全てに干渉する能力を手に入れた俺はこの世界の管理者になることを決めました

ゆに

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第8話 反逆

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ラビットタワー地下の一室にサンゲン専用の待機室が用意されている

他の部屋は質素な最低限の家具や機材のみだが、この部屋には熱帯魚や、リラックス用の高級ソファ、サンゲンの趣味の本や楽器なども置いてある
ここに入るのが許されているのは幹部でもカミウマだけだ

そこでサンゲンとカミウマが会話をしていた
「直ったのか?」
カミウマはサンゲン用の社長椅子に座りサンゲンに身を向け言った

サンゲンは直径15センチほどの水晶を持ち眺めていた
「ヒビは全てなくなった、これからは使い放題だ」
少し口角が上がっていた


別室では、セタ、アズとキョウドウがいた

セタとアズはパイプ椅子に座り向き合っていた

セタがアズの目を見ながら
「お前はこれから俺たちの為だけに生きてく、今からこれまで生きてきた記憶全てを消してやるからな」
と言った

「はい」
アズは小さい声で返事した
アズは瞳孔が開いており、椅子に綺麗に座ったまま動こうとしなかった

セタは目で見た者を洗脳する能力を持っている、ただしオーラが強いと洗脳する能力が弾かれてしまうため誰にでも使えるというわけではないようだ

キョウドウは疑問を感じていた
今後の組織のため必要な事だとしてもなんの罪もない高校生にこんな事をしていいのだろうか

昔のサンゲンと話した時のことを思い出した

『100万人を救うために1人の犠牲が出てしまうことはある』

あの時俺は、サンゲンに食ってかかった

その1人も守るのが正義じゃないのか、と……


この娘さえいれば、組織は安泰らしい……
それは100万人を守ることに繋がるはず

じゃあこの娘はどうなる……


『正義』だ……これは『正義』なんだ……


ん?

気配を感じた、誰か来る
部屋のドアが開く

トドロキが部屋に入ってきた
「侵入者だ」

カナとツガマが部屋に押し込まれた

また今日あった娘だ

キョウドウは驚きが隠しきれなかった

カナとツガマは入口での戦闘で体力を使い果たし、その後すぐに捕まってしまったようだ

2人ともほぼ動けなかっため、捕縛もされず連れてこられていた

「こんな奴らでも下っ端がひとりやられたみたいだ、サンゲンは明日の準備で忙しいだろう、セタ、こいつらも記憶飛ばしてくれよ」
トドロキはそう言って部屋を出ていった

「めんどくせぁなぁ……」
セタは何かと押し付けられる面倒ごとが気に入ってないようだ


カナはフラつきながら立ち上がった

トドロキに反抗することも出来なかったことが悔しかった、がもう対抗する気力が残ってなかった……

連れてこられたこの部屋はどこなんだろう?

部屋を見渡して、アズに気づいた

体が無意識に動いていた

「アズ!」

カナがアズに触れるも、前を向いたままだった

「返事をしてよ!」

カナはアズに必死に声をかけていた

アズはカナに揺さぶられても全く反応しない、カナの声を聞いても聞こえてすらいないように反応がなかった

「キョウドウさん、これがあなたのしたかった事なんですか?」

カナの声がキョウドウに突き刺さった

「うるせぇなぁ、黙ってろよ」
セタがカナの顔を見た

目が逸らさない……

カナはセタと目を合わすしかなかった

意識が……薄れ……て……

カナの目から生気が失われていく

ツガマはオーラも残っておらず、動くこともままならない、見てられずに目を逸らしていた

そんなツガマの耳に何かが切断される音が聞こえた

なんの音だ?

顔をあげるとキョウドウがオーラで出来た棒を振りかざしていた

カナの顔に生気が戻った

「俺のオーラソードはオーラを切断する」
キョウドウは自身のオーラで作った棒をオーラソードと呼んでるようだ

「キョウドウ……てめぇなんのマネだ」
セタがキョウドウに掴みかかろうとしたとき

キョウドウはオーラソードでセタの胴を撃ち抜いた

セタはドアもろともドア越しの壁にぶち当たった

「これが俺の正義だ……」
キョウドウがオーラソードを強く握りしめた
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