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moon child
2P
しおりを挟む「うっわ、今度は目が回るよー。あぁ、大丈夫大丈夫。ライトはこれで、月子の壱号であり人工月子の壱号でもあることになるね。僕は零号。腕の方のそれは、記念に置いとこう」
「「に、兄さんが、叔父さんに……?」」
「緋月、那月、それは触れないでッ…………あぁ、なんか大変なことになっちゃいましたね、チユニさん。チユニさん?」
「へっ!?あ、あぁ、全くもって、何が何だかわからないよ。でも、戻ってきてくれるって信じてたよ」
「俺も、チユニさんや皆が俺を信じてくれるって、信じていました。ここまで来れたのはチユニさんのおかげです」
アーシルが神楽の動きを封じているのをいいことに、ライトはチユニを抱きしめた。力一杯抱きしめて、耳元で何かを囁く。
何と言ったのかは2人にしかわからない。少しの沈黙の後、チユニが「うん」と小さくうなずくと2人は離れた。
あたりを見渡す。月影と双子が味方になったおかげで、戦闘部と戦っていたハウンド達は姿を消した。
戦うべき相手は、神楽――邪神のみ。彼にとって最大の敵であるチユニが目の前にいるのに、指1本すら動かすことができずに、しかも仲間に裏切られ負のオーラがドス黒く目視できる。
イラだちを隠さず、獰猛な獣のようなギラついた神楽の碧い瞳がアーシルに向けられる。
低く「グ、ウゥウゥゥゥ……」と唸り声をあげる彼は赤黒い血の涙を流しながら、睨み付ける。神楽の負の感情が、邪神の餌。
アーシル達に裏切られた絶望が、恨みが、憎しみが、嫉妬が、邪神をさらに強く成長させてしまった。神楽の足が、1歩前に踏み出す。
「うっ!あ、はぁっ…………もう、大人しく、しててよッ!!」
また、大量の血を吐き足元に血の水溜まりを作ったアーシルは振り返って、より一層言葉の縛りを強める。
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