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家族の記憶
4P
しおりを挟む――翌日。俺はアランとジャックを連れて倉庫の中を散策。実家のものは全てまとめてあるから、そこからアルバムを引っ張り出す。
「増えてねぇか?」
「そんなわけないだろう。多く見えるが、ほとんどは俺とジャックのアルバムだ。ノルのはこの、1冊だけだったな」
いや、絶対に前に来た時よりも増えている。ジャックのアルバムが2冊くらい、真新しいものがあるぜ。
そういえばジャックは17歳だから、もしかしたら昔のリアと会っていたかもしれない。そう思ってここに来る前に聞いてみたが。
生意気に「あんな綺麗な人、覚えてたらすぐに報告するッスよ」と溜め息を吐かれた。
ジャックが10歳よりも前のことになるが、アランにもジャックにも会わずに俺だけ会うってのはかなり引っかかるな。
俺達はまずそれぞれ自分のアルバムに目を通すことにした。ジャックは初めてなので、生まれる前からの写真があって不思議そうにかじりついている。
目を輝かせて「この大きなお腹の中に僕がいたの?」って。おい、目的を忘れんなよ?
義姉は我慢強かったからな。勝ち気で、兄貴をよく尻に敷いていた。表の仕事も裏の仕事も書類関係をこなしてくれて、非戦闘員として頼もしかった。
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