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月子の取扱説明書
3P
しおりを挟むチユニの向かいに座っている、明らかに体調不良そうな男の子は神之邑ハクト。1人挟んだその右隣で大人げなくチユニに構ってもらおうとハクトのご飯を奪い必死になっているのは、鳴神ヒロキ。
「もー、朝っぱらからうるっさいわねぇ。あたしのご飯が不味くなるでしょおぉ。きゃあぁ!きったない手であたしのキュートな髪に触らないでえぇ!」
2人の間で眉間に深いシワを寄せているのは、ボリューミーな紫色の髪をツインテールにしている女の子。明神レナ。
ご飯まみれのヒロキの手が彼女の髪に触れ、ギャーギャー喚いている。朝っぱらからうるさいのはレナ、彼女も同じだ。
なお、朝から晩までうるさいのはもう月子達の特徴なのかもしれないな。何せハクトから左側もまた、違った意味でうるさい。
「うっぎゃー!あのオバハン、しょー凝りもなくわいの飯にたくあんとトマト入れとる。うわっ、しかもたくあん、ご飯の中に埋め込まれとる……」
「好き嫌いは良くないわよ」
「何や、ピーマンばっか残しとるルカには言われとうないわ。食うてくれ。トマトは美容に良いんやさかい」
「じゃあピーマン、あげる。あ、たくあんはいらない」
「何でやー!たくあんで白いご飯が黄色うなって、匂いまで移ってしもうて臭いんや!早うなんとかしてぇなぁぁぁぁ!あ!せや、ライト――」
「ん?悪いな、俺は食べ終わって食器を片付けた。諦めて食わないと体力が持たないぞ」
こんな感じに、向こうも向こうで元気いっぱい。主に左端から3番目の男、神崎レンマが。
レンマとハクトの間にいてサラダのピーマンを綺麗に残している女性は、すでにピーマン以外食べ終わって食後のチョコレートを堪能している神沢ルカ。
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