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巣屈にて
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しおりを挟む結局はこの男だって自分の性欲を満たしたいだけじゃないの?終わったら話してくれるって言っていたけど、きっと嘘よ。
「ひぁ……あ、うっ、いやぁ……も、いや……たす、け……助け、て、ノル……っ」
妙に甘ったるい匂いに意識がもうろうとして、優しく自由を奪われる恐怖に体が震えて。涙がこぼれ落ちた。
何でこんな時にノルを頼っちゃうんだろ?生かす価値はあっても、ノルにとってアタシは敵の組の頭。わかってるのに。
助けを呼ぶならシャオリンでしょ。まだこの近くにいるはずなんだし、アタシのことを心から慕ってくれている彼ならこの男を思いっきり蹴り飛ばしてくれる。
もしかしたらあの切れ味バツグンな青龍刀で両腕両足と、ついでにこの竿を斬り落としてくれるかもしれない。
それくらい彼はアタシを想ってくれている。アタシだって彼を1番心強い側近だって思ってるわよ。
でも、それでもあたしが声に出して助けを求めたのは、ノル。もしもこの状況を目の当たりにしたら彼はどうするのかしら?
怒ってくれる?まぁまずは怒るでしょうね。ノルの所有物と化しているアタシに勝手に手を出しているこの男を、眉間を撃ち抜く。
そうなればいいのに。そうならないって、ノルは助けに来ないって諦めたくない。
あぁ、アタシが知っているノル。アタシが知らないノルの中にいるんでしょ?意地悪なんかしないで助けてよ。
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