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勝利の美酒に酔いしれるは孤独なケモノ
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しおりを挟むリアの胸と下半身に視線を向けて現実を直視。よし、冷めた。
「答えろ。なぜこの土地を狙う?テメェの家族の骨でも埋まっているとでも言うのか?それとも、この土地の価値が今後跳ね上がるのを見込み大金を作るためか?」
リアは今、全裸に拘束具と包帯のみの姿だ。モゾモゾとまた汚くなった布団を手繰り寄せようとしたので奪い、見張りの男に「捨てろ」と渡す。
それではさすがにかわいそうだと、アランが自分のコートを着せる。でかいコートだ、膝のあたりまですっぽり収まった。
疲労と貧血で寒いのか、コートの襟部分を握り締めて縮こまると「ありが……」で止まった。目の前にいるのは敵、自分は捕らわれているのだと思い出しツンと顔を背ける。
おい、隠せてねぇぞ。脚も隠れていないが、コートをもらって嬉しそうな顔が襟の隙間から見える。
なんだ?イラっとする。アランのコートを引っ剥がしてやりたい衝動に駆られる。そんなことをすればアランに怒られそうなので、別の場所に手を伸ばす。
「あ、ぐぅっ!あぁっ!」
「俺も暇じゃねぇんだ、さっさと吐け。ここには看護師がいて怪我は処置してくれるし輸血もできる。つまり、どれだけ痛めつけても失血させても元に戻るってことだ。この意味が分かるな?」
「はぁっはぁっ、はぁっ……アタシが吐くまで、永遠に続けるってことね。でも、無駄よ。っ、はぁ…………アタシは必ず脱出するし、絶対に教えてなんかあげないから」
「いいぜ、仲間を呼んでみろよ?今度はテメェだけじゃなく他の奴ら全員、1人残らず捕えてやるからよ」
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