93 / 231
家族の記憶
5P
しおりを挟む明るくて、いつも笑っていて、だが本気で怒るとスゲェ怖いんだ。鬼だぜ、あれは。
兄貴も自分のアルバムをめくっていく。出生前から今まで、全ての思い出が詰まったアルバムだ。人生そのものと言っても過言ではないくらいの。
だから兄貴は、途中で俺達から離れ背を向けた。あぁ、義姉との思い出ゾーンに入ったな。
俺に早く嫁を見つけろとしつこく縁談を勧めていた義姉。兄貴とは吐き気がするほどラブラブだった。
義姉、ジーナは兄貴よりも3つ年下。俺よりも1つ年下の、義姉。複雑だな。当時は27だったか、若すぎる死だ。
短い人生に幕を下ろさせたのは俺。失意の果てにジャックに本気で殺されかけたこともあったな。受け入れようとしたが、兄貴に止められた。
「総長、もう終わったんスか?僕より早くないスか?」
「あぁ、俺はこれの半分もねぇからな。たぶん今のジャックの写真の4分の1以下だ。おい見るな、お前が見ていいものじゃない」
「えぇー、ケチ!あ、わかった、写真を撮られるの嫌いなんだ!この前の体力勝負大会の時、カメラを持った父さんから逃げてたもんね!」
うるさい。確かに俺は写真を撮られるのは至極嫌いだ。何が何でも逃げ切ってやる。だから、俺のアルバムには幼少期の10歳くらいまでしか写真がない。
それも、8歳くらいにはすでに写真嫌いを発症していたからそれ以降は仏頂面か見切れた写真、ブレブレのものもある。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる