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1.眠れる鴉を起こすのは
10.辺境伯との取引
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「これはこれは。随分と場違いなところに場違いな宝珠が転がっているねぇ…」
歓喜に満ちた声に、リュディガーは尚もヨシュカを背後に庇う。
しかしグリンデル伯にはそんなリュディガーの様子は全く目に入らないらしい。
ただ、ヨシュカの美貌にばかり目が入っているようだ。
「ご領主様。我らはしがない薬商人でこざいます。流行病に効く薬草を買い付け、これからまたとんぼ返りせねばなりませぬ」
クレメンスが深く平伏して促すものの、グリンデル伯はヨシュカに釘付けのままで、一切視線を外すことなく下卑た笑いを漏らしている。
おそらくその言葉も大して耳に入っていないだろう。
「しがない薬商人? そんなこと信じられないなぁ。君たちを捕らえて引き渡す代わりに魔導石を100個提供してくれるそうだよ?」
魔導石は貴重なものだ。
魔法の媒介として扱われるのはもちろん、純度が高ければ装飾品としての価値も高くなる。
100個もあれば、領地民の要所に充分に配布できるであろうが、この領主が己の領地民に対してそんなに優しい人物とは思えなかった。
「100個もいらないから、大きめの赤い魔導石を要求したけど、どうするかな……。稀少なものだから用意するのは難しいかな」
ぶつぶつと呟いていたものの、視線だけはヨシュカから外すことなく、それどころかやおら手を伸ばしてきた。
反射的にリュディガーは伸ばした手を払って叩き潰そうという動作を見せたが、一瞬先にその動きをヨシュカが制する。
『今はダメだ』
腕に当てられた手にはそんな意志が込められており、不本意ながらもリュディガーはその命に従った。
グリンデル伯はそんな二人のやりとりに気がついているのかいないのか。
いずれにしろ二人のやりとりは完全に無視して品定めするかのように顎を掴んで引き寄せた。
「それよりもこちらの方がいい気がして来たよ」
その瞳を覗き込み、涎を垂らさんばかりの勢いで笑みを浮かべる。
「こんな美しいアメジスト、そうは手に入らないよね」
身体を撫でる手の動作はナメクジが這い回る様を思い起こさせる。
首筋から背中、その後に臀部に至り、すらりと伸びた太腿を弄る。
そしてもう片方の手で目元から口元、まっすぐ鎖骨に降りて、平らな胸を確認する。
その様にリュディガーは今にも飛びかからんばかりの勢いだったが、前に立つヨシュカからは動くなといった意志がひしひしと感じられて、かろうじて踏みとどまっていた。
「ご領主殿。その者は治療のために隣国にいる医者のもとへ連れていくところです。一刻も早く連れていかねば手遅れになりますゆえ」
それでもなんとか状況を打破しようとクレメンスが間に入る。
「そうだね。魔法の効かないフロイデンの北部では医療が発達しているというからね。まあいい言い訳だよね」
下手な言い訳であることはクレメンスもわかっていただろう。
でも建前としてその理由を貫き通すしかないのだ。
「なあ薬屋。正直いうと私は魔導石だの金だのは必要ないんだよね。さらにいうなら領地がどうのとかもどうでもいいくらいなんだよ。ましてや領地での小競り合いなんて全く関心がない。そりゃあ要請があれば一応は対応を考えるよ? だって私は領主だから。きちんと務めを果たさないと、自分のしたいこともできなくなってしまうからね。本当に、私はただ、美しいものを愛でていたいだけなのにね」
グリンデル伯はぐふぐふと空気を含んだ笑い声をあげるや、べろりとヨシュカの頬を舐めた。
蠢く舌はまるで蛇のそれのように絡んでいく。
周囲がひどく焦り、怒りにかられそうになっているというのに、当の本人であるヨシュカはいたって平然としていた。
ただ、いつもは愛嬌を振りまいているヨシュカだが、この時ばかりは何を考えているのか全く読めなかった。
黙って立ち尽くし、されるがままになっている。だがそこに緊張感はなく、ただ『絶対に動くな』と強い視線で制してくる。
「じゃあ、俺を捕まえようとしていた魔法士は辺境伯の差し金ではないと?」
「領地で自由に捜査させてほしいとは頼まれたなぁ。なんでも己の領地で大罪を犯した親子がログ・ラーダに潜伏していて、それを追ってきたと」
随分な理由付けにリュディガーたちは心の中で怒りに震えていた。
大罪を犯したのはベアトリクス皇女たちを国から追い出すに至った犯人の方だ。
「私は寛容だからね。そういう理由なら仕方がないねと許可はした。動くのは魔法士一人だと聞いていたし、そのくらいなら気にする必要もない」
「依頼の相手の正体は?」
「さぁ? 私にはわからないよ。わかりたくもない。それに、その対価として十分なものを置いていったからねぇ」
辺境伯のすぐそばに立っていたヨシュカは、それがどんな『対価』だったのか容易に想像がついた。
それもそのはずで、辺境伯からは生々しいほどの雄のにおいと、ローブの下ほどに飛び散った白い跡が目に入ったからだった。
辺境伯が中心となるある噂。
グリンデル砦には見目麗しい少年少女が集められ、夜な夜な淫猥な宴が繰り広げられているという。
実際グリンデル辺境伯は幾人もの側室を持っているが、政略として差し出された側室たちは皆、華奢で成人したかしないかといった幼い容貌の持ち主ばかりだ。
フロイデンからも女王の義妹が嫁いでいるが、義妹が嫁いだのは10歳にも満たないときのことだったはずだ。
さすがに王室からの側室ともなれば丁重に扱われてはいたらしいが、グリンデル辺境伯の悪趣味な噂は隣国にまで轟くほどのものだった。
特に10代の少年には目がないと聞いた。
どうやらその噂が事実らしいとリュディガーたちもまざまざと思い知らされていた。
ヨシュカに対する視線や言動は下品な淫欲に塗れていたからだ。
「そちらの要求は?」
単刀直入な物言いに、グリンデル辺境伯は嬉々として食いついてきた。
「おぬしが残れば、そちらの北部の薬商人たちはすぐさま解放しよう」
それが、単にヨシュカだけを敵に引き渡すという意味なのか、単なる戯言なのか、そこは問題じゃない。
問題なのは、どこに転がっても辺境伯がヨシュカを貪り尽くすつもりの提案だということだ。
値踏みするような視線を真正面から受けてヨシュカは黙り込んだ。
上から下までグリンデル辺境伯を見つめる。
「おぬしには選択肢はない。ワシに委ねるしかなかろう?」
「でもその約束を間違いなく守ってくれる保証はないよね」
ヨシュカの言い分にグリンデル辺境伯は予測していたと言わんばかりに口を開いた。
「誓約の魔法を課すとしよう。ただし、ワシとこの奥で一晩過ごした後でな」
「ふざけるな!」
カッとなって咄嗟に怒号を吐き出したリュディガーの両手両足にすさまじい電撃が走る。
あまりの衝撃にリュディガーはその場に倒れ込んだ。
「──っっっ!!」
伏して、それでも立ち上がろうとするものの、なかなかうまくいかない。
倒れ込むリュディガーを見下ろす視線は、力ない弱き虫を見るような視線だった。
それこそヒキガエルに睨まれた小さな昆虫のように、リュディガーは何もできずにいた。
「いつもはもう少し弱くして、閨で使っているのだよ。まぁ今回は北部の者用に強めに設定しておいたのだが……、ふむ。さすがだなぁ。普通ならば死んでてもおかしくない強さだったはずなんだけど」
身動きが取れず、ただ鋭い視線を投げるだけのリュディガーにできることは何もなかった。
自分の無力さを突きつけられて、何もできず、ただ見ているしかない。
これ以上の屈辱はなかった。
ミハエルが慌てて駆け寄り、助け起こす。
リュディガーが受けた衝撃はかなりのもので、身動き一つとれない──はず、だった。
「……、ぇせ」
つぶやくそれが、何を言おうとしているのか、グリンデル辺境伯の背後で見ていたヨシュカは理解したのだろう。
そこまでしても『返せ』と敵愾心を向けるリュディガーにあきれたような笑みを浮かべた。
ヨシュカはグリンデル辺境伯に少し待つように伝え、伏しているリュディガーのもとへと戻った。
「無茶をする」
無茶をさせている原因はお前だろう。
そう言いたかったが叶わない。
リュディガーの心配を感じ取っているのだろう。言い聞かせるように耳元で囁く。
「大丈夫。話をしてくるだけだ。──リュディガーの思うようなことはない。絶対に」
思うようなことっていったいなんだよ。
力はほとんど入らなかったが、それでも咄嗟に腕をつかんだ。
声を発することはできなかったが、その分だけつかんだ手に気持ちを込めた。
行くな。お願いだから。
必死でそう訴えかけていたのに、ヨシュカは聞き入れてくれなかった。
ゆるりとリュディガーから離れ、また、グリンデル辺境伯のもとへと戻っていく。
ヨシュカは舐めるような視線を真っ向から受けて、目の前で足を止めた。
さながら悪い魔物につかまるお姫様といった体。
「条件については詳しく交渉させてくれるかな」
「いいねぇ。さあ、奥へ」
弾力のある手を差し出され、ヨシュカは迷わずその手を取った。
歓喜に満ちた声に、リュディガーは尚もヨシュカを背後に庇う。
しかしグリンデル伯にはそんなリュディガーの様子は全く目に入らないらしい。
ただ、ヨシュカの美貌にばかり目が入っているようだ。
「ご領主様。我らはしがない薬商人でこざいます。流行病に効く薬草を買い付け、これからまたとんぼ返りせねばなりませぬ」
クレメンスが深く平伏して促すものの、グリンデル伯はヨシュカに釘付けのままで、一切視線を外すことなく下卑た笑いを漏らしている。
おそらくその言葉も大して耳に入っていないだろう。
「しがない薬商人? そんなこと信じられないなぁ。君たちを捕らえて引き渡す代わりに魔導石を100個提供してくれるそうだよ?」
魔導石は貴重なものだ。
魔法の媒介として扱われるのはもちろん、純度が高ければ装飾品としての価値も高くなる。
100個もあれば、領地民の要所に充分に配布できるであろうが、この領主が己の領地民に対してそんなに優しい人物とは思えなかった。
「100個もいらないから、大きめの赤い魔導石を要求したけど、どうするかな……。稀少なものだから用意するのは難しいかな」
ぶつぶつと呟いていたものの、視線だけはヨシュカから外すことなく、それどころかやおら手を伸ばしてきた。
反射的にリュディガーは伸ばした手を払って叩き潰そうという動作を見せたが、一瞬先にその動きをヨシュカが制する。
『今はダメだ』
腕に当てられた手にはそんな意志が込められており、不本意ながらもリュディガーはその命に従った。
グリンデル伯はそんな二人のやりとりに気がついているのかいないのか。
いずれにしろ二人のやりとりは完全に無視して品定めするかのように顎を掴んで引き寄せた。
「それよりもこちらの方がいい気がして来たよ」
その瞳を覗き込み、涎を垂らさんばかりの勢いで笑みを浮かべる。
「こんな美しいアメジスト、そうは手に入らないよね」
身体を撫でる手の動作はナメクジが這い回る様を思い起こさせる。
首筋から背中、その後に臀部に至り、すらりと伸びた太腿を弄る。
そしてもう片方の手で目元から口元、まっすぐ鎖骨に降りて、平らな胸を確認する。
その様にリュディガーは今にも飛びかからんばかりの勢いだったが、前に立つヨシュカからは動くなといった意志がひしひしと感じられて、かろうじて踏みとどまっていた。
「ご領主殿。その者は治療のために隣国にいる医者のもとへ連れていくところです。一刻も早く連れていかねば手遅れになりますゆえ」
それでもなんとか状況を打破しようとクレメンスが間に入る。
「そうだね。魔法の効かないフロイデンの北部では医療が発達しているというからね。まあいい言い訳だよね」
下手な言い訳であることはクレメンスもわかっていただろう。
でも建前としてその理由を貫き通すしかないのだ。
「なあ薬屋。正直いうと私は魔導石だの金だのは必要ないんだよね。さらにいうなら領地がどうのとかもどうでもいいくらいなんだよ。ましてや領地での小競り合いなんて全く関心がない。そりゃあ要請があれば一応は対応を考えるよ? だって私は領主だから。きちんと務めを果たさないと、自分のしたいこともできなくなってしまうからね。本当に、私はただ、美しいものを愛でていたいだけなのにね」
グリンデル伯はぐふぐふと空気を含んだ笑い声をあげるや、べろりとヨシュカの頬を舐めた。
蠢く舌はまるで蛇のそれのように絡んでいく。
周囲がひどく焦り、怒りにかられそうになっているというのに、当の本人であるヨシュカはいたって平然としていた。
ただ、いつもは愛嬌を振りまいているヨシュカだが、この時ばかりは何を考えているのか全く読めなかった。
黙って立ち尽くし、されるがままになっている。だがそこに緊張感はなく、ただ『絶対に動くな』と強い視線で制してくる。
「じゃあ、俺を捕まえようとしていた魔法士は辺境伯の差し金ではないと?」
「領地で自由に捜査させてほしいとは頼まれたなぁ。なんでも己の領地で大罪を犯した親子がログ・ラーダに潜伏していて、それを追ってきたと」
随分な理由付けにリュディガーたちは心の中で怒りに震えていた。
大罪を犯したのはベアトリクス皇女たちを国から追い出すに至った犯人の方だ。
「私は寛容だからね。そういう理由なら仕方がないねと許可はした。動くのは魔法士一人だと聞いていたし、そのくらいなら気にする必要もない」
「依頼の相手の正体は?」
「さぁ? 私にはわからないよ。わかりたくもない。それに、その対価として十分なものを置いていったからねぇ」
辺境伯のすぐそばに立っていたヨシュカは、それがどんな『対価』だったのか容易に想像がついた。
それもそのはずで、辺境伯からは生々しいほどの雄のにおいと、ローブの下ほどに飛び散った白い跡が目に入ったからだった。
辺境伯が中心となるある噂。
グリンデル砦には見目麗しい少年少女が集められ、夜な夜な淫猥な宴が繰り広げられているという。
実際グリンデル辺境伯は幾人もの側室を持っているが、政略として差し出された側室たちは皆、華奢で成人したかしないかといった幼い容貌の持ち主ばかりだ。
フロイデンからも女王の義妹が嫁いでいるが、義妹が嫁いだのは10歳にも満たないときのことだったはずだ。
さすがに王室からの側室ともなれば丁重に扱われてはいたらしいが、グリンデル辺境伯の悪趣味な噂は隣国にまで轟くほどのものだった。
特に10代の少年には目がないと聞いた。
どうやらその噂が事実らしいとリュディガーたちもまざまざと思い知らされていた。
ヨシュカに対する視線や言動は下品な淫欲に塗れていたからだ。
「そちらの要求は?」
単刀直入な物言いに、グリンデル辺境伯は嬉々として食いついてきた。
「おぬしが残れば、そちらの北部の薬商人たちはすぐさま解放しよう」
それが、単にヨシュカだけを敵に引き渡すという意味なのか、単なる戯言なのか、そこは問題じゃない。
問題なのは、どこに転がっても辺境伯がヨシュカを貪り尽くすつもりの提案だということだ。
値踏みするような視線を真正面から受けてヨシュカは黙り込んだ。
上から下までグリンデル辺境伯を見つめる。
「おぬしには選択肢はない。ワシに委ねるしかなかろう?」
「でもその約束を間違いなく守ってくれる保証はないよね」
ヨシュカの言い分にグリンデル辺境伯は予測していたと言わんばかりに口を開いた。
「誓約の魔法を課すとしよう。ただし、ワシとこの奥で一晩過ごした後でな」
「ふざけるな!」
カッとなって咄嗟に怒号を吐き出したリュディガーの両手両足にすさまじい電撃が走る。
あまりの衝撃にリュディガーはその場に倒れ込んだ。
「──っっっ!!」
伏して、それでも立ち上がろうとするものの、なかなかうまくいかない。
倒れ込むリュディガーを見下ろす視線は、力ない弱き虫を見るような視線だった。
それこそヒキガエルに睨まれた小さな昆虫のように、リュディガーは何もできずにいた。
「いつもはもう少し弱くして、閨で使っているのだよ。まぁ今回は北部の者用に強めに設定しておいたのだが……、ふむ。さすがだなぁ。普通ならば死んでてもおかしくない強さだったはずなんだけど」
身動きが取れず、ただ鋭い視線を投げるだけのリュディガーにできることは何もなかった。
自分の無力さを突きつけられて、何もできず、ただ見ているしかない。
これ以上の屈辱はなかった。
ミハエルが慌てて駆け寄り、助け起こす。
リュディガーが受けた衝撃はかなりのもので、身動き一つとれない──はず、だった。
「……、ぇせ」
つぶやくそれが、何を言おうとしているのか、グリンデル辺境伯の背後で見ていたヨシュカは理解したのだろう。
そこまでしても『返せ』と敵愾心を向けるリュディガーにあきれたような笑みを浮かべた。
ヨシュカはグリンデル辺境伯に少し待つように伝え、伏しているリュディガーのもとへと戻った。
「無茶をする」
無茶をさせている原因はお前だろう。
そう言いたかったが叶わない。
リュディガーの心配を感じ取っているのだろう。言い聞かせるように耳元で囁く。
「大丈夫。話をしてくるだけだ。──リュディガーの思うようなことはない。絶対に」
思うようなことっていったいなんだよ。
力はほとんど入らなかったが、それでも咄嗟に腕をつかんだ。
声を発することはできなかったが、その分だけつかんだ手に気持ちを込めた。
行くな。お願いだから。
必死でそう訴えかけていたのに、ヨシュカは聞き入れてくれなかった。
ゆるりとリュディガーから離れ、また、グリンデル辺境伯のもとへと戻っていく。
ヨシュカは舐めるような視線を真っ向から受けて、目の前で足を止めた。
さながら悪い魔物につかまるお姫様といった体。
「条件については詳しく交渉させてくれるかな」
「いいねぇ。さあ、奥へ」
弾力のある手を差し出され、ヨシュカは迷わずその手を取った。
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