ユキ・シオン

那月

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まさかの翌日再会

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 ――やってしまった。チャイムが聞こえたから起きて時計を見たら、2時間目が終わるチャイムじゃない。4時間目が終わったチャイム。


 寝すぎた。ケータイのアラームでもかけておくべきだったと、激しく後悔。くぅっ!


 でもそんなことより。確か俺は窓のすぐ下の床の上で寝ていたはずだったのに、目が覚めるとベッドの上。ご丁寧に毛布も掛けられていて。


 周りに目を向ければすぐ隣のベッドに白衣を着た人が、超熟睡。ちょっといびきも聞こえる。


 おい、もしかしなくてもこいつ、保健室の先生か?白衣違いで科学の先生とかがいるわけねぇし。しかし堂々と寝てんな。


 保健室の先生を見るのも、保健室に来るのも初めてなんだが。男かよ。


 ぐっすり寝てるし、どんなやつだろうと覗いてみて叫びそうになった。マジか。こいつ、オッサン。俺のバイト先の猫カフェに、ウザい彼女に連れられていたあのオッサン。


 たしか「ネコヤン」って呼ばれていた、とんでもない方向音痴の。俺が昨日ほぼ命がけで道案内してやったアホのオッサン。


 まさかウチの大学の保健室の先生だったなんてな。……まぁ、この姿で会うのは初めてなんだし、大丈夫か。


 昨日の俺は白猫の“ユキ”で、今の俺は大学生の男子生徒の“シオン”なんだし。学生登録はフルネームでユキ・シオンで登録してんだけど、皆にはシオンで呼ばれてる。


「このヘタレめ」


 そうだ。このオッサン、これでも先生なのに不法侵入した上に勝手に寝ている俺を起こすことも注意することもなく、挙句の果てにはご親切にベッドに寝かせるなんて。



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