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帰宅、アタシの居場所
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しおりを挟むアタシのこと、思い出してくれるのかしら?ノルがアタシのことを思い出すのと、アタシが7年前に起こったことを知るの、どっちが先になるのかしら。
お腹痛い。
止まっちゃった足を前に出して、また歩き出す。日本刀を握り締めて。
どうしてこんなことになっちゃんだろう?ヤクザになんてならなくても、もっと別の方法であの場所を手に入れることだってできたかもしれないのに。
でも、今のノルと同じになって、対等になったって思ってる。たとえノルが忘れちゃっても、アタシはちゃんと覚えてるから。
「ノルを倒して土地を手に入れて。それでもノルが思い出さなくても、アレを見たら絶対に思い出してくれるわよね。だってアレには――」
「あーもー、やっと見つけた!暴れんなっ!ぜんっぜん違う場所ほっつき歩いてんじゃねーよ、このクソカマが!私に手間かけさせんじゃねー!」
超ドビックリ。もうビックリ過ぎて、やっと治まってきた心臓が口から飛び出しちゃうかと思ったくらいよ。
だって突然、本当に突然肩をつかまれたんだもの。そりゃあ日本刀を抜きたくもなるわよ。でもできなかった。この暗闇の中でも見えているのか、柄をつかんで怒鳴る。
男?ギャンギャン吠えまくってうるさいんだけどこいつ、足音も気配もない。しかも、日本刀をつかんでいるあたしの手を上から押さえている手が冷たいんだけど。
「だ、誰?DBなの?それとも、シャオリンが言ってた別の追っ手?それとも……」
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