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陸号
7P
しおりを挟むまっすぐ自分の部屋に突撃し、同室のルカは部屋にいないのか鍵がかかっていて勢いをそのまま派手にドアに衝突。
「っうぅぅぅぅーー!何で開いてないのよおぉっ!」
素晴らしい音を響かせてぶつけた額を両手で押さえ、目に涙を浮かべながらうずくまる。石頭で良かったな。ドアはへこんでないぞ。
八つ当たりでドアをドガッ!とひと蹴りしてから乱暴に鍵を突っ込み、中に入るとバンッ!とドアを壊す勢いで閉めた。
そのままズカズカと床を踏みしめ、ベッドにダイブ!あと10分で昼食の集合時間になるが、気にしない。そんなことよりも今は、レナの頭の中は別のことで一杯なのだ。
「……………………ふ……ふふっ。うふふふふふ。喜んでくれた、あたしを見てくれた。頭ナデナデしてくれた。それに……抱きしめてくれたあぁ。あぁ、主いぃ……」
少し不気味とも思えるほどに枕を抱きしめながら、嬉しそうに笑う。本当に、屈託なく心の底からの喜び。
それはそう、まるで愛する人にされたかのような。レナとチユニは同性で、愛だの恋だのいう関係ではないが、それにほど近い関係ではある。
無論、レナだけではない。他の月子達も同様だ。
家族以上の愛。恋人とはまた違った愛。誰にも、何にも断ち切ることの出来ない強固な、永遠の絆。月子達はチユニなしでは生きていけない。
比喩ではなく、本当にそうなのだ。まだ月子のメンバーが4人――ライト、シャノン、レンマ、ルカ――しかいなかった時、事件は起きた。
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