魔法が使えず無能と呼ばれていた少女の能力【スキル】は実は最強でした

輝月レイヤ

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第二章 第7話

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**「戦乙女ヒルド」**

崩れかけた廃修道院。

暗い礼拝堂の中央で――

三人の気配が対峙していた。

一人は黒い鎧の女。

長い銀髪。
背丈ほどの巨大な槍。

天魔教会最高幹部。

**ヴァルキュリア・ヒルド。**

その前に立つのは二人。

聖無隊新人。

**リナ**
**ルファール・ドゥーベ**

ヒルドはゆっくり槍を回した。

「新人にしてはいい目だ」

リナは剣を構える。

「あなたをここで止めます」

ヒルドは笑った。

「止める?」

そして――

一瞬で距離を詰めた。

ドンッ!!

「速っ…!」

リナが剣で受け止める。

火花が散る。

衝撃で床が砕けた。

ルファールが叫ぶ。

「下がって!」

指を鳴らす。

**音魔法。**

「ソニック・ブラスト!」

空気が爆発する。

轟音がヒルドへ叩きつけられる。

ドォォン!!

だが。

煙の中から声が聞こえた。

「……悪くない」

ヒルドが無傷で立っていた。

ルファールの表情が変わる。

「冗談でしょ」

ヒルドは槍を軽く振る。

衝撃波が飛んだ。

リナがルファールを押す。

「伏せて!」

バンッ!!

壁が吹き飛んだ。

修道院の柱が崩れる。

ヒルドは楽しそうに笑う。

「面白い」

「新人にしてはよくやる」

リナは息を整える。

(強い…!)

(隊長クラス…いや、それ以上)

ルファールが小さく言った。

「リナ」

「長くは持たない」

リナも分かっていた。

ヒルドは槍を地面に突き刺す。

「そろそろ終わりにするか」

その瞬間。

魔力が膨れ上がった。

空気が震える。

床の石が浮き上がる。

ルファールの顔が青くなる。

「……嘘だろ」

ヒルドの足元に巨大な魔法陣。

何重にも重なった術式。

「極大魔術……!」

リナが叫ぶ。

ヒルドは静かに宣言した。

「**ヴァルキュリア・グランド・フォール**」

空間が歪む。

空の彼方から巨大な光槍が降りてくる。

修道院どころか

**周囲一帯を吹き飛ばす規模。**

ルファールが歯を食いしばる。

「逃げ場ない」

リナも理解していた。

(間に合わない…)

ヒルドは微笑む。

「終わりだ」

光槍が落ちてくる。

その時だった。

――ザァァァッ!!

突然、突風が吹き荒れた。

「なっ…!?」

ヒルドが目を細める。

空間を切り裂くような風。

その中から一人の影が現れた。

黒い外套。

短い黒髪。

鋭い瞳。

少年だった。

彼は二人の前に立つ。

そして一言。

「遅れて悪い」

ヒルドが眉を上げる。

「誰だ?」

少年は軽く肩を回す。

そして名乗った。

「七星貴族」

「アリオト家の次男」

風が彼の周囲に集まる。

「**ハヤテ・アリオト**」

次の瞬間。

風が爆発した。

「風遁――」

ハヤテが手を振る。

「**瞬迅**」

ドンッ!!

視界が歪む。

リナが気付いた時には――

三人の姿は消えていた。

ヒルドの極大魔術が落ちる。

ドォォォォォン!!!!

巨大な爆発。

廃修道院が完全に吹き飛ぶ。

森が揺れる。

だが。

ヒルドは静かに立っていた。

煙の中で呟く。

「逃がしたか」

そして笑う。

「面白い」

「聖響騎士団」

彼女の瞳が光る。

「少しは楽しめそうだ」

---

その頃。

森の奥。

風が止まった。

リナが地面に膝をつく。

「ここは……?」

ルファールも息を整える。

「助かった…」

その前に立つ少年。

ハヤテが振り向く。

「ここは安全圏だ」

遠くに見えるのは黒い旗。

そこには紋章が刻まれていた。

**聖闇隊。**

リナが驚く。

「聖闇隊の駐屯地…?」

ハヤテは頷く。

「そう」

「ここならヒルドも簡単には来れない」

ルファールが笑う。

「助かったよ」

ハヤテは腕を組む。

「礼はいい」

そして少し真剣な顔になる。

「問題はこれからだ」

彼は遠くの空を見る。

「天魔教会」

「本格的に動いてる」

リナも空を見た。

戦いは――

まだ始まったばかりだった。

---

次回
**第二章 第8話
「聖闇隊」**

ナハトの母、ミシェラ登場。
そしてヒルド討伐作戦が動き出す。
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