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参号
2P
しおりを挟むさて。ハルヒの敵である黒い影の男が現れて早1週間が経った。あれから、月の卵はないのにハウンドやリンクスが人間達を襲うことはたびたびあった。
が、黒い男もシャノンの記憶を消した黒い人も、姿を見せない。多少の犠牲を出しながらも、現れたリンクスとハウンドは殲滅している。
昼食を食べ終わった後、レンマは久しぶりに月のゆりかごの戦闘部長と見回りに出ることにした。
戦闘能力は月子で1番を誇るレンマと、月のゆりかごの戦闘部長であるサクマは仲が良い。プライベートではたまに酒を酌み交わしたり、こうして一緒に見回りに出たりしている。
29歳のサクマは元軍人で、愛刀の日本刀を腰に下げている。そこそこヘビースモーカーなのでよくタバコを吸っているが、時も場所も選ばない。
今日はハクトの調子が朝から悪いので、サクマが助っ人でペアに入っている。よくあることだ。
「だがまぁ、笑ってはいられんぞ。最近出没しているリンクスもハウンドも成長している。体が大きくなり攻撃力もスピードも上がっているが、何より賢くなっている」
「チームワークっちゅーんやろうかなぁ?妙に統率が取れとる」
「あぁ。それに、あの黒い影の2人。悔しいがあれは我々では全く手に負えん。次にまた現れたら、頼む」
黒い影と黒い人の情報は月のゆりかごの各部員達にも知れ渡っている。人知を超える部分だ、協力はできても人間には限界がある。
レンマはニカッと笑い「おっしゃ、頼まれたるっ」とガッツポーズ。苦笑を浮かべるサクマの茶色い瞳が足元に向けられたので、レンマも視線を落とす。
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