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おまけ
3P
しおりを挟む怖いもの知らずなのか、ギオが立ち上がってついていこうとしたのですかさず足払いをかけて止めた。
バランスを崩したギオは、しかし後方宙返りで立て直す。頬を膨らませて俺を睨み、俺が淹れたお茶を飲んでから椅子に腰かける。
お前、風呂で襲うつもりだろ。やめておけ、逆に殺されるぞ。今のあいつは最強無敵なんだ。そういう意味で、止めた。
「僕さ、前に1度だけシャオを抱いたことがあるんだよね。あいつは記憶から抹消しちゃったかもしれないけど」
「な、なんだと!?そんなこと、俺もあいつの親父も聞いてねーぞ!」
こいつと2人きりなんてと思った矢先だった。俺は条件反射で拳を振り上げ、けれど殴れなかった。ギオは、笑っていないんだ。
「何の任務だったか。暗殺対象と寝て、油断させてから殺す手はずだった。だけど対象はあいつにクスリを盛ったらしい。暗殺は成功したけど、戻ってきたあいつは――」
「だから抱いて楽にしたって言うのかよ?もっと他に方法があっただろ!安静にしてクスリが抜けるまで待つとかさぁ」
「初めてクスリを使われて怯えきって苦しんでいるあいつを放っておけなかったんだッ!!」
空気がビリビリッと震えた。何だ、今の?こんな、感情的なギオは見たことがない。その2色の目は壁を見つめているが怒りに燃えていて、口元に持って行った指を噛んだ。
「僕は嫌われてもいい。恨まれてもいいから、少しでも早くあいつを楽にしてやりたかったんだよ。僕を怖がっていたし、力のない抵抗もされた。それでも僕はやめなかった。それくらい、本気で愛しているんだ……」
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