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伍号
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しおりを挟むコードネーム伍号。それが、彼が月のゆりかごで呼ばれる名前。
実験用のマウスではないのだから、かわいそうだといってチユニが新しく付けた彼の名前が、神之邑ハクト。
超病弱でほぼいつも顔色が悪い、残念な男の子。その気の弱さからいつもレナにからかわれ、弄ばれる残念な男の子。
ハクトが着ているオーバーオールはレナが選んだもので、所々に赤いハートが散りばめられている。
たまにルカが飛び入り参加し、ハクトの着せ替え大会が開催されたりもする。ほぼコスプレのような、女の子の服を主に着せられる着せ替え人形になってしまうのだ。
ハクトは強い人には逆らえない。だからレナの言いなりになって、着せられた服を着ている。というだけではなく、ファッションには全く何も関心がなさ過ぎてそのままなだけ。
それからハクトの特徴といえば大図書館で少年が言っていた「触角」と「目の下のクマ」と「口癖の嫌だ」だが。
触角とはハクトの2房の髪の束。頭頂部から放物線を描くように、前に生えているのでまるで昆虫の触角のように見える。よく「緑のゴキブリ」と言われている。
抹茶色の短い髪に、気が弱くていつも体調不良のくせに少し暗い黄色の瞳から放たれる眼光は生意気にも鋭い。
「…………大丈夫、ライト?」
レナの感情の爆発にすっかり腰を抜かしてしまっているハクトは、それでも突き飛ばされて尻餅をついているライトを心配する。
「大丈夫大丈夫。わかってたから、受け身をとってたからケガもしてないよ。でも……レナの心、大暴露になっちゃったかな?」
「うん。あれ、本当?レナが本気で、人間になりたいって思ってるって」
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