱える万能ぶり。
 メルクリオ殿下にして「純粋に戦う事に関しては国で一番」と言わしめるほどです。
 やはり下賜された二本の国宝の杖の事はよくご存じらしく、心配して下さっていたようです。


「で、結局どっちを使っているんだ? やっぱり【狂飄きょうひょうの杖】か?」

「右手で【狂飄きょうひょうの杖】、左手で【溟海めいかいの杖】ですわ」

「……えっ、に、二本を同時に……?」

「兄上、ウェルシア伯は【黒屋敷】の一員なんだよ? 常識で考えちゃダメだ」

「い、いや、国宝級の杖を二本同時に使うとか……お前だって無理じゃねーのか?」

「まぁやった事はないけどやりたいとは思わないね」


 二杖流はご主人様のお勧めでやりだした事ですからね。理解はされないかもしれません。
 実際、二杖流の教本などなく、完全に自己流で特訓しましたし。
 まともに魔法が使えなくて苦しんでいたのも今となっては懐かしい話です。

 しかしメルクリオ殿下であればわたくし以上にスムーズに習得出来そうにも思うのですが。
 何と言っても国に名高い『魔法の天才』ですし。


「全く、相変わらずとんでもないと言うか、こっちの想像を軽く越えて来ると言うか……」

「ハハッ、戦時ではお味方なのです。喜ばしいではないですか」

「フォッティマ、お前はそんなに柔軟なヤツだったか? 受け入れるのが早すぎるだろう」

「いやはや【黒屋敷】の皆さんと王都の買い出しに赴いた二日間で嫌と言うほど身に沁みましたからなぁ……私の常識など狭すぎるものに縛られていてはいけないと」

「なんかフォッティマ伯が遠い目をしているね……セイヤ、君は伯に何をしたんだい?」

「いや知らん。普通に買い出ししただけだし」


 我々の″普通の買い物″がフォッティマ伯の″普通″ではなかったという事でしょう。
 よくある事です。ご主人様の周りでは。


「まぁウェルシア伯の腕前については実戦で見せてもらうとしよう。それで各国の動きはどうなんだ?」

「組合本部でそこら辺の打ち合わせからしようか。兄上、来て早々悪いけど中央区まで足を運んでもらうよ」

「あー、俺、スペッキオの爺さん苦手なんだよなー。出来れば会いたくない」

「会わないわけにもいかないでしょ。カオテッドをまとめてるのは実質スペッキオ老なんだし、魔導王国軍は援軍的な扱いなんだから」


 ここら辺が難しい所です。
 本来、魔導王国も樹界国も『獣帝国の侵略から自領を守る』という名目と立場を持って参戦しているわけですが、そうなると自領であるカオテッドの北東区・南東区でしか戦えません。

 そこより先――中央区・南西区まで兵を進めると『自領を守る』と言いながら領土侵犯しているのと同じ扱いになってしまいます。


 防衛戦の戦地となるのは南西区の第二防壁の外と決まっています。
 そこに布陣し、カオテッドに入れないように構え、戦う。
 つまりは完全に獣帝国領内での戦い。

 これではどちらが領土侵犯なのか分からなくなってしまう為、あくまで『カオテッド防衛の為の援軍』というていで布陣するという名目なのです。


 これにより魔導王国軍も樹界国軍も中央区や南西区を通り過ぎ、第二防壁の外に布陣出来ると。

 戦争には大義名分が必要であり、国の思惑や面子が交錯する中で、上げ足をとられないような言い訳を事前に用意しておくという事ですわね。
 貴族社会に通じる所もあり、わたくし個人としては勉強になります。


「樹界国軍はすでに来ているからね。おそらく本部で合同の説明がされるはずだよ」

「お? なんだもう来てるのか。樹界国の樹人族エルブスはのんびり屋のイメージだったんだけどなぁ。随分早いじゃないか」

「ミーティア様から事前に連絡が行ってたらしいからね。ディセリュート陛下もセイヤに恩があるから随分頑張ったらしい」

「まぁ陛下はそうだろうけど、軍は『ミーティア様を助けるぞー』って意気込んでたんじゃないか? まだ人気すごいんだろ?」


 実際そのようです。ジルドラ殿下の仰る通り。
 ディセリュート陛下はご主人様に国を救ってもらった恩と、愛娘であるミーティア様の頼みという事もありカオテッドへの派兵を積極的に行ったらしいです。

 ミーティア様が『日陰の樹人』となりカオテッドで【女神の使徒】の奴隷をなっている事は今まであやふやにしていたらしいですが、今回の件を受けて大々的に通達を行ったらしく、そこでもまた『女神の使徒様、万歳!』的な話になったと。


 しかし実際に兵の心を動かしたのは、ずっと王都から姿を消していた希代の『神樹の巫女』ミーティア様の存在。

 カオテッドどうこうよりもミーティア様をお助けすべく、軍は一丸となり、高い士気を持ってやって来たというわけです。


 先日、樹界国軍のお出迎えとしてご主人様とミーティア様が赴きましたが、長旅の疲れを感じさせないほどの一糸乱れぬ片膝付き、敬服の姿勢を見せられたと。

 ミーティア様もさすがに慌てて止めさせたようです。ご主人様は辟易していたとか。

 やはり今でもミーティア様の求心力はすごいと改めて思いました。
 下手するとディセリュート陛下よりミーティア様の方が国民受けは良いのではと。
 実際にどうかは分かりませんが、サロルートさんの反応とかを見てもそう思わされます。


 今回の戦争にしても「ミーティア様を前線に立たせるわけにはいきません! 我々が前に出てお守りを!」などと仰っていたようで、もはや『カオテッド防衛戦』と言うより『ミーティア様防衛戦』といった具合です。

 さすがにこれではカオテッドの衛兵、組合員、そして魔導王国と足並み揃えて戦うという事は難しい。

 ですのでミーティア様と南東区の区長様がスペッキオ本部長との間に立ち、説得のようにして意思統一を図ったとの事です。


 我々もこれから本部でスペッキオ本部長との会議がありますが、そこにはミーティア様と樹界国軍の方がいらっしゃる事でしょう。
 ミーティア様、本当にご苦労様としか言えません。


「なるほどな。さすがはミーティア様と言うべきか、何と言うか……。セイヤ殿も大変だな」

「樹界国に関しては俺は何の役にも立てませんよ。全部ミーティアに任せちゃっているので苦労を掛けているとは思いますが」

「戦争が終わったら労ってやるべきだな。……ああ、そうだ。戦争が終わって一段落したらセイヤ殿の家に行ってもいいか?」

「ジルドラ殿下が? 別に構いませんけど……あっ、ビリヤードですか?」

「それもあるんだが博物館ってのを作ったんだろ? メルクリオからの報告を受けたんだが、それがどんなものなんだか興味があってな」


 やはり博物館の件に関して報告は行っているのですね。
 展示品が迷宮のドロップ品ですから王族で興味を持つのは迷宮戦闘にも明るい軍務卿のジルドラ殿下でしょう。
 わたくしも携わっている一人として興味を持たれると嬉しくなりますね。


「分かりました。その時はご案内します。戦時中は休館日にする予定なので、一般開放する前にお見せしましょう。さすがに一般客と一緒では案内も出来ませんし」

「悪いな。いやぁ~ますます戦争をさっさと終わらせる理由が出来たな! 気合いが入るってもんだ!」

「兄上、セイヤの家に行くなら甘味もあるはずだからね。それもモチベーションにすると良いよ」

「まじか! そりゃ速攻で勝たないとな! ハハハッ!」


 ご主人様がメルクリオ殿下を睨みつけています。勝手に何言ってんだと。
 ジルドラ殿下もメルクリオ殿下と同じく甘味好きなのですね。
 甘味を戦争のモチベーションにするとは……逆に不安になるのですが。

 しかし生クリームもすでにメルクリオ殿下に教えていますし、そうなると新しい甘味を作る必要があるのでしょうか。
 ご主人様とヒイノさんはまた仕事が増えましたわね。ご苦労様です。


 とは言え、今は戦時。
 戦後の楽しみを持つのは良いのですが、喫緊の諸問題を解決し、獣帝国軍を打倒せねばなりません。
 甘味も博物館も遊びも、完勝しなければ楽しめないでしょう。

 まずはその一歩として本部での会議です。

 カオテッド連合軍として足並みを揃える為、ジルドラ殿下には骨を折って頂かなくては。

 もちろんメルクリオ殿下にも。全てはカオテッドとご主人様の為に。ふふふ。


「うおっ、何か寒気がしたぞ!?」

「兄上もかい? 僕も今、妙な寒気が――」


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