親衛隊隊長だけど彼女がいます!

kira

文字の大きさ
12 / 40

(12)転校生は嵐の中心

しおりを挟む
 - 2年A組 

「実はこのクラスに話題の転校生が来ます。」

「「えぇ!やったー!気になってたんだー!」」
 先生の一言でクラス中が騒がしくなる。

「なぁ藤岡。転校生どんなやつかな?カッコいいやつ?可愛いやつ?俺は可愛い方希望!」

「さぁ……?」
(まさか同じクラスなんて!でも変な虫がつかないように監視はしやすいな……。)

「では入って!」
 
 ガラガラ

「失礼します。」

 ・・・ 

 あんなにざわついてた教室が雫が入ってきた瞬間に静まり返った。

「ん?なんか静かになったな。まぁいい雪城!自己紹介をしてくれ。」
「はい!雪城瑞希です。よろしくお願いします!」

「元気でよろしい!席は……安武の隣が空いてるな!」
 先生はそう言って流星の隣の席を指差した。

「えっと……安武くん?よろしくね。」
「おう!俺は安武流星やすたけりゅうせい。流星って呼んでくれ。」
「うん!僕のことも瑞希でいいよ!なんだか話しやすそうで安心しちゃった。」
「そうか?良かった笑」

 雫と流星が和やかに話している。……それはいいんだが、クラスメイトの視線が怖い。

 ぼそぼそ
「なんであんなもさいのが流星くんの隣?」
「流星くんも無理しちゃってるじゃん。」

(そういえば流星のファンクラブがあるって言ってたな……。怖っ。雫に何かされなきゃいいんだけど。)

「なぁ藤岡ー。なんか地味目な子が来たな。」
「あぁそうだな。」
「でも何かトキメキものを感じる……。メガネを取ったら実はイケメンだったりしないか?」
「そんな漫画みたいなことあるわけないだろ笑」
(野口……。おまえ意外と鋭いな。まぁイケメンっていうより綺麗で可愛いってタイプだけど。)

「そうだよなー。でもそうじゃないとちょっと安武のファンが怖いぞ……。」
「だよな……。」





 - 昼休み

「失礼します。」

「「!?キャー!副会長!」」

 なぜか2年A組に副会長がやってきた。

「副会長ー?どうされたんですか!?」
 入口近くの生徒が問いかける。

「実は雪城くんとランチでもと思いまして……。」
「えっ?僕と?」
 雫が驚いた顔で副会長を見る。自分とは関係ないと思って流星と会話していたが、突然呼ばれたから驚いたようだ。

(まじかまずい……。副会長、本気で雫に気があるみたいだ...。)

「えぇ雪城くんも授業に参加する初日ですから、まだランチを一緒食べる方はいないかと思って。」
 副会長がにこやかな顔で語りかける。

「確かにそうです……。でも1人でも大丈夫です!」
「……!遠慮なさらなくても大丈夫です。」

(……なんか今のも好感度が上がったんじゃないか?なんて謙虚なんだみたいな。やめろ!雫はほんとに1人でも大丈夫なんだ!というか俺も誘うし!)

「では行きましょう!」
「えっ!?え!え!ちょっと待ってくださいー!」

 雫が副会長に連れられて行ってしまった。

「はぁー!?なんで!僕たちでさえ誘われてないのに!?」
 確か副会長の親衛隊に所属しているやつが叫んでる。その周りの取り巻きみたいなやつらも不満げな顔をしている。

「あーあ。あの転校生、安武のファンクラブだけじゃなくて副会長の親衛隊も敵に回しそうだ。」
「えっ!?……あの転校生は悪くないのに?今のは無理やり連れてかれなかったか?」

「悪いやつじゃないんだろうけど、好きな人に対して怒るのって難しいだろ?だいたいはその相手に敵意がいくもんだ。」
 野口がしみじみと言った。

「そうなのか。」
(雫が悪く言われるのはやだな。でも流星はともかく、副会長の心を変化させるのは難しそうだ……。どうしようか。)

「でも会長は大丈夫そうだろ!」
「あぁそうだな...たぶん。」
「それにしてもどこに連れていったんだろう。」
「たぶん食堂じゃないか?副会長が弁当とか食べてるって聞いたことないし、これまで食堂しか使ってないだろ。」
「了解!ありがとう!」
「えっ?おまえまで行くの?……!……!」

 なにか野口が言っていた気がするが、俺はいてもたってもいられず、食堂まで急いだ。



 - 食堂
  ざわざわ
 なんだかいつもより騒がしい気がする。

「おい!白銀!ここは生徒会メンバー限定だぞ!?」
「えぇだから私はここにいるんです。」
「違う!おまえはいいがその連れてるやつは入れないって言ってるんだ。」

「会長……。彼は今日が初めてのまとな登校になるんですよ!特別な体験をさせてあげたらどうですか?」
「副会長!僕はほんとにそこの席に行かなくて大丈夫ですから!」
「ほらみろ!こいつも行かなくていいって言ってるじゃないか。」

「彼は遠慮してるんです!」
「いや僕は本当に……。」
「……君がそこまで言うなら……。」
 そう言って副会長は雫と一緒に一般席についた。

「副会長暴走しすぎでは……?」
(というかなぜあそこまで雫に執着するんだろうか。まだ会って2日ぐらいだろ?)

「あれ?こーくん?」
「香?」
「ちょうど良かった!ちょっと出よ。」

 雫と副会長のことは気になるが、もう人目があるためあれ以上問題を起こすことはないだろうと思い、香について行った。

 香についていって着いたのは中庭だった。

「ふー!騒がしくてつい出てきちゃったよー!なんかドラマみたいだったね!」
「あぁすごい騒ぎになってたな。実は途中から来たから最初からは見てないんだ。」
「そうなの?」
「うん。教えてもらえると嬉しい。」
「了解!といってもじっくり見てたわけじゃないからざっくりね!」
「最初、食堂に副会長と転校生くんが手を繋いで入ってきたの!これだけで最初大騒ぎ!」
「……ほう?」
(手を繋いで……?)

「それで副会長が転校生くんを特別室に連れていこうとしたの!」
「でも副会長親衛隊のみんながそれはだめですって止めようとしたんだけど……。」
「だけど?」
「副会長が私が招待するという形ですので問題ありません。って。」
「招待したならいいのか?」
「その……別の年度の生徒会のときもあったらしくて。」
「へぇー。転校生が来てみたいな感じか。」
「うん。そのときはほとんどの生徒会メンバーがメロメロだったから、転校生の取り巻きみたいになってたみたい。」
「結局その生徒会は仕事をしてない!ってなってリコール。つまり辞めさせられたみたいだけど。」
「リコールなんてあるんだな。」

「でも!今回は別に副会長以外の生徒会メンバーが止めたみたいだから。なんだかんだ副会長も真面目だしリコールはないと思う!」
「確かに会長が止めてたな。」
「そうそう!それに転校生くんも止めてたしね!」
「リコールされたときの転校生はすごくわがままだったみたいだから!」
「そうか!なら問題ないな。」
(といっても副会長は問題だな……。)

「それでも転校生くんに良い印象を持ってない人は多いかも……。どうにかみんなの不満を抑えられたらいいんだけど。」
「そうだな。実はその……大事な話があってローリエの集で集まりたい。」
「……!わかった!」

「ローリエの集?」

「「!」」

 中庭の端で話していたから誰もいないかと思ったが、木の上に誰かいたようだ。

「あっ!隆弘先輩……!えっといらっしゃったんですね!」
「ここで昼寝してたんだ。内緒話なら周りに誰もいないことを確認してからした方がいいぞ。」
「す、すみません。忠告ありがとうございます。」
「別に誰にも言わないから...。あ、ついでに俺の弟も別に転校生には魅力感じないって言ってた。」
 隆弘先輩は木から軽く飛び降り、花房先輩の情報をさらっと話して校舎に入っていった。

「びっくりしたね!」
「あぁ驚いた。」
(香が気配を感じないなんて隆弘先輩は忍者か?)

「でも隆弘先輩で良かったね!いい人だし!」
「そっか、香は去年の親衛隊で一緒だったのか。」
「そーだよー!たくさん助けてもらったよ!」
「へぇ。なるほどな。」
「それであぁローリエの集ね!わかった!また秘密基地に集合しよ!」
「頼む。そうだ悪いんだけど集まるのは今日じゃなくていいか?今日の夜はしたいことがあって。」
「全然大丈夫!話せるタイミングで連絡ちょーだい!それでいつ集まるか決めよ!」
「助かる!」
「じゃあお昼食べよー!」

 そのまま俺たちは中庭で昼食をとった。





 - 寮 (夜)
 
 雫に詳しいこと聞かないと。

 ……プルル……プルル
「はい、もしもし?」
「雫?俺だけど」
「幸樹どうしたの?」
「おまえ副会長になにしたの?」
「何もしてない!私だってびっくりしてる!」
「何もしてないのにあれ?」
「わからない……。でもなんか好きな人に目が似てるって。」
「えっ?副会長好きな人いるの?」
「いるみたい。似てるからつい話しちゃったって言ってた。」
「その好きなやつに話しかければいいのに。」
「なぜかわからないけど話してくれないって。だから代わりに友人として話してくれませんか?って。」
「そうなんだ……。でも一応気をつけろよ!その話が嘘かもしれないし。」
「わかった!」

「そうだ。俺の仲間がいるんだけど、雫のことについて話そうと思う。」
「え?大丈夫なの?」
「あぁあいつらは信頼できる。」
「……幸樹がそう言うならそうなんでしょ。わかった!話しておいて。」
「あぁ雫も交えて会議するのは難しそうだから、時々会議の内容とか教えるよ!」
「すごい。秘密結社みたいだね笑」
「秘密結社みたいなもんだよ笑」

「響くんを絶対見つけようね」
「あぁ絶対に見つけて、彩ねぇのもとに帰してやる。」
「そうね!きっとうまくいく。」


 明るい未来への作戦を考えながら、俺たちの夜はふけていく。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【短編】初対面の推しになぜか好意を向けられています

大河
BL
夜間学校に通いながらコンビニバイトをしている黒澤悠人には、楽しみにしていることがある。それは、たまにバイト先のコンビニに買い物に来る人気アイドル俳優・天野玲央を密かに眺めることだった。 冴えない夜間学生と人気アイドル俳優。住む世界の違う二人の恋愛模様を描いた全8話の短編小説です。箸休めにどうぞ。 ※「BLove」さんの第1回BLove小説・漫画コンテストに応募中の作品です

俺の居場所を探して

夜野
BL
 小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。 そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。 そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、 このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。 シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。 遅筆なので不定期に投稿します。 初投稿です。

繋がれた絆はどこまでも

mahiro
BL
生存率の低いベイリー家。 そんな家に生まれたライトは、次期当主はお前であるのだと父親である国王は言った。 ただし、それは公表せず表では双子の弟であるメイソンが次期当主であるのだと公表するのだという。 当主交代となるそのとき、正式にライトが当主であるのだと公表するのだとか。 それまでは国を離れ、当主となるべく教育を受けてくるようにと指示をされ、国を出ることになったライト。 次期当主が発表される数週間前、ライトはお忍びで国を訪れ、屋敷を訪れた。 そこは昔と大きく異なり、明るく温かな空気が流れていた。 その事に疑問を抱きつつも中へ中へと突き進めば、メイソンと従者であるイザヤが突然抱き合ったのだ。 それを見たライトは、ある決意をし……?

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

ブレスレットが運んできたもの

mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。 そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。 血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。 これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。 俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。 そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

ポメった幼馴染をモフる話

鑽孔さんこう
BL
ポメガバースBLです! 大学生の幼馴染2人は恋人同士で同じ家に住んでいる。ある金曜日の夜、バイト帰りで疲れ切ったまま寒空の下家路につき、愛しの我が家へ着いた頃には体は冷え切っていた。家の中では恋人の居川仁が帰りを待ってくれているはずだが、家の外から人の気配は感じられない。聞きそびれていた用事でもあったか、と思考を巡らせながら家の扉を開けるとそこには…!※12時投稿。2025.3.11完結しました。追加で投稿中。

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

離したくない、離して欲しくない

mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。 久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。 そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。 テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。 翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。 そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。

処理中です...