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勝利の美酒に酔いしれるは孤独なケモノ
8P
しおりを挟む流れ続けた血が全部布団とシーツ、マットにまで染み込んで、捨てるしかない。元々捨てるつもりだったし、いいか。
出血多量で死んだか?反応がないので、血まみれのふくらはぎにツーっと指を滑らせてみた。
「っ!!何すんのよ!?うっ……」
「なんだ、生きてるなら返事をしろ。おい、やれ。心配すんな、これはちゃんとした手当てだ。これ以上弱られるわけにもと思ったが、しぶとくピンピンしてんじゃねぇか」
「手当て……女もいるのね。って、ふざけんじゃないわよ。どう見たって死にかけてるでしょ?鉛玉何発も食らって、そのうえあんな……っ!」
「おーおー、あんまり吠えるとナカのが出てきちまうぜ?クククッ」
ものすげぇ跳ねて、青白い仏頂面が布団の塊からお出ましだ。泣いたのか?目が赤くなって、というか化粧がグチャグチャだな。きたねぇ。
叫び動くたびに痛みが響いてうずくまり、リアのケツから赤白い液がこぼれる。
リアの怪我の処置をさせるために呼んでいた、看護師の資格を持つ女が「うげっ」と小さく声を漏らして顔を背けた。
それでも俺にもう1度「やれ」と睨まれると渋々、なるだけソコを見ないようにリアに近づき濡らしたタオルで傷口を綺麗にしていく。
戦闘員であろうとなかろうと、DBに名を連ねる者は俺に絶対服従。逆らえば、命はない。
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