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第4話 カクちゃんの厄日
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1週間前ことは夢だったのだろうか?
すごい事件があったのに切断された電車はあっと言う間に撤去され、もう平常運行に戻っている
電車事故の起きた駅近くにある、チトセ高校にアズとカナは通っている
「あーヒマ! なんか毎日って退屈だよね」
「そんなことないよ、私まだこの前のこと思い出すと怖くなっちゃってさ」
カクミに助けてもらったあの日のその後、目覚めた男に色々と問いただした
男は名前をツガマといい、年齢は39歳の会社員だった
仕事のストレスでおかしくなってしまったと言って、起きてからはずっと低姿勢だった
能力はみんなひと月くらい前の夜に起きた大きな音と光の後から使えるようになってるようだ
「ツガマの事に夢中になっちゃってカクちゃんの事あんまり聞けなかったね」
「うん、カクミさん見様見真似だけなのにさ、私達の能力以上に使いこなしちゃってすごいよね、カッコよかった」
「あれから連絡とか取ってる? あたしカクちゃんに何度かメールしたけど無視されるんだけど……」
「えっ……えーと、たまにメール来るよ……」
「へぇそうなの! ねぇねぇ見せてよ」
「あっ、ちょ、ダメだよ」
アズはカナのケータイを強引に奪った
どれどれ
『23:20
こんにちは、俺は今、テレビを見ています!カナさんはどんなテレビが好きですか?
もしかしてテレビとか見ない人ですか?
だったらごめんね
カナさんは好きな俳優とかいるんですか?
』
アズは吹き出した
「なにこれウケる! 質問攻めじゃん、しかも夜の11時に送って『こんにちは』って、キモぉ」
「ちょ、ちょっと、そんなこと言ったら失礼だよ! 勝手に見といてさ」
「カクちゃんカナに気があるんじゃない? カナああいうネクラっぽいタイプにモテるからなぁ」
「いいすぎ! カクミさんそんな気ないよ、アズがそんな態度だから返事しなくなっちゃっただけだよ、きっと」
「せっかくだからカクちゃんの職場遊び行っちゃおうか」
「えっ?迷惑だよ、職場だって知らないし」
「カナのメールで聞いてみよう! それですぐ返事来たら会いに行ってあげましょう!」
アズは勝手にカナのケータイでカクミにメールを打ち出した
「アズ! やりすぎ! まぁ仕事だし返事なんてすぐ来ないだろうけど、後から返事来たら私が返事するの困るよぉ」
「あっ送信しちゃった」
「えーほんとに?」
「まぁ仕事してるんだし、そんなすぐには返事なんて……」
ブーブーブー
カナのケータイがすぐ反応した
『メールありがとう☆
隣駅にあるフナバシステムって会社だよ~
今日も頑張ってるよー』
「来たね……」
【フナバシステム入口前】
「ねぇアズ、帰ろうよぉ……迷惑になっちゃうよ」
カナは頻繁に周りを見渡していた
雑居ビル一階の大きなフロアがフナバシステムで使用されているようだ
入口に会社の看板がかけられていて、内線電話が置かれている
「もぉカナちゃん何気にしてんのよ、遊び行ったからって勘違いされる訳じゃないから大丈夫だって」
「そういう訳じゃないんだけどさ……やっぱ悪いと思ってさ、制服のままでいきなり行ったらカクミさん変な目でみられちゃうんじゃないかって……」
「へーきへーき、多分あの人元々変な目で見られてるでしょ」
アズはたまにするどい
人をよく観察しているタイプのようだ
アズは内線の受話器を手に取った
「わわわ、ア、アズ!?」
「ここまで来たんだから話しして帰ろうよ」
ガチャ
受付が電話に出る前に扉が開いた
中から坊主頭のガタイのいい男にエリを引っ張られてカクミが連れられてきた
「カクミ、テメエ仕事中だってのにスマホゲームばかりやりやがって! やる気あんのか!」
「すいません係長…」
めちゃくちゃ怒られてる……
アズ達にも気付いてない……
「いつも出勤も遅いし、この前は突然帰るわでみんな呆れてるぞ」
カクミの目が泳いでる、返す言葉がないようだ
あっ
泳いだ目の先でカナとチラッと目が合ってしまった……
「なんで、こんなところに?」
「カクミ!お前はそうやっていつも訳のわからないことを言ってその場を逃げようとする……そんなことでどうするんだ」
高校生達でもかわいそうになるくらいどうしようもないことで怒られてる……
その時だった
「たのもーう!」
オフィスの入口に大声が響いた
頼もう? この時代に道場やぶりか?
と言う前にここはオフィスだ
大声を出した男はフナバシステムの入口前で自信満々に立ちつくした
「すいません、うちにどういう御用ですか?」
係長がその男に近寄った時に、男は手から棒状のオーラをだして係長の頭に一撃を入れた
係長は泡をふいて気を失った
「こんな一撃も防げないのか、この前の強いオーラはどこへ、ってあれ?」
男はカクミの方へ振り向いた
「この前の奴はお前か……間違えた…」
【フナバシステム近くの喫茶店】
カクミ、アズ、カナはカクミを探してたと思われる男を連れて喫茶店に来ていた
カクミはうなだれている
「カクちゃん、なんかごめんね、あたし達が来たせいで変な事になっちゃった……」
アズの精一杯のフォローだった
係長はアズがすぐ手当して特に後遺症はないだろう、が、カクミは気が気じゃなかった
(クビかもしれない…)
理不尽なことを言われたり、やらされたりすることもあってもカクミは今の職場が好きだった、やめさせられるのなんて嫌だ……そもそもいきなりやってきたなこの男は何者だ?
「上司をいきなり攻撃したことは謝ろう、すまん!」
喫茶店中に響く大声で男は何者謝罪した
それを聞いてアズがテーブルを叩いて立ち上がった
「う、る、さ、い!ボリューム考えて話しなさいよ、まずアンタ何者なのよ?」
男は、口に空気を含み頬を膨らまし、大きく息を吐いた
「俺はキョウドウという者だ、今日はカクミ君に挑戦しにきた……はずだったんだが」
「挑戦って……だからって道場やぶりみたいなことをする必要ないでしょ!」
「至急強さを知る必要があった、もし強ければスカウトをするつもりだったのだ」
キョウドウは出されたコーヒーを一気に飲み干した
「バカな俺でも今日は場違いだとわかる、出直す」
「あの……スカウトっていうのは、カクミさんは何をしているところにスカウトされるんですか?」
ずっと黙っていたカナが問いかけた
「正直なところ俺にも詳しいことは分からない、ただ強い組織にしたい、それが目的だ」
「バカみたい……カクちゃんどーするの?」
目的もなにもわからない話にアズは呆れてしまった
「クビは嫌だ…クビは…」
ただカクミはそれどころじゃなかった
「ご覧の通りカクちゃんは余裕ないみたい、まあこんなスカウトにのるタイプじゃないと思うけど」
「それなら仕方ないさ、今回は俺の独断で来てるからその内、うちのリーダーが来るかもな、その時でもかまわない!
とりあえず今回はすまなかったな、ここの代金は俺が出すから先に帰ってくれ」
キョウドウは屈託のない笑顔をみせた
すごい事件があったのに切断された電車はあっと言う間に撤去され、もう平常運行に戻っている
電車事故の起きた駅近くにある、チトセ高校にアズとカナは通っている
「あーヒマ! なんか毎日って退屈だよね」
「そんなことないよ、私まだこの前のこと思い出すと怖くなっちゃってさ」
カクミに助けてもらったあの日のその後、目覚めた男に色々と問いただした
男は名前をツガマといい、年齢は39歳の会社員だった
仕事のストレスでおかしくなってしまったと言って、起きてからはずっと低姿勢だった
能力はみんなひと月くらい前の夜に起きた大きな音と光の後から使えるようになってるようだ
「ツガマの事に夢中になっちゃってカクちゃんの事あんまり聞けなかったね」
「うん、カクミさん見様見真似だけなのにさ、私達の能力以上に使いこなしちゃってすごいよね、カッコよかった」
「あれから連絡とか取ってる? あたしカクちゃんに何度かメールしたけど無視されるんだけど……」
「えっ……えーと、たまにメール来るよ……」
「へぇそうなの! ねぇねぇ見せてよ」
「あっ、ちょ、ダメだよ」
アズはカナのケータイを強引に奪った
どれどれ
『23:20
こんにちは、俺は今、テレビを見ています!カナさんはどんなテレビが好きですか?
もしかしてテレビとか見ない人ですか?
だったらごめんね
カナさんは好きな俳優とかいるんですか?
』
アズは吹き出した
「なにこれウケる! 質問攻めじゃん、しかも夜の11時に送って『こんにちは』って、キモぉ」
「ちょ、ちょっと、そんなこと言ったら失礼だよ! 勝手に見といてさ」
「カクちゃんカナに気があるんじゃない? カナああいうネクラっぽいタイプにモテるからなぁ」
「いいすぎ! カクミさんそんな気ないよ、アズがそんな態度だから返事しなくなっちゃっただけだよ、きっと」
「せっかくだからカクちゃんの職場遊び行っちゃおうか」
「えっ?迷惑だよ、職場だって知らないし」
「カナのメールで聞いてみよう! それですぐ返事来たら会いに行ってあげましょう!」
アズは勝手にカナのケータイでカクミにメールを打ち出した
「アズ! やりすぎ! まぁ仕事だし返事なんてすぐ来ないだろうけど、後から返事来たら私が返事するの困るよぉ」
「あっ送信しちゃった」
「えーほんとに?」
「まぁ仕事してるんだし、そんなすぐには返事なんて……」
ブーブーブー
カナのケータイがすぐ反応した
『メールありがとう☆
隣駅にあるフナバシステムって会社だよ~
今日も頑張ってるよー』
「来たね……」
【フナバシステム入口前】
「ねぇアズ、帰ろうよぉ……迷惑になっちゃうよ」
カナは頻繁に周りを見渡していた
雑居ビル一階の大きなフロアがフナバシステムで使用されているようだ
入口に会社の看板がかけられていて、内線電話が置かれている
「もぉカナちゃん何気にしてんのよ、遊び行ったからって勘違いされる訳じゃないから大丈夫だって」
「そういう訳じゃないんだけどさ……やっぱ悪いと思ってさ、制服のままでいきなり行ったらカクミさん変な目でみられちゃうんじゃないかって……」
「へーきへーき、多分あの人元々変な目で見られてるでしょ」
アズはたまにするどい
人をよく観察しているタイプのようだ
アズは内線の受話器を手に取った
「わわわ、ア、アズ!?」
「ここまで来たんだから話しして帰ろうよ」
ガチャ
受付が電話に出る前に扉が開いた
中から坊主頭のガタイのいい男にエリを引っ張られてカクミが連れられてきた
「カクミ、テメエ仕事中だってのにスマホゲームばかりやりやがって! やる気あんのか!」
「すいません係長…」
めちゃくちゃ怒られてる……
アズ達にも気付いてない……
「いつも出勤も遅いし、この前は突然帰るわでみんな呆れてるぞ」
カクミの目が泳いでる、返す言葉がないようだ
あっ
泳いだ目の先でカナとチラッと目が合ってしまった……
「なんで、こんなところに?」
「カクミ!お前はそうやっていつも訳のわからないことを言ってその場を逃げようとする……そんなことでどうするんだ」
高校生達でもかわいそうになるくらいどうしようもないことで怒られてる……
その時だった
「たのもーう!」
オフィスの入口に大声が響いた
頼もう? この時代に道場やぶりか?
と言う前にここはオフィスだ
大声を出した男はフナバシステムの入口前で自信満々に立ちつくした
「すいません、うちにどういう御用ですか?」
係長がその男に近寄った時に、男は手から棒状のオーラをだして係長の頭に一撃を入れた
係長は泡をふいて気を失った
「こんな一撃も防げないのか、この前の強いオーラはどこへ、ってあれ?」
男はカクミの方へ振り向いた
「この前の奴はお前か……間違えた…」
【フナバシステム近くの喫茶店】
カクミ、アズ、カナはカクミを探してたと思われる男を連れて喫茶店に来ていた
カクミはうなだれている
「カクちゃん、なんかごめんね、あたし達が来たせいで変な事になっちゃった……」
アズの精一杯のフォローだった
係長はアズがすぐ手当して特に後遺症はないだろう、が、カクミは気が気じゃなかった
(クビかもしれない…)
理不尽なことを言われたり、やらされたりすることもあってもカクミは今の職場が好きだった、やめさせられるのなんて嫌だ……そもそもいきなりやってきたなこの男は何者だ?
「上司をいきなり攻撃したことは謝ろう、すまん!」
喫茶店中に響く大声で男は何者謝罪した
それを聞いてアズがテーブルを叩いて立ち上がった
「う、る、さ、い!ボリューム考えて話しなさいよ、まずアンタ何者なのよ?」
男は、口に空気を含み頬を膨らまし、大きく息を吐いた
「俺はキョウドウという者だ、今日はカクミ君に挑戦しにきた……はずだったんだが」
「挑戦って……だからって道場やぶりみたいなことをする必要ないでしょ!」
「至急強さを知る必要があった、もし強ければスカウトをするつもりだったのだ」
キョウドウは出されたコーヒーを一気に飲み干した
「バカな俺でも今日は場違いだとわかる、出直す」
「あの……スカウトっていうのは、カクミさんは何をしているところにスカウトされるんですか?」
ずっと黙っていたカナが問いかけた
「正直なところ俺にも詳しいことは分からない、ただ強い組織にしたい、それが目的だ」
「バカみたい……カクちゃんどーするの?」
目的もなにもわからない話にアズは呆れてしまった
「クビは嫌だ…クビは…」
ただカクミはそれどころじゃなかった
「ご覧の通りカクちゃんは余裕ないみたい、まあこんなスカウトにのるタイプじゃないと思うけど」
「それなら仕方ないさ、今回は俺の独断で来てるからその内、うちのリーダーが来るかもな、その時でもかまわない!
とりあえず今回はすまなかったな、ここの代金は俺が出すから先に帰ってくれ」
キョウドウは屈託のない笑顔をみせた
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