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肆号
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しおりを挟む「ちょっ……そんな目で見られてもおぉ、あたしは奢ってなんかあげないんだからねえぇっ。明後日が給料日なんだから、また今度買いに行けばいいじゃん」
月子達はこれでも一応、月のゆりかごの社員。毎月、決まった額の給料はもらっている。というか、お小遣いみたいなものがチユニから支払われている。
金欠寸前のルカは、それでも限定ストラップのためにと言ってレナを連れて外へ。
それよりもレナ、いつもなら太るから嫌と言うのに今日はやけに素直だ。ダイエットに成功したのか?まさか。月子に体重の増減は有り得ない。
はたから見れば普通の、仲の良い友達同士が街に遊びに来ている人間の女の子。そんなルカとレナは、というよりレナが一方的に他の月子の悪口を吐いていた。
「もー、どうしてハクトはあんなにも弱っちいのかしらっ。能力も命がけだし、あんなんじゃあロクに戦えもしない邪魔なだけよおぉ」
「……仕方ないわ。それがあの子の、役目なんだから。ハクトだって気にしてる」
ハクトは月子の中で最弱。ゆえに自称天才のレナはそんなハクトにイラだちを隠せず、こうして毒を吐く。時にはハクト本人に当たりいじめることさえもある。
「あ、ヒロキだあぁ!まあぁーた女の子とデートしてる。あれ、何人目の子なのかしらねえぇ?」
レナの視線の先には確かに、どこぞのホストよろしく女の子の腰を抱いて笑い合っているヒロキがいた。隣の女の子はヒロキにベッタリで、彼が浮気性だとは夢にも思わないだろう。
今朝の卵があった現場から帰る時に電話で話していた相手はこの女の子なのか。明日のデートでは、きっとこの子とは違う女の子が隣にいるんだろう。
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