親衛隊隊長だけど彼女がいます!

kira

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(32)増援……?

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 今日は作戦会議の日だ。さすがに放課後の時間だけでは足りないということでローリエの集のメンバーはズル休みだ。
 わかりやすいように別荘の位置を表す地図、その室内図などを印刷した。それらと一応赤い装飾のついた鍵をカバンに入れて、ガラス庭園に向かう。





「あっ!こーくん!」
「お、藤岡。」
「やっほー、こーくん。」
「みんな!」

 ガラス庭園に着く前にローリエの集が集合してしまった。確かに待ち合わせ時間を決めていたら、寮を出るときに合流してもおかしくない。

「とうとう核心に迫れそうだね。」
「あぁ。長かったような短かったような……。」
「こーくん!しーちゃん、それに響様見つけられるといいね。」
「あぁ、絶対あそこにいると思うんだ。」
「こーくん、響先輩の知り合いなの?」
「あ、そうなんです。実は響を探すために俺はこの学園に入学しました。」
「へぇー。じゃあがんばろうね。」
「はい!」

 皆で話しながらガラス庭園へと向かう。今は平日の授業中ということもあり、周辺に人は見当たらない。そのため少し大きめの声で話していた。もう少しでガラス庭園に着くというところで声をかけられた。

「藤岡?」
「野口!それに流星まで!どうしてここに?」
「この間、東金先輩と藤岡が話してるの聞いちゃってさ……あの雪城の偽者が現れたことと関係あるか?」
「あのときのか……」
(聞かれてたのか……)

「もしかして雪城の救出に行くのかなって安武と話してて……」
「そう。俺たちも瑞希の友達だから行くなら一緒に行こうと思って。」
「でもよく僕たちが集まってることに気づいたね。」
「前々からなんか集まってるなって思ってたメンバーが今日、一気に休んだからな。」
「野口、おまえ意外とそういうことに気づくんだな。」
「……藤岡?それはバカにしてるか?笑」
「……してた笑」
「ひでぇ!」


 - ガラス庭園

 野口と流星も加わり、6人で作戦会議を開始することになった。秘密基地でやるのかと思ったが、ガラス庭園にあるベンチ周辺で会議が始まった。
(香がベンチに座って話し出したからそのまま始まったな。なんで秘密基地に行かないんだろうか。……さすがに6人じゃ狭いからか。)


「それで……あっ!野口と流星にもこの資料送っとくな。」
「「資料?」」
「あぁ、瑞希がいる場所っぽいとこ!」
「うぉっ!もうこんなに調べてるんだ!どうやって……?」
「それは……」

 俺が2人に説明しようとすると、香が小さく首を横に振っているのが見えた。
(言わない方がいいってことか。でもこの2人にも?)

「企業秘密だ!」
「企業秘密……?おまえ企業じゃないだろ笑」
「まぁまぁ!信頼できる情報みたいだよ!」
「へぇー。じゃあまぁいいか。」

(なんとか納得してくれたみたいだ。)

「そういえば流星はあの偽瑞希に付きまとわれてたろ?どうやってここまで来たんだ?」
「ん?いや今日はなんかいなかった。」
「え!いない?もしかして……俺たちのことがバレて……?」
「いやそれはないと思う。」
「立夏先輩?どうしてですか?」
「今日集まる前に生徒会室に行ったら、あのモジャモジャが視線に入ったからね。たぶん今日はずっと生徒会にいるんじゃない?」
「なるほど……。」
「あの偽瑞希は敵なのか?」
「たぶん……。瑞希と連絡がとれなくなってから入れ替わるように来たからな。なにか関わりがあるのは確かだ。」
「じゃあ、あいつにバレないように救出に行かないとな。」
「あぁ!」

 みんなで別荘の地図を覗き込みながら話し合う。別荘の位置はこの光の上学園と同じ山の中にあるようで、ここからは近いが一番近くの街までは車を使わないとしんどい距離だ。

「意外と近いところに敵の施設があるんだな。」
「ほんとだね!」
「それで……いつ潜入する?」
「やっぱり平日がいいんじゃない?それにあのモジャモジャが生徒会室に来る曜日決まってるから。」
「え?決まってるんですか?」
「うん。なんか水曜日は生徒会みんなで資料を片付けるために集まってるからそのタイミング狙ってるみたい。」
「へぇー!確かに今日も水曜日っすね。」
「立夏様は今日、抜けてきて大丈夫だったんですか?」
「俺はよくその集まりサボってるからあんまり関係ない。それに蘭丸もよくサボってるし目立たないと思うよ。」
「あはは……先輩らしいですね笑」
「じゃあ来週の水曜日に作戦を決行するか。」
「そうだね!」
「「「そうだな!」」」
「いいと思うよ。」

 日程が決まったところで作戦内容の詳細を話し合う。

 全員で突入するのは見つかったときのリスクが高いため、1人は指示役で学園に残ることになった。話し合う中でその指示役は東雲がいいんじゃないかとなった。理由としてはこの中で一番秀才であり、的確な指示が出せる点、外部からハッキングしてサポートできる点(最近、遠隔でハッキングできるようになったらしい。)から選ばれた。
 潜入は2グループに分かれることにした。
 俺、野口、香の1グループ。そこそこ運動できる俺と野口が対敵、香が索敵で作られたグループ。
 流星、立夏先輩の2グループ。こちらもとても運動ができる流星が対敵、立夏先輩が索敵で作られているグループだ。

 そして当日潜入する俺たちに東雲が開発品を持たせてくれた。
 テーザー銃を対敵の人たちに。通信傍受対策を行い済みの通信機器を全員に。

「東雲!おまえこんな開発品作れるの!?すごくね!?」
「ほんとに!すごいね!」

 今まで東雲と話したことがなかったらしい野口と流星が驚きの声をあげた。

「まぁ趣味の範囲だがな。」
「「すげー!」」

 そんなこともありつつ、順調に作戦が練られていく。だいぶ詳細まで決まったので今日は解散という流れになった。だがローリエの集にメッセージが届いている。通知をこっそり見ると、立夏先輩がローリエの集だけに話があるから残ってほしいとメッセージをしてきている。

「じゃあこれで!来週の水曜日に。」
「あぁ!絶対に瑞希を見つけてみせるよ。」
「雪城は友達だからな!作戦がんばるぜ!」

 全員でガラス庭園を出て寮へ戻り、一旦自室に入る。10分経ったぐらいにそっと部屋から出て、再びガラス庭園へ向かう。
 今度は秘密基地で集まるようだ。





 ……ピピピ……ガチャ

「失礼します。」
「お!こーくんきた!」
「藤岡で全員だな。」
「悪いな。俺の部屋と流星の部屋がちょっと近くて、少しだけ時間置いたんだ。」
「なるほどな。」
「それで立夏先輩どうして集めたんですか?」
「あぁそれはちょっと信頼できるメンバーにだけ話したいことがあって。」
「信頼できるメンバー?」
「うん。香は気づいてたみたいだけどあの2人もかなり怪しい。」
「えっ!?どういうことですか!?……香もそう考えてるのか?」
「そうだね。疑いたくはないんだけど……僕たちが集まってるっていうの監視カメラを見るか、わざわざ後をつけないとわからないんだ。」
「そっか……ここ結構校舎から遠いしな……こんなところに用があるのは何か目的があるときだけか……?」
「そう。園芸部だとしても、ここの管理してるのは僕とそーくんだしね!というかそもそもあの2人どっちも園芸部じゃないしね笑」

「俺はさっきの2人のことはよく知らないけど、あの東金くんとこーくんが話してるの聞いてたって話してたじゃん?」
「はい、そう言ってましたね。」
「実は俺もその場にいたんだよね。」
「えっ!そうなんですか!?もしかしてだからガラス庭園にいらっしゃったとか……?」
「まぁそんなところ。それで俺も人の気配とかには敏感な方なんだけど、あのとき俺とこーくんと東金くん以外に人の気配はしなかったよ。」
「なるほどな。俺は潜入する組じゃないが、潜入する組は警戒してる方がいいな。」
「わかった!じゃあヤバそうになったらそーくんに通信送るから警察に通報してほしい。」

「えっ!?警察?」
「うん!こーくん、これはもう警察が介入できるほどの事件だと思うんだ。でも今はまだ証拠が足りないから通報はできないけどね!」
「なるほど。確かに力ある大人に協力をあおぐのは利があるね。」
「わかった。おまえらと連絡が途絶えたら通報するよ。」
「ただこの学園が力を持っているから揉み消される可能性もあるけどね。」
「立夏先輩……怖いこと言わないでください。実際ありえるし。」
「ふふふ。ごめんね。」
「あっ!東雲!雫の姉の彩音の連絡先送っとく。」
「なんで雪城姉の連絡先?」
「この人、結構オタクで機械とか強いタイプだから一緒にサポートしてほしい。」
「なるほどな。了解。」

「じゃあまた作戦がんばろうね。」
「あぁ!」
「おう。」
「うん。」

 ローリエの集だけの極秘作戦会議は終了した。いよいよ学園の闇に迫ることになりそうだ。……誰が敵で誰が味方なのか。救出へと向かう。


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