あの人と。

Haru.

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本編

131 お祝いは何?

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 ダグに抱き上げられたまま退場し、準備をした部屋で髪が崩れないようにヴェールだけ取っ払って少し飲み物を飲む。

 この後は庭に移動して、結婚式に参加した人達だけでの昼食を兼ねたささやかなパーティーなのです。まぁ、参加してる人が人なものでささやかといっていいのかわからないけども。

「もう立てるのか?」

「た、立てるもん」

 漸く回復しましたよ、ええ。

「くっくっ……まさか誓いのキスで腰を抜かすとはな」

「ダグがかっこよすぎるのが悪い!」

「ユキも綺麗だぞ」

 あぁあああそんなふわって抱きしめられたら……

「おっと……またか?」

「うぅ、だって……」

 また腰が抜けてくたんとダグにもたれかかりました。だめだ今日の僕ふっにゃふにゃ。腰めっちゃ抜ける……

「可愛い。今日は俺が運ぼう。いつ腰が抜けても大丈夫だ」

「お願いシマス……」

 室内ならまだしも庭で腰抜けてべしょって転んだら衣装が汚れる……! 真っ白だから汚れ目立っちゃう!! 少しも汚したくないので大人しく運んでもらいます。

「さあ、庭へ行こう」

「ん」





「「「結婚おめでとう!!」」」

「わっ! ありがとう、みんな」

 庭へ着いたら花びらの雨が僕達へ降り注いだ。風向きガン無視でふわふわ降り注いでいるのは多分風魔法でどうにかしているのだろう。すごく綺麗だ。

「さぁさぁ主役はこっち!!」

 案内されたのはこれでもかってくらい飾り付けられたカウチ。真っ白なロココ調のカウチが白いリボンや花で目一杯飾り付けられているのだ。まさに花嫁と花婿専用って感じでちょっと照れくさい。

 でも座るけどね!!

 あっ、一応膝の上ではないですよ。ダグの手が腰にまわされて支えられてますけども。

「ユキ様、ダグラス、お飲み物をどうぞ」

「ありがとう、リディア」

「お食事はどうなさいます?」

「僕は片手で食べれるものがいいなぁ」

「俺もそれでいい」

「ではとりあえずこちらを。おそらくダグラスは足りないでしょうから他にも持ってきます」

「悪いな」

 渡してくれたのはサンドイッチ。山盛りだけど確かにダグは足りないだろうなぁ……

「ごめんね、リディアもお客様なのに……」

 結局お世話ばっかしてもらってる……

「いえいえ、ユキ様の身の回りのお世話をすることが私の生き甲斐ですから」

「ありがとう! リディア大好き!」

「私もユキ様をお慕いしておりますよ。ダグラス、そんなに睨まなくともユキ様が愛しておられるのはあなたですよ」

 リディアの言葉にちらっとダグを見たらこれでもかってほどリディアを睨んでた。

「ダグ愛してるよ」

 頰にちゅっとキスをしながら言えば、少し驚いた後にふわっと微笑んだダグ。かわいい!!

 ちゅっと唇にキスが返ってきてなおりかけてた腰がまた抜けたのは内緒です。




「ユキ! ロイをお父さんと呼んだって本当か?!」

「あー……うん、本当、だね」

 にっこり笑顔のロイを伴ってアルが突撃してきた。本当に自慢したのか……

「俺もお母さんって呼んでくれ! ママでもいいぞ?」

 ママはない! 18の男子がママはない!! それは絵面がきつい!!!

「お、お母さん……」

「可愛い!! 俺こんな可愛い息子が欲しかったんだよ!」

「レイとラスは?」

「ラスはまだちょっとバカなところは可愛いけどレイはなぁ……性格がな……」

 何も返せない……!! レイの性格はよく知ってるからなぁ……あの人で遊ぶの大好きな性格は可愛いとは言えない。決して。

「まぁいいや。ユキ、ダグラス、俺たちからの結婚祝いなんだが……明日になったらわかる」

「へ?」

「リディアに用意させてるから明日になったら言われるはずだ」

「はぁ……ありがとう?」

「ありがとうございます」

 なんだろう? 明日になったら……すっごい気になるなぁ。リディアが知ってるみたいだけど明日、って決まっているなら明日までリディアが口を開くことはないのだろうし……本当になんだろう??

「んじゃ、お幸せにな!」

「うん!」




「ユキちゃん、なぜロイを父と呼んで私は父と呼んでくれないのか」

「なぜ王妃陛下を母と呼んで私は母と呼んでくれないのか」

「なぜ俺は兄と呼んでもらえないのか」

 えぇと。アーノルドさん方三名がものすごく悲壮感漂わせて来たのですが。ヴェルナーさんが後ろからそんな三人を呆れたように見ている。

「お、お義父さん、お義母さん、お義兄さん……?」

 試しに呼んでみた瞬間パアッと表情が明るくなった三人。ダグと似てるマリオンさんまで満面の笑みだよ。ダグの満面の笑みなんて滅多に見られないからちょっと得した気分。

「可愛い! これからもそう呼んでね、ユキちゃん」

「え、と……はい……」

 義理の家族になったわけだしそう呼ぶのが普通だよ、ね……ちょっと照れくさいけど頑張ろう!!

「ユキちゃん、妻と私からの結婚祝いはね、温室だよ」

「へ?」

 温室……ってあの温室ですか? それを結婚祝いとはいかに……

「ふふ、お城の中にユキちゃん専用の温室を建てさせてもらったのさ。ロイに言ったらすぐ許可が下りたよ。ピアノも置かせたから自由に使っておくれ」

 えっ……スケールが大きすぎて僕混乱してきた……

 温室ってもらうもの? しかもピアノ付きの僕専用の温室。

 温室っていくら? ピアノって……高い、よね。えっと……えっと……合わせていくら? 結婚祝いにもらう額じゃない気が……えぇえ??

「父上……ユキが混乱しています」

「あれ。嬉しくないかい?」

「い、いえ! 嬉しいです! いや、でも、え……? それって貰っていいものなのです……?」

「もちろん! ユキちゃんのために作らせたからね!」

「あ、ありがとうございます。ありがたく使わせて頂きますね」

 僕用にって言われたら受け取るしかない、よね……お、お礼どうしよう……!?

「よかった! 気兼ねなく使ってくれていいからね。鍵はこれだよ。予備のものは一応ユキちゃんの世話役に預けているからね」

「あ、ありがとうございます」

 ポンっと軽く渡された鍵を慌ててギュッと失くさないようにしっかりと持つ。綺麗な鍵……しっかりともっておかなくちゃ。こんどダグと一緒に行こう。

「ユキちゃん、ダグラス、俺からの祝いはこれだ」

「ありがとうございます」

 少しニヤっとしながら渡されたのは平べったい大きめの箱。なんだろ??

「……兄上、嫌な予感しかしないのですが」

「少なくともお前は喜ぶと思うぞ。ユキちゃんがかはお前次第だ」

 んん? どういうこと? お祝いなのに僕が喜ぶかはわからないの? 何が入ってるのか僕すっごい気になるよ。

「……もう一人そのような物を祝いとして渡してくるであろう方がいるのですが」

「ほぉ、いいじゃないか。楽しみが増えて」

「……」

 んー? ダグは中身わかってるの? それにもう一人? いったい誰だろう。

「ダグ、中身分かるの??」

「……まだ知らない方がいい」

 えー?

「まぁいいや、あとで開けたらわかるし」

「……そうだな」

 なんでそんな気まずそうに目逸らすのさ? もう、僕ここで開けちゃうよ。え? 絶対だめ? むぅ、中身気になる!!
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