あの人と。

Haru.

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After Story

なんとかなる

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 次の日、朝起きてからのんびりとお庭でお散歩していると飛竜が飛んでくるのが見えて、そのままお庭のひらけた場所へと着陸した。ダグも何も反応していないことから予定にあったものなのだろう。騎士さん達が僕達をお迎えに来たのかなぁ? てことはここにいられるのはもう少しだけかぁ……でも結構いられたかな? すっごく楽しかったです。

 またのんびりとダグとお散歩を再開すると、さっき飛竜が降りた方向から聞き覚えのある声がした。

「おーい、ユキ! ダグラス!!」

 もう一度飛竜の方へ視線を戻すと、なんとそこにいたのはアルバスさんでした。

「アルバスさん!? どうしてここに!??」

「おう、ユキ、久しぶりだな。ちょっと大きくなったか?」

「……なってませんよ」

 そんな親戚のおっちゃんみたいなこと言わないでください。僕の身長はもう絶対に伸びません。

「そうかすまんすまん! 国内にリディアがいると思うと居ても立っても居られなくなってな。許可が降りたんで来たんだ。まぁ国内とはいえ王都からは随分離れているから長くはいられないんだが」

「そうだったんですね」

「おう。んで、俺の愛しのリディアはどこだぁ?」

 キョロキョロ辺りを見渡すアルバスさんだけれど、リディアはここにはいません。僕とダグがイチャイチャしてるからあまり寄り付かないんだもん。多分ヴェルナーさんのお手伝いをしたりとかしてるんだと思うよ。

 遠路はるばるリディアに会うために来たアルバスさんを見ていると僕が熱を出した時から渡されているベルの存在を思い出した。今僕は必要ないしアルバスさんに貸そう。

「このベルを鳴らすとリディアが来ますよ」

「まじか! 借りていいのか?」

「どうぞどうぞ。長い間リディアをお借りしてしまったので」

「いや、リディアが元気ならいいんだ。さて、しばらくリディアも借りるぞ」

「ごゆっくり!」

 ニヤリと笑ってからお屋敷の方へ歩き出したアルバスさんを見送り、僕とダグはお庭の東屋で休憩することに。

 ……きっと今日はもうリディアの姿を見ることはないと思います。頑張ってね。

「リディアに怒られたら一緒に怒られてくれる?」

「……ユキの頼みなら」

 苦い表情をするダグには悪いけど、巻き込みます。だってリディアの報復怖いもん。

「……あまりリディアの機嫌悪くならないといいなぁ」

「……そうだな」

 リディアもアルバスさんに会いたいって思ってるって信じたいところです。ツンデレなリディアは表には出さないけど実は、とか……あってほしいです。

 やらかしたかなぁ、と思いつつ僕は遠い目しか出来ませんでした。



 その日は案の定リディアの姿を見ることはなく。次の朝、ぐったりと疲れきって大人しいリディアがアルバスさんに抱えられてやってきました。

「ユキすまん。この通りリディアを潰しちまった。休ませてやってくれるか?」

「えと、どう、ぞ? 僕はてっきりアルバスさんがそのままリディアを連れて王都に帰っちゃうのかと思ってたんですが……」

「いいのか? いいならこのまま連れて帰るが」

「リディアがいいなら……?」

 僕がここにいられるのもあと数日くらいだろうし、リディアがいいなら帰ってしまっても生活はできるかなって。ヴェルナーさん達もいるし大丈夫だと思います。

「だってよ、リディア。ユキがいいならって言ってたもんな? さぁ、帰るぞ」

「……ユキ様、私は必要ではございませんか」

 あちゃー、そう取られちゃったか……そういうわけじゃないんだけどなぁ……

「ううん、リディアはやっぱりいてくれなきゃ大変だよ。僕に取ってリディアは必要。でも、リディアにもお休みを取って欲しいの。だからこの機会にアルバスさんと一足先に帰って、ゆっくりして? 僕がいるとリディアはすぐ働こうとしちゃうからね」

「……わかりました。ではお先にお城へ戻ってユキ様のお帰りをお待ちしています」

「うん、気をつけてね。アルバスさん、リディアに無理をさせすぎないように」

「おう! あ、ベル返しとくな。お陰ですぐリディアを捕まえれたわ。んでこの通りだな!」

 豪快に笑うアルバスさんを見るリディアの目が冷ややかです……多分リディアが動ける状態だったならアルバスさんの頬には綺麗な紅葉が出来上がっていただろうなぁ……

「んじゃ、俺らはもう行くわ! ユキはまた俺が帰ってから騎士を向かわせるからそっから帰ってこい」

「わかりました。気をつけてくださいね」

「おう。またな!」

「ユキ様、お城でお待ちしています」

「うん。ちゃんと休んでね」

 2人を見送り、僕とダグはまったりすることに。特にやることもなく本当にのんびりするだけです。

 それにしてもアルバスさん、嵐のようにやって来て嵐のように去って行ったなぁ。着いてからリディアをベルで呼び寄せたら速攻で部屋にこもって朝までコースだったんだろうね。だって今日のリディアは色気が凄かったもん。微妙に眠そうだったし。ゆっくり休んでもらいましょう。


「ゆっくり帰る用意もしなきゃだね」

 リディアが帰っちゃったから、自分達でやらなくちゃだよね。僕だいぶ生活能力が低下してるけどダグがいたら大丈夫かな? 結構頼りきりになっちゃいそうだけど僕なりにも頑張ろう。

「まぁ最悪はユキの魔法鞄と俺の魔法収納に適当に放り込めばいいだろう。忘れ物なんかも誰かに届けさせればいいしな」

「魔法鞄があると便利だねぇ。僕のいた世界じゃ魔法なんてないから鞄に入るだけしか持ち歩けなかったもん。母さんとかよく入らないって騒いでたよ」

 父さんが呆れたような顔でこれは本当にいるのかこっちはいらないだろうって色々選別して、それでもまだ入らないようなら父さんの鞄にも間借りして……って感じでなんとか詰めてたよ。家族旅行はほぼ毎年行ってたから母さんの荷物のことも恒例行事になってました。

「魔法収納を使えない者はそんな風になっているぞ」

「そっかぁ。魔法鞄作れてよかったぁ……じゃないと僕もそうなってた気がするもん」

「かもしれないな」

 ダグとリディアに頼りきりだからなぁ……片付けようと思う間も無くリディアが全部やっちゃうから整頓能力もどんどん落ちてるし……これは本格的にまずいかもしれない……! いつかお爺ちゃんになって、ダグとの2人暮らしが叶ったら家事も自分でやらなくちゃなのに……! 料理は大丈夫だけど掃除と洗濯が……不安しかありません。

「……ダグって洗濯できる?」

 掃除は出来ないことないと思うのです。結構綺麗好きだし、ダグの部屋はいつも綺麗だもん。

「洗濯? ……そういえばやったことがないな。見習い騎士時代も洗濯は別で雇われた者がやっていたからな……」

 ……僕達、2人きりで暮らせる気がしません。一生使用人さんが必要かもです。僕達がお爺ちゃんになる頃にはリディアもお爺ちゃんだから流石に働けないだろうし他の人だよねぇ……

「誕生日プレゼントにもらった場所で暮らせることになっても使用人さんは必要かもね、僕達……」

「そうだな。2人きりで暮らしたいなら通いの使用人を雇えばいい。服は沢山あるから数日まとめて洗濯でもいいだろうしな」

 たしかにそうかも。浄化魔法をかけたらとりあえずは綺麗になるから数日置いおいても大丈夫だろうし。……そのまま着たくはないけど。なんとかなりそうかな?

「よかったぁ。僕リディアじゃない使用人さんがずっと近くにいるのが想像出来なかったんだ」

「ふむ……たしかにそうかもな。まぁまだ先のことだし今は今のことを考えないか? いざとなればどうとでもなるさ」

「まぁ、そうだよね。今は今の幸せを、だね」

「そうだ。後々の不安に囚われては今を楽しめなくなるからな」

 たしかに。そんな先のことを悩みだしたら止まらなくなりそうだもんね。今は今ダグと一緒に居られる幸せに浸っていましょう。きっとなんとかなるなる!
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