魔法が使えず無能と呼ばれていた少女の能力【スキル】は実は最強でした

輝月レイヤ

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第二章 第6話

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**「巡礼の歌と戦乙女」**

王国中央広場。

今日は特別な日だった。

白い舞台が設けられ、多くの人々が集まっている。
巡礼者、貴族、商人、子供たち。

皆が待っているのは――

一人の歌姫。

やがて静かに鐘が鳴った。

舞台中央に、一人の少女が現れる。

長い銀色の髪。
透き通るような白いドレス。

彼女の名は――

**ニュイ**

王国中を巡礼しながら歌を届ける
“聖歌の歌姫”。

観客のざわめきが静まる。

ニュイは目を閉じた。

そして――

歌い始める。

その歌声は
まるで夜空に響く星の旋律のようだった。

柔らかく、
優しく、
どこか神聖な響き。

聴く者の心を浄化するような歌。

人々は息を呑み、ただ聞き入っていた。

---

しかし。

その光景を――

少し離れた屋根の上から見ている二人がいた。

一人は美女だった。

紫色の長髪。
透き通るような肌。
落ち着いた瞳。

だがその雰囲気は人間離れしている。

彼女は微笑んだ。

「相変わらずね」

「ニュイの歌」

その声には悠久の時間が宿っていた。

彼女の年齢は――

**800年以上。**

星の魔法を操る存在。

彼女の名は――

**アステリア**

そして隣に立つ男。

長い黒髪。
落ち着いた表情。
紳士のような装い。

彼は目を閉じ、歌に耳を傾けていた。

そして小さく呟く。

「素晴らしい」

「旋律の完成度がさらに上がっている」

この男は王国でも有名な人物。

天才作曲家。

そして――

**音魔法の使い手。**

名前は

**レオンハルト・ノクターン**

アステリアは彼を見た。

「あなたの弟子でしょう?」

レオンハルトは肩をすくめる。

「弟子というほどではない」

「少し音の扱い方を教えただけだ」

二人はニュイの歌を見つめる。

アステリアが呟いた。

「……ナハト」

レオンハルトが反応する。

「呼ばれた?」

「まだ」

アステリアは空を見上げた。

「でも、近いわ」

レオンハルトは静かに笑う。

「面白くなりそうだ」

二人は再び歌姫を見つめた。

---

その頃。

王都から少し離れた森の奥。

古びた建物が静かに佇んでいた。

**廃修道院。**

窓は割れ、
蔦が壁を覆っている。

不気味な静けさ。

その前に立つ二人の影。

「ここか」

ルファールが言った。

ヘッドホンを耳にかけ、周囲の音を探る。

リナは剣の柄に手を置いた。

「……嫌な感じがします」

ルファールが頷く。

「いるね」

「しかも結構」

二人はゆっくりと扉を開けた。

ギィィ……

暗い廊下。

その奥から――

足音。

黒いローブの男たちが現れる。

「侵入者だ!」

「聖響騎士団か!」

リナは剣を抜く。

「聖無隊です!」

ルファールは指を鳴らす。

空気が震える。

**音魔法。**

衝撃波が廊下を走る。

ドンッ!!

ローブの男たちが吹き飛んだ。

リナが駆ける。

剣が閃く。

一瞬で二人を倒す。

「まだ来ます!」

「任せて」

ルファールが微笑む。

「音は全部聞こえてる」

戦闘は激しくなった。

だが。

その時――

空気が変わった。

ズン……

重い圧力。

リナが止まる。

「……え?」

ルファールも眉をひそめた。

「これは……」

廃修道院の奥。

暗闇から――

一人の女性が歩いてきた。

長い銀髪。
黒い鎧。
背には巨大な槍。

その存在感は圧倒的だった。

ローブの信徒たちが跪く。

「ヒルド様……!」

女はゆっくりと二人を見た。

鋭い金色の瞳。

そして――笑った。

「ほう」

低い声。

「新人か」

リナは剣を構える。

ルファールの表情も真剣になる。

女は名乗った。

「覚えておけ」

槍を肩に乗せる。

「我が名は――」

空気が震える。

「**ヴァルキュリア・ヒルド**」

その言葉に

修道院の闇がさらに深くなった。

彼女は静かに続ける。

「**天魔教会最高幹部**」

「九人の一人だ」

リナの背筋に冷たいものが走る。

ルファールも小さく呟いた。

「……最悪だ」

ヒルドは楽しそうに笑う。

「さて」

槍を構える。

「聖無隊の新人」

「どこまで楽しませてくれる?」

次の瞬間――

殺気が爆発した。

---

次回
**第二章 第7話「戦乙女ヒルド」**

新人二人、絶体絶命。
そして――星が動く。
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