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追われる者
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しおりを挟む訓練は全てセイフォンに任せるようになり、いつしか父親は全く姿を見せることもなくなる。その理由が末期の病であることだと気付くのは、かなり後になってから。
無機質ながらも勉強として感情や表情の変化を学んでいる彼女は、外の世界に普通に溶け込むよう自分を偽って振る舞う。
年相応の男に見られるよう演じ、与えられた暗殺の任務をこなしていく。達成率は120パーセント。
時間をかけてターゲットの懐に潜り込み命を奪うこともあった。自分を信用させると、相手の優しさに触れた。温かさを感じた。
外の世界での時間が増えれば増えるほどに、知らないものに出会っていく。普通の人間の暮らし。良いも悪いも、たくさん見てきた。
自分がやっていることは悪だ。存在自体が悪だ、異常だと。学んだ。
16歳にもなると心が芽生え始め、感情も偽りではないものが現れるようになった。それをセイフォンは嬉しく思い、同時に父親の恐怖を思い出す。
心も感情も、暗殺には邪魔なものだととなえる父親に気付かれればまた奪われる。そうはさせまいと、2人を会わせないようにした。
シャオリンが父親と会わなくなってからさらに月日は流れ、18歳。今の彼とほとんど変わらないくらい普通になってきたシャオリン。
それでも暗殺や護衛、特殊任務をほぼ毎日こなしてきた彼女は自我を手に入れた。強く“自由”を求めた。
今の生活が嫌になったというわけではなく、もっと普通のことをしてみたい。同世代の人達が普通にしていることをやってみたいという欲が現れたから。
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