親衛隊隊長だけど彼女がいます!

kira

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(10)噂はめぐる

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 - 2年A組 (昼)

「んーなんか気になるな……。」

 今日はいつもより廊下や教室で見られている感覚が強い。ついに俺も監視カメラの視線に気づけるようになったのだろうか。

「なにが?」
「なんか今日はいつもより人に見られてる感覚なんだけど、なんでだろ。」
「あー……。実は噂が……。」

 野口が少し言いづらそうに話す。

「噂?」
「会長と藤岡がくっついたみたいな...笑」
「えっ!?なにその根も葉もない噂!」
「いや俺もそれはないんじゃないかなーと思いつつ、噂が結構信憑性があるっぽいからさ。」
「……内容教えてよ。」
「えっと、会長の部屋から藤岡が出てくるところを見たとか、それで夜に藤岡が会長の部屋に行くのを見てたとか、そのまま一夜を一緒に過ごしたとかそういう感じ……。それぞれ違う人が見たみたいだから本当なんじゃってもっぱらの噂だよ。」
「まぁ嘘だよな!親衛隊に入れなかったやつの妬みとかじゃないか?笑」

「……。」
(やばい。そこまでしっかりと見られてたのか。会長の部屋を出入りするところ、誰にも見られてないと思ったのに……。)

「藤岡?」
「あー。実は本当なんだ。」
「えっ!?マジ?」
「マジマジ。」
「なんだよー。付き合ったなら教えてよ。友達じゃん。あっ!それかその一晩で2人の心が燃え上がって親密に……?」
「違う!それは絶対に違う!」
「おぉ、おう。悪い笑」
「……えっとちょっと会長と相談することがあって、話が白熱して気がついたら朝だっただけだ。」
(なんか会長、誰にも知られたくない感じだったし誤魔化しとくか。)

「へぇー。まぁ隊長だしな。なんかそういうこともあるよなー。」
「そうそう!じゃあさ野口、悪いんだけどその噂話してたやつに説明とかしてくれない?それか誰か教えてくれたら俺が直接言いに行くけど。」
「いや人伝に聞いただけだし、誰が最初に話しはじめたかわかんないだよね。だから俺も適度に知り合いにほんとのこと話しとくよ。」
「悪いな。ありがとう。」
(これでこのおぞましい噂が沈静化すると助かるんだが……。)

「いやー全然!それよりも親衛隊の仕事があるとはいえ、行動には気をつけろよー。藤岡にとっては問題ない行動でも恨み買ったりするからな!」

「わかった。気をつけるよ。」





 - ガラス庭園

 放課後にローリエの集で集まるっていうからあの秘密基地まで来た。

「おーい、香?東雲?」
誰もいないみたいだから扉を開けて入る。前回来たときに香に教わった開け方で中に入る。

(前に来たときも思ったが、ほんとに色々なものがあるな。怖い道具もたくさんあったから触れはしないが……。ちょっと見てみよう。)

「なにか使ってみるか?」
「わぁ!東雲!いつの間に!いやまた今度使わせてくれ。」

 道具に見いっている間に東雲が来てたようだった。

「そうか、わかった。驚かせて悪かったな。」
「いや全然!そういえばなんで香が集めたか知ってるか?」
「俺も知らないな。」
「そうなのかー。香まだかな。」
(この間少し話しただけだからまだ気まずい……。)

 ガチャ
「ごめーん!お待たせー!」
「香!遅いよー!」
「あはは!ちょっと話してたら遅れちゃった!」
「へぇーそうなんだ。まぁいいや話って?」
「気になる噂を聞いてねー。」
「へぇー噂?知らんな。」
「そうなんだ……。」
(もしかしてあの野口から聞いた噂か!?東雲は知らなそうだが……。香は会長のことが好きだし詰められるのか……?)

「実はね……この学園に転校生が来るんだって!」
「そうなんだ!」
(違ったー!でも転校生ぐらい普通じゃないか?)

「それが何か問題ないでも?」

 東雲が怪しげに聞く。

「実は生徒会が把握していない転校生なんだって!」
「それは……イレギュラーだな……。」
「え?普通は生徒会って転校生のことを把握してるのか?」
「うん!この学園ではね。」
「そうなんだ……。俺が前にいた学校では教師とかしか把握してなかったはずだ。」
「なるほどね。でもこの学園では何も情報がない転校生って変なんだ。だからなにか学園の思惑が含まれた転校生なんじゃないかって僕は疑ってる!」
「そうか。だから俺と藤岡にこの話を?」
「そうそう!もうすぐその転校生が来るみたい。その話を先生たちがしてるのをちょっと聞いちゃって笑」

 香はてへぺろと悪戯そうな顔をした。

「どうせ盗聴器でも使ったんだろ……。」

 東雲が呆れた顔をしながら言った。

「たまたま器械が先生の上着に付いちゃっただけだよ笑」
「香……おまえ……。」
「もうこーくんまでそんな顔しないで!良い情報が聞けたんだからいいでしょ!」
「とりあえず転校生が入ってきたら、接触を積極的にした方がいいと思う!……味方か敵か見極めるためにもね。」
「わかった。まぁそういうのは香と藤岡に任せる。俺には向いてない。」
「おっけ!僕とこーくんにおまかせあれ!」
「まぁできるだけ頑張るよ。」
(読み合いとか弱いんだよな。香に任せる部分が多そうだな。)





 その後、東雲の開発品の試用運転をしたり、学園の人の話などをしてるうちにだいぶいい時間になった。

「おー!もうこんな時間か!そろそろ寮に戻らないとね!」
「俺はちょっとここの片付けしてから戻るから2人とも先に寮に戻ってていいぞ。」

「東雲……俺も手伝おうか?」
「いや俺にしかわからない部分もあるし、少しだから大丈夫だ。」
「わかった!じゃあおやすみ。」
「そーくんおやすみー!」
「あぁおやすみ。」

 香と一緒に寮まで戻る。

「転校生ってどんな子だろうね!」
「先生たち話してなかったのか?」
「話してなかったー!でも味方になる子だといいね!」
「あぁそうだな。」
「それにこの転校生の噂で、こーくんの噂が上書きされたみたいだし良かったね!」

「……!?知ってたのか!」
「もっちろん!でも付き合ってないんでしょ?たぶん付き合ったらこーくんわかりやすいと思うし笑」

「そうだよ!安心してくれ!会長をとりはしない!」
(想像するだけで鳥肌が……。)

「付き合ってたらいじめるとこだったなー?」
「!?」

「ふふ……冗談だよー!」

 そういって寮に向かって香は走っていった。


「ちょ!待て!ほんとだよなー!?」

 俺は香を追いかけて走りはじめた。




 転校生はどんなやつが来るのだろうか。
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