あの人と。

Haru.

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After Story

ランチタイム

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「お腹すいた!」

「食堂行くか!」

「うん!」

 ノートとペンを片付け、立ち上がってサダン君について行くとラグ達もこっちに来た。みんなで食堂へ! どんなご飯なのかなぁ、まだ学園のご飯は一度も食べてないからたのしみなのです。

「嫌いなものとかあるか?」

「ううん、なんでも食べれるよ」

「まぁ野菜とか好きそうなイメージだしな」

「僕野菜も好きだけどお肉の方が好きだよ」

「……見えねぇ」

 むぅ、小さいしヒョロイって言いたいんでしょ? たしかに身長もないし筋肉もかけらもないよ! でもお肉は大好きなのです。あとお米。お肉とお米は正義です。

「肉が好きならAセットがオススメだな。量は言ったら変えてくれる。あ、食堂は従者と一緒に食べていいから3人とも一緒に食べれるぞ」

「そうなの!? やった!!」

「まぁ一緒に食べてるやつなんて少ないけどな。自分が偉いと思ってる貴族連中は従者となんて一緒に食べたがらねぇからな」

 ああ、たしかに貴族ってそういう選民主義的な考え持ってる人多いよね。僕そういうの大っ嫌い。だってそういう人って特に獣人に対する当たりがキツイんだもん。何様だって話です。

「僕はみんなと食べるよ。サダン君は嫌?」

「いや、俺もラグルスさんとラギアスさんに色々聞きてぇし、一緒に食いたい」

「よかった! 聞きたいのってお仕事のこととか鍛え方とかだよね? ラグもラギアスも強いから沢山聞くといいよ!」

 そして是非とも仲良くなってほしいです。僕としてはできた友達がダグ達とも仲良くなると嬉しいなぁって。……ダグを恋愛対象として見るのはダメだけど。

「魔法ならユーキ様が1番だと思いますがね」

「僕動けないもん。守ってくれる人がいないとまともに戦えないよ」

「……ユーキってそんなに強いのか?」

「午後の授業でお分かりになるかと」

「そういえば午後は魔法実践があったな。楽しみにしとくわ」

 そんな授業もあるんだね! ……まさか剣術とかあったりしない、よね……? いや、短剣術はちょっとずつ教えてもらってるけども……! 僕まだまだフラフラしてばっかなんだよぅ……選択とかだといいなぁ。

 そんな話をしながら歩いているうちに食堂に着き、サダン君に注文の仕方を教えてもらい無事食事をゲット! 席も空いていたところをなんとか確保できて、みんなでランチタイムです!

 サダン君オススメのAセットは今日は牛肉100%のハンバーグにサラダ、スープにおかわり自由のパンでした。ハンバーグがかなりの大きさでパンはあまりいらなさそうです。あ、全員同じのにしたよ。とりあえずまだ色々とわからないから在校生の言うことを信じようってやつです。

 ドキドキしながらハンバーグにナイフを入れると……肉汁が滝のように……!! こ、これは美味しいに違いないよ……! しっかりとソースを絡めてから……

「~~~~っっ!!」

 美味しい……! 美味しいよこのハンバーグ!! これが学食なんて信じられないくらいに美味しい……!  肉汁がドバーッて!

「美味いだろ!」

 嬉しそうに笑うサダン君に口にハンバーグが入ってて喋れない僕はコクコクと頷く。ついでに親指を立ててグーサインも送っておきます!

「ははっ、美味そうに食うなぁ。授業中の様子見てたら13歳ってこと忘れそうになるけど、今の様子見てたらやっぱ子供だってなるわ」

「んぐ……むぅ……だって美味しいんだもん」

「いやいや、素直でいいと思うぞ」

 ものすごく子供扱いされてる……ダグもリディアもクスクス笑ってるし……いいもん、思う存分美味しいもの食べるもん。

「あ、ラグルスさん、ラギアスさん」

「我々に敬称はいりませんよ」

「んじゃあラグルスにラギアス、2人は普段どんな風に鍛えてるんだ?」

「普通のトレーニングですよ」

「2人とも腕立て伏せ千回は出来るけどね」

 それが普通ならそれまでだけども。普通じゃないと思うのです。ちょっと心配になるくらい延々と腕立て伏せやってるもんね。

「千!? うわ……俺最大500だ……」

「大丈夫、僕は最大20回だから!」

 500でも十分化け物だよ!

「……ユーキはもうちょい鍛えた方がよくないか?」

「僕運動音痴なんだもん」

「まぁ、見た目通りだな」

 ……酷い。ちょっと傷つきました。いいもん、動けなくてもダグがいるもん。人には向き不向きがあって当然なのです。

「それにしても千か……走り込みとかは?」

「ほどほどに」

「……ぜってぇめちゃくちゃやってる……俺まだまだだな……」

 うーん、本当にほどほどだと思うけどなぁ。ダグが走りに行くのって結構少ないよ。その間にどれだけの速さでどれくらいの距離を走ってるのかは知らないけども。体力が落ちない程度に、くらいしかやってないと思う。それよりもラギアスとの打ち合いの方がすごいよ。前に見せてもらったけど本当の敵を相手にしてるのかなってくらいの迫力だったもん。

「回数を数えるものは自分が無理だと思ったところからさらに10回ほど、走り込みなどは速さにもよりますが数十秒~数分程度追加していけば効果的に鍛えられますよ」

「なるほど……無理だと思ってやめちゃダメってことだな」

「ですが本当に無理な時はすぐにやめることです。身体が資本な職業を目指すなら体調管理が第1ですからね」

「わかった、ありがとな」

「いえ」

 どうやら話は終わったようです。僕はその間黙々とハンバーグを食べてたんだけど……うぅ、多いです。最初の一口目は全部たべれる! と思ったんだけど限界が……あ、限界と思ったところから10口……? いやいやいや、無理だよ!

「ラグゥ……」

「かしこまりました」

「ありがと!」

 僕の意図を察してくれたダグは僕のお皿から自分のお皿へハンバーグを移してあっという間に平らげてくれました。ふぅ、これで食材を無駄にしてしまう自体は避けれました! あ、スープとサラダは最初から少なくしてもらったよ。ハンバーグはもう大きさが決まってて変えられなかったのです。

「いつもそうやってるのか?」

「外で食べるならね。僕はラグ達みたいに食べられないから」

「俺が13歳の頃はもっと食べたぞ」

「いいの! これ以上食べたら気持ち悪くなっちゃうもん」

「まぁ無理することはねぇけどな」

 うんうん。お腹いっぱいだし変に痩せることもないからいいのです。むしろ太りそうで怖いくらいだよ……みんな食べさせようとしてくるんだもん。僕はぽっちゃりさんになりたくありません!


 みんな食べ終えたらサダン君の案内で校庭へ。次が魔法実践らしくて、外でやるからちょうどいいんだって。少しの間お茶をするのです。

 校庭に着いたらリディアがシートを敷いてくれてサダン君とその上に座る。爽やかな風が気持ちいいです。

「魔法実践楽しみだな」

「どうして?」

「ユーキの魔法見れるんだろ? 課題さえこなせばあとは自由だから見せてくれな」

 魔法実践の授業は、課題が提示されて、何回かに一回それについての試験をやるんだって。先生の前でどれくらいできたら何点、みたいな感じらしい。試験の準備さえしてたらあとはもう魔法に関することなら何やってもいいんだって。申請したら演習も出来るとか。楽しそうです!

「サダン君の魔法も見たいなぁ」

「おう。まぁここの留学試験に受かったユーキには負けると思うけどな」

 留学試験は一応やったよ。マスルール様がやってきてその前でいくつか魔法を披露したら受かりました。一応魔法特化ってことで剣術とかは試験科目になかったんだよ。あったら来れてないよ……ちなみに筆記試験もちゃんと受かったよ! 一応裏口ではないんだからね!!
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