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神威アーシル
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しおりを挟む最初のmoon childの名前は神威アーシル。無論、命名したのは神楽だ。
神楽とアーシルが出会ったのは、チユニとライトが出会う2年前のこと。とてもすごい偶然で、神楽とチユニの家の裏山でアーシルの卵を発見。
当時まだ2人で暮らしていた神楽は、気分転換によく裏山へ行く習慣があった。チユニは暗いところが苦手なので、神楽だけの場所だ。
そしてまたタイミングの良いことに、神楽が卵を見つけてすぐ、孵化した。
内側から勢いよく細い腕が1本突き出され、隙間から中の少し白濁した液が噴水のように噴き出る。が、腕がバタバタ動くばかりでそれ以上出てこない。
突き出したはいいが引っかかって腕が引っ込められない。それでパニックになって自力で殻を割ることもできず、ただ卵を揺らしているだけの有様。
神楽は、逃げた。そう、顔面蒼白で逃げたのだ。想像してみよう。巨大な白い卵が薄暗い森の中にたたずみ、しかもいきなりバリンッ!と突き出た腕が振り回されている。
RPGのモンスターにいそうなものじゃないか。しかしこれは現実だ。冷静になればなるほど、恐怖は増す。
そりゃあ逃げたくもなる。しかし、神楽は戻ってきた。5分くらいして戻ってきて、少し離れた木の影から様子をうかがって、中身が1番かわいそうなことになっているのだと理解。
へっぴり腰で、恐る恐る近づいて指先に触れる。中身、超ビックリ。神楽、中身が驚いて腕がビクンッと跳ねたことに超ビックリ。アホか。
念仏のように「大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫」と呟き、リトライ。手首をつかんだ。中身も神楽の手首をつかんだ。彼が言葉にならない悲鳴を上げたのは言うまでもない。
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