ユキ・シオン

那月

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まさかの翌日再会

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 まるで、人間みたいだった。人間の言葉がわかるなんてものじゃあない。


 それに背中に感じる青年の気配が、耳に聞こえる小さな寝息が、寝返りを打つと聞こえる布が擦れる音が。妙に緊張する。


 この子、起きたらどんな子なんだろうなぁ。大半の生徒は俺に会うこともなく卒業してしまうけれど、こんなに綺麗な子なら1度見たら忘れない。


「いい匂いがしたな……」


 なんて、変態だなぁ。でも抱き上げた時、フワッと甘い、何に例えればいいのかとにかくいい匂いが鼻孔をくすぐった。


 最近どこかで嗅いだことのある匂いの気がするんだが。どこだろうなぁ?オジサンはもう年だから物覚えが悪くてな、そうスッとは思い出せない。


 寝返りを打って青年の方を向く。ちょうど、青年もこっちを向いて白い前髪が頬を撫でる。


 真っ白、か。ストレスか?それでもここまで全体的に、均等に真っ白になるのか?もしかして生まれつきとか?


 あぁだめだな。他の先生達と違って俺は生徒との交流が極端に少ないから、久しぶりにこんな近くで生徒を見られて興奮する。


 性的な意味じゃあないぞ。というかこの子は寝ているんだけど。


 きっと、俺がこのまま寝落ちてしまって。熟睡しているうちにこの子は目を覚ましてまた窓から出て行くんだろうなぁ。


 ちょっと、寂しいなぁ。また、来てくれればいいのに。


 他の先生なら注意して追い出すだろけど、俺なら何もせずベッドを貸してやるよ。いつでもおいで。


 俺は青年のかわいらしい寝顔をまぶたの裏に焼き付け、目を閉じると背を向けた。おやすみ、眠り姫。



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