25 / 51
死んだはずの君
しおりを挟む
「ねーイヴ。見て。俺かなり上手く使えるようになったよ」
お茶を淹れてるイヴに、テーブル越しに声を掛ける。
「はい」
「他の属性の魔法も、これくらい使えるようになるかな?」
「属性とはなんですか?」
「ほら、水とか土とかの魔法。えっもしかして、火魔法と修復魔法しかないの?」
俺の返事を聞いて、イヴは少しだけ首を傾げた。
「あらゆる種類の魔法があります。水も土もイメージすれば使えるのではないではないですか?」
「えええ?」
「どうぞ」
皿にに乗せた果物を差し出される。今日も盛沢山。
わがままは言わないつもりだが、実は流石に飽きてきている。
「あっうん。いただきます」
とはいえ、これしか食べるものはない。
近くに川があるらしいから、そのうち釣りでも行こうかな。頼りっきりじゃなく自分で食糧調達頑張ってみるか。
テーブルの上に食事が揃ったので、とりあえず俺たちは食べ始めた。
イヴはいつも通り、お茶と小さな果物(なんだこれ?キイチゴかなんかか?)数粒だけだ。
俺にはちょっと酸っぱすぎた。
「この世界には魔法属性ってないの?」
「魔法属性、と振り分けることはないです」
「じゃあ他の魔法使う時は、どうやるの?」
「火と同じです。イメージするだけです」
「‥‥‥うーん」
また壁にぶち当たったぞ。
「現象である火と、物質の混合物である水や土と同列に扱い、属性で分けるなんて面白いです」
そんなこと言ったって‥‥‥ファンタジーの王道設定だもん。そういうもんだと思ってたもん。
でも確かに火や風なんかは物質ですらないもんなぁ。
なんかこの世界の魔法が、俺が知ってた魔法と違うみたいでちょっと悲しい。
「他にはどんな属性があるんですか?」
珍しくイヴから食いついてきた。自発的な質問もらったの初めてじゃないか?
「えーと、俺の世界に魔法はなかったって話したよね?だから俺が知ってる魔法っていうのは、全部架空のものなんだ」
果物を飲み込みながら俺は答えた。
「架空の物語が沢山あって、それぞれ色んな魔法が出てくるんだけど、属性ってのは当たり前のようにどの物語にも存在してて…」
魔法が存在しない世界出身の俺が、魔法の世界で、魔法の説明してるってなんかおかしくね?
「よくあるのは、火、水、土、風、とかかな。あとそれ以外でも、雷や氷、闇属性とか聖属性とか」
「分かりました」
えっ分かっちゃったの?俺全然分かんないんだけど。
ていうか何が分かったの?
「使った魔法によって及ぼされる結果で、区分されている気がします」
「なるほど」
分かってないが、分かったふりをしてみた。
「土の中には水や金属も含まれます。それらを除外した土というものは存在しません。全て含んでいる状態での"土"を操作することを土属性というのではないですか?」
「土を操るから土属性、そんな単純な話だったのか」
今度はちゃんと理解した。
良かった。前世でワクワクして読んだファンタジー小説の設定が、テキトーってわけじゃなく、ちゃんと考えればきちんと答えがあった。
‥‥‥ってか、多分俺以外の人は、みんなそう理解してた気もする。
俺は、ずっと土や水を元素みたいなニュアンスで勘違いしてたよ。
「ただ、私には聖と闇が理解出来ません」
むしろそれ以外は理解出来ちゃってるのすごいよ?
「ははは。俺も理解出来ないよ。いつか使えるようになったら教えてあげる」
「はい」
「そういえば、俺がイヴと手を重ねてた時、魔法が使えたのはなんで?」
「魔力は、空間に放出するよりも、触れている方が操作しやすいです」
そういえば、イヴの手でも壊れたポットでも、触れている時は発動した。
イヴはテーブルに手を、ぺたっとつけた。
「触れると触れた部分が、自分の体温で温まるのを感じませんか?」
イヴの真似して俺もやってみた。ぺたっと。
木製のテーブルは、自然な冷たさだったが、手を置いたところがどんどん手を同じ温度になってくるのが分かる。
「熱も魔力もエネルギーです。触れていれば魔力の移動を、イメージしやすいのだと思います」
確かに。また少し、魔法について分かった気がする。
血と置き換えてイメージしてたけど、そうか、熱でイメージすればもっと理解出来るかもしれない。
でも血と違って、熱は少量でも全身から発せられてるものだ。
なまじ熱でイメージすると、全身から魔力が出てしまう気がする。やっぱりしばらく血のイメージでいこう。
ちゃんとそこらへんを考えたうえで"血"でイメージすることをまず教えてくれたんなら、イヴすごいな。
「でも森の燃えた木は一人じゃ治せなかった。触ってたのに」
「魔法を使う対象が生命体の場合、多少の拒絶反応があります」
「さっき言ってた保有している魔力による魔法への抵抗力?」
「少し違います。修復魔法に関わらず、全ての魔法に対しての防御のようなものです。それは反射反応に近いので、そう強いものではありません」
痛みにびくっとなったり、眩しさに瞳孔が閉じる的な、脊髄反射みたいなもんかな?
「アベルはセーブしながら魔力を与えようとしたので、その防御反応に阻まれたのかもしれません」
「あーなるほど分かった。だってまた燃やしちゃったら嫌だから、俺もおっかなびっくりだったんだ」
一日講義を受けた程度で、魔法を全部理解出来るもんじゃないと思った。
日本にガルナ人が転生してきたとして、科学の仕組みを一日で教えきれる気もしないから当然だろう。
しかもガルナは医療にも魔法が食い込んでる。医療のみならずあらゆる分野の基盤が魔法かもしれない。
そうだとしたら自分が知りたい分野だけピックアップして学ぶ方がいいな。
俺たちは、その後も喋りながらゆっくり食事を続けた。
イヴは、俺の前世の架空の魔法設定が面白いらしく、何度か質問してきた。
既に持ってる俺の"翻訳魔法"ついても、俺たちなりに仕組みを推測しあったりもした。
なんとなくだけど、イヴと距離が縮まった気がした。
食事を終えて、イヴがテーブルを片付け始めた。
俺も皿を運ぶ。
当たり前だが、居候としてなるべく日常の雑事は手伝うようにしてる。
まぁ体がガキだから、出来ることも限られてる上、そもそもやること自体多くない。
こんな森の中の小屋での生活だから、地球なら薪割りや食糧調達で忙しいもんなんだろう。
でもイヴは火を全く使わないし狩りもしない。
よく縫物してるが、それは俺が手伝うようなもんじゃない。
だから掃除と、こうやって食器を片付けるくらいしか手伝うことがないのだ。
手伝うと言っても、運ぶだけ。渡したらイヴが魔法で綺麗にしてすぐしまわれちゃう。使う食器も少ないから30秒くらいでお手伝い終り。
そういえば皿なんかは魔法で綺麗にするけど、洗濯や風呂はなんで魔法使わないのかって聞いたら、表面が複雑なものは、かなり緻密な魔法になるって言ってた。
特に生物になると無機物との境界が曖昧で、難しいらしい。
髪や爪には生気が通ってないから、汚れとの差が見分けにくいし、皮脂なんかも全部取り除いてしまうと、人体にもよくないから、普通は魔法で綺麗にしないそうだ。
イヴが以前聞いた話によると、汚れを取り除こうとして毛皮を革にしてしまった人や、肌がミイラみたいにカサカサになっちゃった人とかがいるらしい。
操作に慣れたら可能だし、イヴも魔法で綺麗にする時はあるけど、飽くまでよく分かってる自分の体しか出来ないって。
毎日風呂に入るのがめんどくさいから、是非風呂いらずな魔法が欲しかったが、難しいなら後回しだ。
てか毎日入る必要なくね?果物ばかり食べてるせいか、子供の体だからか、体臭がほとんどなくなったんだ。
加齢臭が気になりだす歳だったから、ちょっと嬉しかったりする。
それにしても、具体的にイメージしたわけじゃないのに、なんで俺は炎の魔法を使ったんだろう。
だいたいのヒーローものの主役ってコンセプトカラーは赤が多いし、モチーフも火で似合ってると思うから別にいいけど。
お茶を淹れてるイヴに、テーブル越しに声を掛ける。
「はい」
「他の属性の魔法も、これくらい使えるようになるかな?」
「属性とはなんですか?」
「ほら、水とか土とかの魔法。えっもしかして、火魔法と修復魔法しかないの?」
俺の返事を聞いて、イヴは少しだけ首を傾げた。
「あらゆる種類の魔法があります。水も土もイメージすれば使えるのではないではないですか?」
「えええ?」
「どうぞ」
皿にに乗せた果物を差し出される。今日も盛沢山。
わがままは言わないつもりだが、実は流石に飽きてきている。
「あっうん。いただきます」
とはいえ、これしか食べるものはない。
近くに川があるらしいから、そのうち釣りでも行こうかな。頼りっきりじゃなく自分で食糧調達頑張ってみるか。
テーブルの上に食事が揃ったので、とりあえず俺たちは食べ始めた。
イヴはいつも通り、お茶と小さな果物(なんだこれ?キイチゴかなんかか?)数粒だけだ。
俺にはちょっと酸っぱすぎた。
「この世界には魔法属性ってないの?」
「魔法属性、と振り分けることはないです」
「じゃあ他の魔法使う時は、どうやるの?」
「火と同じです。イメージするだけです」
「‥‥‥うーん」
また壁にぶち当たったぞ。
「現象である火と、物質の混合物である水や土と同列に扱い、属性で分けるなんて面白いです」
そんなこと言ったって‥‥‥ファンタジーの王道設定だもん。そういうもんだと思ってたもん。
でも確かに火や風なんかは物質ですらないもんなぁ。
なんかこの世界の魔法が、俺が知ってた魔法と違うみたいでちょっと悲しい。
「他にはどんな属性があるんですか?」
珍しくイヴから食いついてきた。自発的な質問もらったの初めてじゃないか?
「えーと、俺の世界に魔法はなかったって話したよね?だから俺が知ってる魔法っていうのは、全部架空のものなんだ」
果物を飲み込みながら俺は答えた。
「架空の物語が沢山あって、それぞれ色んな魔法が出てくるんだけど、属性ってのは当たり前のようにどの物語にも存在してて…」
魔法が存在しない世界出身の俺が、魔法の世界で、魔法の説明してるってなんかおかしくね?
「よくあるのは、火、水、土、風、とかかな。あとそれ以外でも、雷や氷、闇属性とか聖属性とか」
「分かりました」
えっ分かっちゃったの?俺全然分かんないんだけど。
ていうか何が分かったの?
「使った魔法によって及ぼされる結果で、区分されている気がします」
「なるほど」
分かってないが、分かったふりをしてみた。
「土の中には水や金属も含まれます。それらを除外した土というものは存在しません。全て含んでいる状態での"土"を操作することを土属性というのではないですか?」
「土を操るから土属性、そんな単純な話だったのか」
今度はちゃんと理解した。
良かった。前世でワクワクして読んだファンタジー小説の設定が、テキトーってわけじゃなく、ちゃんと考えればきちんと答えがあった。
‥‥‥ってか、多分俺以外の人は、みんなそう理解してた気もする。
俺は、ずっと土や水を元素みたいなニュアンスで勘違いしてたよ。
「ただ、私には聖と闇が理解出来ません」
むしろそれ以外は理解出来ちゃってるのすごいよ?
「ははは。俺も理解出来ないよ。いつか使えるようになったら教えてあげる」
「はい」
「そういえば、俺がイヴと手を重ねてた時、魔法が使えたのはなんで?」
「魔力は、空間に放出するよりも、触れている方が操作しやすいです」
そういえば、イヴの手でも壊れたポットでも、触れている時は発動した。
イヴはテーブルに手を、ぺたっとつけた。
「触れると触れた部分が、自分の体温で温まるのを感じませんか?」
イヴの真似して俺もやってみた。ぺたっと。
木製のテーブルは、自然な冷たさだったが、手を置いたところがどんどん手を同じ温度になってくるのが分かる。
「熱も魔力もエネルギーです。触れていれば魔力の移動を、イメージしやすいのだと思います」
確かに。また少し、魔法について分かった気がする。
血と置き換えてイメージしてたけど、そうか、熱でイメージすればもっと理解出来るかもしれない。
でも血と違って、熱は少量でも全身から発せられてるものだ。
なまじ熱でイメージすると、全身から魔力が出てしまう気がする。やっぱりしばらく血のイメージでいこう。
ちゃんとそこらへんを考えたうえで"血"でイメージすることをまず教えてくれたんなら、イヴすごいな。
「でも森の燃えた木は一人じゃ治せなかった。触ってたのに」
「魔法を使う対象が生命体の場合、多少の拒絶反応があります」
「さっき言ってた保有している魔力による魔法への抵抗力?」
「少し違います。修復魔法に関わらず、全ての魔法に対しての防御のようなものです。それは反射反応に近いので、そう強いものではありません」
痛みにびくっとなったり、眩しさに瞳孔が閉じる的な、脊髄反射みたいなもんかな?
「アベルはセーブしながら魔力を与えようとしたので、その防御反応に阻まれたのかもしれません」
「あーなるほど分かった。だってまた燃やしちゃったら嫌だから、俺もおっかなびっくりだったんだ」
一日講義を受けた程度で、魔法を全部理解出来るもんじゃないと思った。
日本にガルナ人が転生してきたとして、科学の仕組みを一日で教えきれる気もしないから当然だろう。
しかもガルナは医療にも魔法が食い込んでる。医療のみならずあらゆる分野の基盤が魔法かもしれない。
そうだとしたら自分が知りたい分野だけピックアップして学ぶ方がいいな。
俺たちは、その後も喋りながらゆっくり食事を続けた。
イヴは、俺の前世の架空の魔法設定が面白いらしく、何度か質問してきた。
既に持ってる俺の"翻訳魔法"ついても、俺たちなりに仕組みを推測しあったりもした。
なんとなくだけど、イヴと距離が縮まった気がした。
食事を終えて、イヴがテーブルを片付け始めた。
俺も皿を運ぶ。
当たり前だが、居候としてなるべく日常の雑事は手伝うようにしてる。
まぁ体がガキだから、出来ることも限られてる上、そもそもやること自体多くない。
こんな森の中の小屋での生活だから、地球なら薪割りや食糧調達で忙しいもんなんだろう。
でもイヴは火を全く使わないし狩りもしない。
よく縫物してるが、それは俺が手伝うようなもんじゃない。
だから掃除と、こうやって食器を片付けるくらいしか手伝うことがないのだ。
手伝うと言っても、運ぶだけ。渡したらイヴが魔法で綺麗にしてすぐしまわれちゃう。使う食器も少ないから30秒くらいでお手伝い終り。
そういえば皿なんかは魔法で綺麗にするけど、洗濯や風呂はなんで魔法使わないのかって聞いたら、表面が複雑なものは、かなり緻密な魔法になるって言ってた。
特に生物になると無機物との境界が曖昧で、難しいらしい。
髪や爪には生気が通ってないから、汚れとの差が見分けにくいし、皮脂なんかも全部取り除いてしまうと、人体にもよくないから、普通は魔法で綺麗にしないそうだ。
イヴが以前聞いた話によると、汚れを取り除こうとして毛皮を革にしてしまった人や、肌がミイラみたいにカサカサになっちゃった人とかがいるらしい。
操作に慣れたら可能だし、イヴも魔法で綺麗にする時はあるけど、飽くまでよく分かってる自分の体しか出来ないって。
毎日風呂に入るのがめんどくさいから、是非風呂いらずな魔法が欲しかったが、難しいなら後回しだ。
てか毎日入る必要なくね?果物ばかり食べてるせいか、子供の体だからか、体臭がほとんどなくなったんだ。
加齢臭が気になりだす歳だったから、ちょっと嬉しかったりする。
それにしても、具体的にイメージしたわけじゃないのに、なんで俺は炎の魔法を使ったんだろう。
だいたいのヒーローものの主役ってコンセプトカラーは赤が多いし、モチーフも火で似合ってると思うから別にいいけど。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~
枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。
同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。
仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。
─────────────
※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。
※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。
※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる