あの人と。

Haru.

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After Story

ルリのお披露目

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更新が乱れていて申し訳ありません、、、、
なんとか続けていきたいとは思っておりますので、どうか気長に待ってやって下さいませ、、、
─────────────────



「母様、これやだ……」

「えー? 凄く似合ってるのに? 凄くかっこいいよ!」

「……なら我慢する」

 今日はルリのお披露目です。お披露目にあたってルリはおめかしすることになったんだけど……脚にゴテゴテした腕輪みたいなのをつけられ、ジャラジャラと首にもかけられたのが不満なご様子。紋章のメダリオンはむしろ気に入ってるみたいなんだけども……そのほかの飾りは邪魔くさくてしょうがないようです。

「お披露目終わったらすぐ取っていいからね」

「……ん」

 コクリと頷いたルリの背中を撫でてあげるとするりと長い尻尾が腕に絡んできました。甘えるようなこの仕草、たまりません。


 僕のお披露目の時とは違って今回ダグは僕と同じ馬車に乗ってます。アルバスさんとラギアスは外で並走してるよ。今日のダグは護衛モードではなく旦那様モードなのです。なぜなら既に僕と結婚済みで、僕が表に出るときはそのパートナーとして同伴することが自然だから、だそうです。舞踏会の時みたいな感じですよ。

 というわけで、もちろんダグもおめかししてるんだけども……かっこいいなぁ……思わずうっとりしちゃうくらいかっこいいです。ダグったら白い正装似合うなぁ……僕の旦那様は誰よりもかっこいいのです! 舞台でダグに見とれちゃわないように気をつけます。

 前回同様、会場へ着いたら控え室で始まるまで待機。間も無くよばれてぞろぞろ向かって今回は僕はフードは被りません。僕の黒髪はもう公表済みだもの。

 前回同様幕がバッと上げられたらルリが先に舞台へ行き、僕とダグはその後ろからゆっくりと進む。前回同様かなりの人がいて、熱気が伝わってくるかのようです。


 ダグと僕でルリを挟むように立ち、グリグリと頭を擦り寄せてくるルリを撫でる。ダグには太い尻尾が絡んでいて、ダグもポンポンとルリの背中を優しく叩いてます。親しいこと、大事にしていることのアピールですよ。

 少しばかりルリを撫でてからスッと前を向き、一呼吸置いてから口を開く。

「ここにいる神獣こそ、我、神子の元で生まれし神獣、ルリである。神獣は絶対不可侵であるものとして、いずれの国も神獣の意思を無視した干渉を禁ず。神獣の庇護者として我、神子とその伴侶、ダグラスが後見につくことをここに宣言する!」

 言い切ったと同時にルリが強く吼え、さらに2人で魔法を展開する。ルリが得意な氷魔法を使った魔法です。

 上空へと巨大な氷の華を形成し、一瞬にしてそれを粉砕するとそのかけらは雪の結晶となって人々の元へ降り注ぐ。わっと歓声を上げる人々に、ルリと練習した甲斐があったとしみじみと思います。

 ルリが形成した氷を僕が浮かせ、さらにそれを一瞬にして砕いたら2人でカケラ1つ1つを雪の結晶にする、というのはなかなかに大変な作業でした。最初は馬鹿みたいに大きい結晶ができて……危うく刺さるところだったよねぇ……ダグが叩き切ってくれました。流石です。


 そんなこんなでお披露目はなんとか無事終了し、僕達はすぐさまお城へ帰ってきました。今回は僕のお披露目とは違って舞踏会とかはないからこの後はもうゆっくりするだけです。

 ……ルリがガッチャガッチャと頭を振り乱しては外した頭と首にかかっていた飾りや、グルグル唸りながら噛み付くように外そうとした腕輪を焦って回収することになったのは仕方ないの、かな……ルリ嫌がってたもんね……

 ……どれもこれも、かなりの高級品だったんだけどなぁ、という言葉は不機嫌になったルリを前にして口にすることはできず、傷の入ってしまったそれらは一度金属は溶かして、石は削りなおして違う装飾品にしてもらおうということでダグと決定しました。

 とりあえず今はルリのご機嫌とりに勤しみます。今日のために果物を沢山飾り切りして用意しておいてよかったです。ダグも切ってくれたからたっぷりとあります。

 パッタパッタと尻尾で床を叩く伏せたまま動かないルリの口元まで運びます。パクリと口に含んではペロリと指を舐められ、を繰り返していると少しずつ機嫌を直し、なんとか自らお皿から食べだしたルリにホッと一安心。

「今日は頑張ったね。偉かったよルリ」

「さすが俺たちの子だ。俺は誇らしいぞ」

 果物を食べ続けるルリからは返事は返ってこないけれど、だんだん尻尾がゆらゆら嬉しそうに揺れ出したことから機嫌は良くなっていってることがよくわかります。そのままキープ出来るようにダグと一緒にルリを褒めて褒めて褒めちぎり、やがてゴロゴロと喉を鳴らしながら擦り付いてくるまでになったルリに、僕とダグは任務完了とばかりにこっそりと1つ息をついたのでした。




**********



 お披露目のことは各国にも伝わっており、お披露目が済めば各国の王家からルリを是非とも我が国へ、という打診が殺到した。

 まぁ本当はこんなに率直なものじゃないんだけども。我が国には~のような名産品がありますよ。一回見に来てみませんか。みたいな感じなんだけど、まぁそれを簡単に訳せばうちの国に来て下さい。そしてあわよくばうちの国にとどまって力になって下さいってなわけで。神獣を無理矢理よこせって言ってるんじゃないしいいよね? 神獣が興味持って来たらこっちのもんだよね? みたいな?

 とりあえず届いた書簡にはザッと目を通して、ルリにも一応聞いてみたけど興味を持つものはなかったようだし、僕も本音が見え見えな国にはあまり行かせたくないので、使者の方には丁寧にお断りの文を書いて渡してそのままお帰りいただきました。

 まぁ帰っていただいてもまた違う国から違う使者がやってくるんですけどもね。あと同じ国からもちょっと内容を変えてまたやってきたりもしてます。しばらくはこの調子だろうなぁ……

 僕の時はロイ達が対応してくれてたんだけどもね、今回はルリは僕の庇護下に~ってことを宣言してしまったので、ルリに関することは僕とダグの担当になるのです。返す文書は僕達の紋章を捺したものでないとダメなのです……

 しばらく大変だろうからってレイがお仕事をお休みさせてくれてるんだけど、次から次へと来るからもう大変です。

「僕もう疲れた……同じことばっかり書くの飽きたよ……」

「ユキ様、書簡が……」

「はぁ……頑張りますか……」

 隠された真意を読み解きながら返事を書くのにはだいぶ飽きてきたけれど、やらないわけにはいきません。読むのは寝転がってても出来るから休み休み頑張ります……

「母様、僕他の国行こうか? そうしたら母様大変じゃなくなる?」

「だめだめ! ルリが行きたいって思ったら良いんだけどね、僕はルリに嫌なことはして欲しくないの。この書簡を届けてくる国は良い国ばかりじゃないと思うから、慎重にいかなくちゃ」

「でも母様、大変そう……」

 しゅん、と落ち込んだ様子のルリをわしわしと撫でる。相変わらずふわふわの毛並みがいい癒しです。

「大丈夫。僕にはルリもダグもいるから。ダグも手伝ってくれるからルリは何も気にしなくていいんだよ。でも、ルリが本当に興味を持ったところがあれば遠慮なく言ってね。僕達も考えるから」

「……ん、わかった。僕にも出来ることがあったら言ってね、母様」

「うん、ありがとう」

 言外に手伝うと言ってくれている優しいルリに抱きついて一頻り撫でて元気をチャージ! さぁ、もうひと頑張りしますか!!


 あ、ちなみにロイもロイで忙しいそうです。僕を呼べばつまり神獣も来るってこと? わぁ、一度で2度美味しいね! ぜひ神子をうちの国へ! っていうことらしいです。利用してやろうという思いが明け透けな国には僕は行きたいと思いませんよ……
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