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研究所
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「ここが王都の研究施設です」
説明を受けた後すぐに部下たちの氷に魔法陣を作り、私たちは移動させられた。
まずは研究施設に連れていかれた。トリスとシオンは魔王と共に転移し、部下の氷はラズナー、マリクス、エリナが一緒に転移し、研究施設に運び込むことになったのだ。
玄関から入ると研究員たちが気づき、集まってきた。
「シオン様、お待ちしておりました。研究施設内の研究員はご指示通りのメンバー、機器を取り揃えております。」
そう言って挨拶をしたのは左目にモノクルを着けた短髪の背の高い男だった。
「ああ。・・・堅苦しい言葉遣いはやめてくれ。ジュード先生」
それに苦々しい表情で答えたのは勇者であった。どうやら勇者とは旧知の仲のようであり、先生と呼んでいる。
「はは。これはすまない。一応配属先の上司だからな。礼儀はわきまえておこうかと。まあ、お前が嫌ならやめるがね。」
「是非やめてくれ。」
勇者の嫌がりように面白そうに笑うとその人物、ジュードはこちらに目を向けてきた。
「あなたが魔族の生き残りですか。」
笑顔で問われ、何と答えるのが正解なのか悩んでいると、代わりに勇者が答えた。
「そうだ。こいつは魔王だ。唯一魔王城で生き残っていたところを拘束した。」
魔王であることは隠しておくという話であったのにあっさりと魔王とばらしてしまう勇者の返答にギョッとした魔王は勇者を凝視してしまう。
その様子に気付いた勇者は少し笑うと
「ああ、一般研究員には知られないが、この人は信頼がおけるからな。この人にだけは研究施設で知らせておいてもいいと思っている。」
「ははは驚かせて悪かったね。魔王さん。私のことはジュードと呼んでくれていいから。これからよろしく頼むよ。」
そう言って手を差し出してきた男の顔をじっと見つめるが、さすがに人間となれ合おうという気持ちにはならないし、何を考えているのか分からない男に警戒心をむき出しにして手を握ろうとしない魔王。
その様子を見て少し微笑むとジュードは手をおろし、「まあ追々ね。」と話すと勇者に連絡事項を告げて研究所の奥に姿を消した。
「相変わらずですね。ジュード博士は。」
そう言ってあきれた様子なのは苦労性のトリスである。
その後は研究所の地下に向かい、何重にも結界の施された広い空間へと連れていかれた。
そこには魔王城の広間から魔法陣で転移させた部下たちの氷が研究機器に囲まれた状態で鎮座していた。
その周りでは慌ただしく研究員が立ち回っており、先ほどのジュードも研究員に指示を出している様子が伺えた。
「ここでお前の部下たちの病の研究をさせてもらう。基本的には病の分析をするための血液採取や魔法での鑑定、流出した魔力の流出量測定が主だ。」
そう言って勇者は機器の説明をする。研究対象にそこまで説明をする必要はないと思うが、勇者は魔王城で見たときよりなにやら生き生きとした表情をしていた。
「お前も同様に生きている魔族のサンプルとして同様の検査、鑑定をさせてもらう。まあ規格外だとは思うが一応のデータとしてな。」
「俺のことはどう扱っても構わない。だが部下に万が一お前の部下たちが危害を加えようとしたら・・・」
そう言って魔王は再度釘を刺そうとしたが、
「ああ、危害を加えるつもりはない。部下にも危害を加えないよう伝えてあるし、その辺りは信頼のおけるもので構成している。貴重なサンプルを壊してはもったいないからな。」
そう逆に言葉を遮るように勇者は断言した。サンプル扱いは頭にくるが、敗者である手前何も言う気はない。
そう、部下に危害が加わらないのであれば一旦この状況を受け入れることにしたのだ。
これはなにもシオンだけに利点があるわけではない。原因が分かっても治療をすることは人間側としたらないかもしれないが、原因がわかれば魔王自身がどうにかできる可能性がある。
ルイードはそれにかけたいという気持ちがあったのだ。
「そうか」
そう返答するとその後は魔王は研究施設を回る勇者達に黙ってついていった。
説明を受けた後すぐに部下たちの氷に魔法陣を作り、私たちは移動させられた。
まずは研究施設に連れていかれた。トリスとシオンは魔王と共に転移し、部下の氷はラズナー、マリクス、エリナが一緒に転移し、研究施設に運び込むことになったのだ。
玄関から入ると研究員たちが気づき、集まってきた。
「シオン様、お待ちしておりました。研究施設内の研究員はご指示通りのメンバー、機器を取り揃えております。」
そう言って挨拶をしたのは左目にモノクルを着けた短髪の背の高い男だった。
「ああ。・・・堅苦しい言葉遣いはやめてくれ。ジュード先生」
それに苦々しい表情で答えたのは勇者であった。どうやら勇者とは旧知の仲のようであり、先生と呼んでいる。
「はは。これはすまない。一応配属先の上司だからな。礼儀はわきまえておこうかと。まあ、お前が嫌ならやめるがね。」
「是非やめてくれ。」
勇者の嫌がりように面白そうに笑うとその人物、ジュードはこちらに目を向けてきた。
「あなたが魔族の生き残りですか。」
笑顔で問われ、何と答えるのが正解なのか悩んでいると、代わりに勇者が答えた。
「そうだ。こいつは魔王だ。唯一魔王城で生き残っていたところを拘束した。」
魔王であることは隠しておくという話であったのにあっさりと魔王とばらしてしまう勇者の返答にギョッとした魔王は勇者を凝視してしまう。
その様子に気付いた勇者は少し笑うと
「ああ、一般研究員には知られないが、この人は信頼がおけるからな。この人にだけは研究施設で知らせておいてもいいと思っている。」
「ははは驚かせて悪かったね。魔王さん。私のことはジュードと呼んでくれていいから。これからよろしく頼むよ。」
そう言って手を差し出してきた男の顔をじっと見つめるが、さすがに人間となれ合おうという気持ちにはならないし、何を考えているのか分からない男に警戒心をむき出しにして手を握ろうとしない魔王。
その様子を見て少し微笑むとジュードは手をおろし、「まあ追々ね。」と話すと勇者に連絡事項を告げて研究所の奥に姿を消した。
「相変わらずですね。ジュード博士は。」
そう言ってあきれた様子なのは苦労性のトリスである。
その後は研究所の地下に向かい、何重にも結界の施された広い空間へと連れていかれた。
そこには魔王城の広間から魔法陣で転移させた部下たちの氷が研究機器に囲まれた状態で鎮座していた。
その周りでは慌ただしく研究員が立ち回っており、先ほどのジュードも研究員に指示を出している様子が伺えた。
「ここでお前の部下たちの病の研究をさせてもらう。基本的には病の分析をするための血液採取や魔法での鑑定、流出した魔力の流出量測定が主だ。」
そう言って勇者は機器の説明をする。研究対象にそこまで説明をする必要はないと思うが、勇者は魔王城で見たときよりなにやら生き生きとした表情をしていた。
「お前も同様に生きている魔族のサンプルとして同様の検査、鑑定をさせてもらう。まあ規格外だとは思うが一応のデータとしてな。」
「俺のことはどう扱っても構わない。だが部下に万が一お前の部下たちが危害を加えようとしたら・・・」
そう言って魔王は再度釘を刺そうとしたが、
「ああ、危害を加えるつもりはない。部下にも危害を加えないよう伝えてあるし、その辺りは信頼のおけるもので構成している。貴重なサンプルを壊してはもったいないからな。」
そう逆に言葉を遮るように勇者は断言した。サンプル扱いは頭にくるが、敗者である手前何も言う気はない。
そう、部下に危害が加わらないのであれば一旦この状況を受け入れることにしたのだ。
これはなにもシオンだけに利点があるわけではない。原因が分かっても治療をすることは人間側としたらないかもしれないが、原因がわかれば魔王自身がどうにかできる可能性がある。
ルイードはそれにかけたいという気持ちがあったのだ。
「そうか」
そう返答するとその後は魔王は研究施設を回る勇者達に黙ってついていった。
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