嘆きの姫君-殺人教団と破壊神の侍女-

悪魔ベリアル

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【2】 -警護騎士シンハ、殺人教団と応敵す。-

■04■

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互いに剣を構え、一定の距離を保ったまま隙を伺い合う。
シンハは大きく脚を踏み出し、剣を上から下へ振るった。
ジャイラダは身体を傾け、その斬撃を交わす。

反射的にカウンターで、彼女は幅広剣を振る。
下から舐める様に襲い掛かる幅広剣。
シンハは身を反らせ、その刃先は胴鎧に当たり、高い音を立てた。

斬撃で伸びた彼女の腕へ、シンハは剣を持っていない腕を絡ませる。
ガッチリと組み合うと、シンハはジャイラダの脚を払った。
剣戟が来ると思っていた彼女は、不意をつかれバランスを崩した。
そのまま、体躯をひねりシンハは彼女を地面へと投げ落とす。

綺麗に投げ技が決まり、ジャイラダは背中から受け身もとれずに叩きつけられた。
にも拘わらず、彼女は転倒する最中に片足を身へ引き寄せる。
そして、地面へ叩きつけられると同時に、シンハの腹を力一杯に蹴り抜いた。
シンハが投げ技を行使した際、互いの体を引き寄せた事もあって
彼女の蹴りはシンハを間合いから引き剥がし、彼が追撃を仕掛ける事を阻止した。
ジャイラダは四つん這いで這って、慌ててシンハから距離をとる。

「ルドラッ!ルドラァっ!!」
「なぁにしてんだいっ!!」
「早くしなぁっ!!」

背中から叩き落され、衝撃で呼吸すらままならない状態であるにも関わらず
ジャイラダはルドラを大声で呼んだ。

「…!? 伏兵が居るのか…っ!?」
シンハは彼女が声をかけた方向へ視線を向ける。

旅団の進行方向、その少し先に一人の男が立っていた。
青白い形相をした、黒いローブを纏った見るからに魔術師な風貌。
その後ろには、数人の男達が何か作業をしていた。

彼等は、小さい布を継ぎ接ぎして造った、大きな布を地面へと敷いている。
敷いた布には、何か大きな文様が書き込まれている様にも見える。
シンハは布に描かれた文様が、魔法円だと直感的に気が付いた。

「魔法だっ!!」
「こいつらは、魔法を使うぞっ!!」
「アレを止めさせろっ!!早くっ!!」

シンハは剣を振って、ルドラの立つ方を指し示し、他の仲間たちへと指示を飛ばした。
危機を察した兵士は馬を駆け、一目散にルドラの方へと駆け出す。
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