あの人と。

Haru.

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After Story

お味のほどは

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「ユキ!」

「ダグ!!」

 温室に着いた途端ダグにぎゅうっと抱きしめられた。僕もぎゅうぎゅうと抱きしめ返します。

 ふふー、あったかくて安心します!

「ユキ様、私はこれで失礼しますね」

「うん、ありがとう!」

 リディアがワゴンを温室の中へ止めてくれて扉も閉まり、2人きり!

「ん? なんだか甘い匂いがするな?」

 ふすふすと僕の匂いを嗅いだダグがそう一言もらした。

 まだバレるのはいやー! ごまかせごまかせごまかすんだ幸仁!! そして落ち着け! 挙動不審になればなるほどバレる!!

「ち、厨房で料理人さんが色々と作ってたからかなぁ?」

「ああそうか、厨房だもんな。色々とそこらで作ってるから匂いもつくか」

 よし、バレなかった! セーフッッ!!

「うん、色々作ってたよ。忙しいのに場所借りて申し訳なかったかな?」

「たまになら構わないだろう。ユキの料理、楽しみだ」

「家庭料理だからあまり期待しないで欲しいけど……」

「愛しい人が作った料理だぞ? 期待もするさ」

 愛しい人……えへへ、何回言われても嬉しい!

「ちょっと早いけどもう食べる?」

「ああ、食べる。楽しみすぎて腹も減ったんだ」

 そんなに楽しみにしてくれてたの? 口に合うといいなぁ……

「じゃあ並べよ!」


 せっせとフードカバーを外してローテーブルに並べ、もういつでも食べれます! ……危うくケーキまで並べられそうになって焦ったよ。必死にごまかしたよね。リディアが用意したお茶だから後、とか言って……信じてくれたかは謎! とりあえず開けられずに済んだからよし!

「どれも美味そうだ。食べていいか?」

「どうぞ! お肉類はお米と一緒が1番食べやすいと思う」

「わかった。いただきます」

 まずはカツとじ! どう? どう? ドキドキして僕は食べずにダグの反応を待ってしまう。

 一切れのカツをバクッと一口で食べたダグはそのままご飯をかきこんで……

「美味い! 優しい味だ。味わい深くてかなり美味い」

「よかった!! もっと食べて!!」

「ああ、もちろんだ」

 やったぁ! 美味しいって言ってもらえてすっごく嬉しい!

 安心しきった僕は機嫌よく料理に手を伸ばした。どれもこれも満足いく味です!

「ユキは本当になんでもできるな」

「えー、僕運動は無理だよ?」

「それくらいじゃないか? ユキは器用すぎる」

「そうかなぁ……ダグも器用じゃん」

 絵も上手いし、ピアノもヴァイオリンも上手い。魔法の使い方もすごいし……もちろん運動神経も抜群。それに頭もすっごくいいんだよ。たまにわからないところ教えてくれたりするもん。

「そうか? まぁ、褒められて悪い気はしないな」

「事実だよ?」

「ありがとうな」



「ふ──……美味かった。ご馳走さま、ユキ」

「えへへ、お粗末様です」

 ダグ、完食してくれました!! 嬉しいです!!

「どれも美味かった。また作ってくれるか?」

「うん!! ダグのためなら頑張るよ!」

 いくらでも作りますとも!!

「楽しみだ。さて、リディアが用意してる茶でも飲むか」

「あっ……!」

 あぅ、フードカバー外されちゃった……ダグ、固まってるよう……今思ったけどお腹いっぱい食べさせた後にホールケーキってかなり鬼畜じゃない? 引いたかなぁ……

「ユキ、これ……」

「え、と……僕が、作りました……遅くなっちゃったけど、誕生日ケーキのつもり、です……お、お腹いっぱいだったら全然食べなくても……!」

「馬鹿か、食べるに決まってるだろう……!」

「わぁ?!」

 わ、わー、ぎゅうぎゅう抱きしめられたよ。苦しいくらいだけどなんだかすっごく嬉しいです。

「ありがとうユキ。これは想像してなかったからかなり嬉しい」

「ほ、ほんと? 無理してない?」

「してない。まさかケーキまで作れるとは……食べていいか?」

「うん!!」

 よ、よかったぁ……! 嬉しそうに微笑みながらケーキをワゴンからローテーブルに持ってくるダグを見てると、じわじわと嬉しさが胸をいっぱいにする。

「すごいな……もったいなくてどこから食べたらいいかわからない」

「き、切らないの?」

 ダグは切らずにそのままフォークを刺そうとしています。ナイフも持ってきたんだけど……

「切るわけないだろう。もったいない」

 そのまま食べるの?! いや、いいけども……

「ふむ……ユキ、食べさせてくれ」

 どこから食べるか悩んだ末にダグは僕に食べさせてもらう、を選んだようだ。小さいバラでブーケみたいにした真ん中からぶっ刺したら怒るかな……うん、端っこからにしておこう。無難にね。

「はい、あーん」

「ん。……美味いな……しっとりしたスポンジと甘さを抑えたクリームが丁度いい。これを1人で作ったのか?」

 しみじみと美味しいと言われてちょっと照れちゃいます。

「オーブンのセットはわからなかったからリディアにやってもらったよ」

「レシピはユキが考えたやつか?」

「日本で覚えたやつだよ? ちょっと甘さを調節したりはしてるけど」

 覚えてたレシピじゃダグには甘すぎるかな、と思って砂糖を抑え気味にしてみたんだ。口に合ったようでよかった……

「すごいな……美味い。いくらでも食べれそうだ」

「む、無理しないでね?」

 いくらダグでも食べれるように調節したとはいえ、ケーキだよ?! たくさん食べるのは無茶な気が……

「無理じゃない。食べる」

「ぼ、僕も食べたいなぁ?」

 なんだかワンホール丸々1人で食べそうな雰囲気出してるよ……! 僕にも食べさせて……!

「なら食べさせあおう。ほら、美味いぞ」

「ん……」

 うん、満足いく出来栄えだ!! スポンジも成功してる!! よかったよかった、これは味見できないからちょっと心配だったんだ。我ながらすっごく美味しいケーキです!!

「ユキ、俺も食べたい」

「ん、どーぞ」

「ん」

 ダグは本当に美味しそうに食べてくれる。嬉しいです!!

「本当に美味い。こんなに美味いケーキは初めてだ」

「大袈裟だよ」

「大袈裟ではないぞ。これはユキが俺のために作ってくれたケーキだからな。俺にとって最高のケーキに決まっているだろう?」

 はぅ……大好き……

 お世辞だとしてもすっごく嬉しい!

「言っておくがお世辞じゃないぞ」

「もう、そんなに喜ばせないでよ」

「このケーキをプレゼントされた俺の方が嬉しいぞ」

 ん~何言っても嬉しい言葉を返される! ほんっとうに大好き!!

 ぎゅうぎゅうと抱きついたら優しく抱きしめて頭を撫でてくれる。そんなダグが愛おしすぎてたまらない……溢れすぎた愛しい気持ちはどうしたらいいのか未だにわかりません!! とりあえずぐりぐりと首筋に擦りついておきましょう! そうしたら頭のてっぺんにキスをしてくれて……大好き!!

「ユキ、愛している」

「僕も愛してるよ」


 そのあとも僕達はリディアが速攻で逃げそうなほどに甘~い雰囲気満載でイチャイチャしながらケーキを食べさせ合いました! なんとダグが4分の3くらい食べてくれてホールケーキは綺麗さっぱりなくなりましたよ! お腹を壊さないかちょっと心配です。
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