魔法が使えず無能と呼ばれていた少女の能力【スキル】は実は最強でした

輝月レイヤ

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第二章 第12話

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**「天魔の円卓」**

王国の医務室。

窓から柔らかな朝の光が差し込んでいた。

ベッドの上でリナは身体を起こしている。

まだ少しふらつくが、意識ははっきりしていた。

周囲にはいつもの仲間たち。

アルカイド
アリュール
レディン
ナティエ
ルファール
ハヤテ

ナティエが腕を組む。

「ほんと無茶」

アリュールもため息をつく。

「極大魔術をコピーなんて聞いた事ありませんわ」

ルファールは笑う。

「まあ、僕たちもびっくりしたけどね」

するとハヤテが口を開いた。

「……で」

「問題はあの二人だ」

リナが聞く。

「ヒルドとロスヴァイセ?」

ハヤテは頷く。

「ヴァルキュリア」

「天魔教会最高幹部の中でも別格の存在だ」

アルカイドが眉をひそめる。

「そんなに強いの?」

ハヤテは椅子に腰掛けながら説明を続ける。

「天魔教会には九人の最高幹部がいる」

「その中でも“ヴァルキュリア”と呼ばれる連中は」

「完全に化け物クラス」

ルファールが補足する。

「単純な戦闘力だけなら」

「聖響騎士団の隊長クラス」

レディンが驚く。

「隊長クラスが……複数?」

ナティエが低く言う。

「厄介」

ハヤテは頷いた。

「特にヒルド」

「攻撃型魔術の天才だ」

リナは思い出す。

あの極大魔術。

(あれを連発されたら……)

その時だった。

医務室の扉が開く。

全員が振り向く。

そこに立っていたのは――

**ナハト**だった。

銀髪碧眼。

いつもの落ち着いた表情。

「目覚めたみたいだな」

リナが少し嬉しそうに言う。

「ナハトさん」

ナハトはベッドの横に立つ。

「無事で良かった」

アルカイドが言う。

「ちょうどヒルド達の話をしてたところです」

ナハトは静かに頷く。

「そうか」

そして言った。

「なら補足しよう」

全員が耳を傾ける。

ナハトはゆっくり語り始めた。

「ヒルドの固有能力」

「**戦乙女の雷槍(ヴァルキュリア・グングニル)**」

リナが驚く。

「やっぱり……」

ナハトが続ける。

「極大雷撃魔術を無制限に近い形で扱える」

ハヤテが苦笑する。

「そりゃ化け物だ」

ナハトは次に言った。

「問題はもう一人」

「ロスヴァイセ」

ナティエが呟く。

「幼女」

ナハトの表情が少し険しくなる。

「彼女の固有能力は」

一瞬沈黙。

「**絶対魔術無効領域(アブソリュート・キャンセル)**」

全員が固まる。

ルファールが驚く。

「……嘘」

ナハトは淡々と説明する。

「一定範囲の魔法を無効化する能力」

「魔導士にとっては天敵だ」

アリュールが呟く。

「そんな能力が……」

リナは思う。

(だから……)

(あの時、ヒルドが余裕だった)

ナハトは最後に言った。

「つまり」

「二人が組めば」

「ほぼ無敵の魔術戦力になる」

医務室に重い空気が流れた。

しかし。

それと同じ頃。

――遥か遠く。

どこか分からない場所。

巨大な円卓の間。

暗い空間に八つの席。

そこには

**天魔教会最高幹部**たちが集まっていた。

ヒルドもいる。

ロスヴァイセもいる。

一人が口を開く。

「例の少女」

別の声。

「能力名は」

「**アナライズ**」

ヒルドが腕を組む。

「危険ね」

ロスヴァイセが言う。

「コピー能力」

さらに別の幹部が言う。

「放置はできない」

議題は一つ。

**リナの能力について**

その時だった。

部屋の扉がゆっくり開く。

全員の視線が向く。

そこに入ってきたのは――

**仮面の男**だった。

黒い仮面。

長いコート。

ゆっくり歩いて円卓の前に立つ。

ヒルドが言う。

「……誰?」

男は軽く礼をする。

そして静かに名乗った。

「はじめまして」

「ヴァルキュリアの皆さん」

空気が張り詰める。

男は続ける。

「俺は」

「裏切り者」

「**ブリュンヒルデ**の代わりに来ました」

そして仮面の奥で笑った。

「名は――」

少し間を置く。

「**シュヴェルトライテ**」

男は静かに言った。

「以後」

「お見知りおきを」

その瞬間。

天魔教会の闇が

さらに深く動き始めた。

――第二章 第13話へ続く。
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