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追われる者
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しおりを挟むいつもの笑顔。いつもとは色違いの笑顔。
「何があったの?熱まであるじゃない。今はとにかく横になって、そこの男も一緒でいいから」
シャオリンの顔は青白いのに、額に手を当てるととても熱い。肩を押して寝かせると彼は「毒を盛られました」と一言。
いや、そんな軽々しく言わないでよ。「ふぅ」と息を吐いてアタシから目を反らす。
山の中でアタシを置き去りにした後、シャオリンは追跡者に追いつかれて戦闘になったんだって。
ヘルメットも外さないまま銃とナイフで襲いかかってくる追跡者に青龍刀で応戦。かなりの手練れで、ほんのわずかな隙をつかれて毒を刺された。
徐々に動かなくなっていく体を奮い立たせてずっと戦っていたが、決着がつかないままに終わった。
アタシをアジトまで運んでから引き返した謎の男が参戦。追跡者はそれ以上の攻撃をやめて逃げて行ったんだって。
「シャオリンがここまで追い詰められるなんて。解毒の方はどうなの?」
「あいつ……セイフォンが抗体を持っていたから投与済み。あと半日は動けないみたい、ごめん」
追跡者がいつかまたアタシ達を襲撃するかもしれない。DB以外を敵に回したことなんて山ほどあるけど、あの男には心当たりがないわ。
顔を見ていないからわからないけど、シャオリンを追い詰めるほど強い人はノル達以外見たことがない。
「あなたが謝ることないわ、命を賭して戦ってくれたんだもの。アタシを助けてくれたんだもの。そう、あの人はセイフォンっていうのね。で、彼氏?」
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