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新生!華神一族の襲来
16P
しおりを挟む「孤月、お前何を迷っている?俺を殺すつもりにしては急所を狙っていないし、攻撃が甘い」
肩から流れ出る血を気にせず孤月さんの目の前まで距離を詰めた和之さんが、ブンッと小太刀を振るう。大丈夫、急所は狙ってない。
「僕はずっとあんたが嫌いや、和之さん。僕に向けられる目がいっつも恐ろしゅうて、もしかしてバレてるんやないかって思うとった」
「目つきが悪いのは生まれつきだっ」
「……いや、鋭すぎるんやって。それにあんた、異常なまでも常に実秋さんにくっついとるから引くわ」
「側近なのだから当たり前だろう」
「どうやって実秋さんに近づこうかずっと悩んどった。でも、まさか本人がわざとあんたを遠ざけるとは思わんかったわ」
2人は互角の攻防を繰り返し、少しずつお互いの傷が増えていく。俺にもわかる。和之さんはともかく、孤月さんも手加減をしている。
しかもだんだん苦しそうな表情に変わってきて、攻撃も荒くなる。投げた手裏剣は和之さんにかすりもしないし、殴りつけても力が入ってない。
「ねぇ、何してるの?そんな無駄口叩かないでさっさと殺せよ。あの時みたいに、さぁ!?」
ヒュンッと男が投げた手裏剣が孤月さんの腕に刺さり、彼女はビクンッと!体を震わせた。
どうして?男と孤月さんは味方、ましてや双子の姉弟なのに。なんでそんな簡単に傷つけられるんだ?
頑張って顔を上げ男を見上げると、彼はもう笑ってはいなかった。何の感情も映っていない冷たい目を、鋭利な刃物のような視線を彼女に向けていた。
支配者だ。俺はそう直感した。彼の声に、目に怯える孤月さんは、ガタガタと震える手で小刀を握り締め和之さんに向けて構える。
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