全てに干渉する能力を手に入れた俺はこの世界の管理者になることを決めました

第２７話 兆し

シーナはペディ、マニィと戦っていた

２人を傷つけないように攻撃を回避するのみで自分から攻めることはなかった

薬を神宝具を大量に塗ったペディとマニィは攻撃の威力を増し確実にシーナを殺すため、より強引に攻めてくるようになっていた

マニィがシーナに飛びかかってきた

基本も何もない、がむしゃらな攻撃で回避は容易かった

シーナが回避し、マニィの攻撃の手は地面に当たった

ボォォォォン

マニィの攻撃に触れた地面は爆発するかのように深くえぐれ舞い上がった

当たればやばい攻撃ね…
シーナは冷静に分析していた

「スバヤイ……シーナ……」

言葉もカタコトになりはじめている

「タリナイ……モット…ツケナクチャ」

マニィが手を痙攣させながら、神宝具を手に塗ろうとした

ダメ！

シーナはマニィに右手の中指の指輪を向けた

シーナが中指の指輪にオーラを込めると、指輪に着いた宝石が輝きだした

マニィはシーナの行動に目もくれず手に神宝具を塗ろうとしていた時だった

マニィの持つ神宝具を中心に氷塊が現れた

氷塊はマニィの腕も巻き込み、マニィは塗ることができなくなった

「やった、これでもう塗れない」

そばで見ているソーマはシーナの見たことのない能力に驚いていた

あいかわらずなんでもありの女だ……
ソーマは神宝具をなんでも使いこなせるシーナに対してナイフしか使えないことに情けなくなった……


シーナはそのまま気を抜かず、ペディに目を配った


ペディは移動しようとしているが、足がほつれてまともに歩けなくなっている、過剰な能力のツケがきているようだ

「ペディ、もうやめて！」


「シーナ……オマエサエ…」

「オマエがイナケレバ！」


ペディのオーラが増大した

「ペディ本当にダメ！ 命を削ってるんだよ！」

増大したオーラは生命力を燃料に報酬しているものだった

ペディと合わせるようにマニィもオーラが増加する

「なんで…… なんでなの……」

シーナはどうすることもできない自分が悲しかった


ソーマがシーナのことを飛び越し、ペディの前に出た

「ペディ！ これまでのうらみだ！」

そういうとペディに向けてナイフを投げた

ペディは簡単にナイフを交わし、超スピードでソーマ蹴りを入れた


ゲフッ

ソーマの腹に蹴りが入り、ソーマは血を吐いた


「バカ！何やってるの！」

シーナがソーマに叫ぶ


「グゥ……」

ペディが妙な声をだした

蹴りを入れたはずのペディの足がソーマに抱えられている

「バカはお前だ……シーナ」

そういうとソーマはペディの持っている神宝具の小瓶に手を伸ばした


ペディは奪われないように移動しようとするがソーマが邪魔で思うように動けなかった


「ジャマダ！」

ソーマはペディに蹴り飛ばされた


ソーマは地面にバウンドしながら転がって木にぶつかった


木から木の葉がまっていった

シーナがソーマに駆け寄ろうとしたとき

「来るな！」

ソーマがシーナを止めた

「俺のことなんかどうだっていい… 俺にはできなくてもシーナにならできることがあるだろ……」


私にならできること

シーナは立ち止まった


「ソーマ…ありがと」


ペディの方を向いた

ペディはシーナをみて、向かってきた


「ごめんね、ペディ」


シーナは右手を振った

人差し指にはめた指輪の宝石が光っている


シーナの足元からペディに向けて地面が裂けだした

突然足元が割れてペディは体制を崩した


「ナニィ！」

ペディが声をあげた


ペディの足に氷塊が現れ動けなくなってしまった

「最初からこうしとけばよかったんだ」

シーナはペディに近づく

ペディの腕を抑えて、持っていた神宝具を取りあげた

「はじめからこうしとけばよかった」

シーナはペディの神宝具を自分の腰に巻いたポーチにしまった

ペディはジタバタと暴れている


これならペディはしばらくは大丈夫か……

マニィはどうしよう


まだ、手の氷塊が溶けずにマニィもばたついている

「なんか、あっけなく終わっちゃった……のかな」

ソーマも起き上がって呆気にとられていた

「……俺…体張った意味なかったかな……」

ソーマはペディを見た

「回復できないのかな…？」


ジタバタと暴れているペディとマニィを見て胸が痛くなっていた


シーナは悩んでいた

「ソーマにつけた神宝具じゃこの２人は治せないし……様子見しかないか……」



「僕がなんとかしようか」

黒い煙が舞い上がり、そこから、先程までカクミと戦っていた子供が現れた

いきなり現れた子供にシーナは警戒した


子供だけどすごいオーラ……
この子が姐さん達に何かしたの？


「嫌だなぁ……さっきから変に警戒されちゃって」