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待ち望んでいた
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しおりを挟む必死に声を押し殺し、小刻みに震えているし。尻尾が見当たらないと思ったら俺の足に巻き付いているなんて無意識か?
「シオン、聞いて。このあと、1時間後にお客さんが来るから。前に言っていた、俺が頼りにしている“あのお方”だよ。とても忙しい人がわざわざ俺達のために時間を作ってくれたんだから」
だから今シオンに誘われても、素直にヤっていたら約束の時間に間に合わない。シオンとの行為は確かに大事だけれど、こっちも大事なんだよ。
両手で口をふさいだままのシオンがキョトン。あぁ、俺にもう1本手があったら、頭を撫でてやったのに。
「誰、なんだよ?直也の両親さえ打ち負かして、直也を刑務所に入れた人だろ?っ、うぅ……」
服を汚さないようゴムをつけられた自分の竿に手を伸ばしてきていたので、また「手は?」と言ってやると悔しそうに手を上げる。
何もさせてもらえず苦しそうにしている姿も可愛い。なんて。
俺はそんなシオンのかわいそうな竿には触れず、自分のを握るとまた動かす。俺がイくまで我慢できたら、あとですぐにイかせてあげるよ。
「そう……はっ、はぁっ……強い力を持ったお方、だよ、んっ……」
直也は強制わいせつ罪その他もろもろで、懲役1年。今は刑務所の中だ。5年にしても足らないくらいだけれど、“あのお方”には何か考えがあるのか「それくらいにしないと。若い子の未来を考えて」と言っていたなぁ。
その代わりシオンが卒業するまでは大学に復帰はさせない。釈放後は、元凶である両親から離し自分が面倒見るとも言っていたっけ。
“あのお方”の考えが全く読めない。それなりに付き合いは長いんだけれど、何を考えているのやら。
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