アイデンティティ

那月

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チャイニーズアフェクション

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「クッソ……なん、で……っ」

 
「暗殺で闇討ちをする時は物音も気配も消して、存在すら消えるくらいにしなさいって……昔、あれほど教えたよねぇ、シャオリン?」

 
 ギオの真後ろに飛び出した無音のシャオリン。首めがけ青龍刀を振り下ろすも、全く同じ青龍刀に防がれてしまった。

 
 右手の銃もギオ自身も私を向いたまま、左手で抜いた青龍刀を後ろに持っていき防いだんだ。足音も気配も、私には全く聞こえなかったのに。

 
 酷く優しく、けれど冷たい言葉は私とシャオリンを震え上がらせる。
 

 胸から外し肘を撃ち抜いたギオは体をひねり回し蹴りで私を吹っ飛ばし、そして振り返りながら青龍刀を滑らせ踏み込んだ。

 
 まるで腕の延長。体の一部と化したギオの青龍刀は滑らかな曲線を描きながら何度も、同じ青龍刀を持つシャオリンに襲いかかる。


 上から、下から、横から、たまにフェイントを入れて、シャオリンの青龍刀とぶつかるたびに火花が飛び散る。
 

 腕や足を斬りつけられながらも、負けられないシャオリンは軌道を反らし反撃にかかる。しかし、ギオの方が早い。

 
 どんどんスピードが上がって、一撃一撃が重くなっていく。と、突然ギオの姿がフッと消えた。


 私はすぐさまシャオリンの元に駆け寄り、その背中を守る。周りに目を向け神経を研ぎ澄ませても、ギオの気配を感じ取れない。

 
 闇討ちの手本を見せるとでもいうのか?シンと静まり返った中で、シャオリンは「2人で倒すよ」と呟いた。

 
 何だろうな。肩で息をする彼の声はやけにいつもより良く聞こえて。彼の集中力がグングン上がっていくのを感じた。

 
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