ユキ・シオン

那月

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準備体操よーい

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「背中も腹もすっかり治ったな。これで、思う存分シオンを抱けるって思うと嬉しいよ。あいたっ!何で叩く?お前もこの日を待ってたんだろう?」


「う、う、うるさいっ!…………なんか、いざってなると緊張するっつーか…………恥ずかしい」


 うわ、珍しくすごく正直。頭から順番に洗ってやって、背中を擦る。もう変な色じゃあない、綺麗な色白の肌。手の平で撫でると滑らかでほんのり色づいたピンクが際立つ。


 からかったつもりはない。なのにたっぷりお湯を含んだ、泡だらけの尻尾でビシャンッ!と叩かれた。


 なら、仕返しだ。お前の背後はとっているんだ、覚悟しろよ。後ろから顔を近づけ、耳元で「背中に文字を書くから、読んで?」と囁く。


「ふぁっ……え?ひゃうっ!ん、っ……く、くすぐったくて、わかんねぇよ……ん、はぁっ……」


「ゆっくりするし、4文字だからすぐわかるよ。ほら早く、じゃないと体が冷えて風邪をひいてしまうでしょ。これはどう?」


 シオンは全身泡まみれ、あとは流すだけ。でも俺はまだ洗ってもらっていない。というのも、服を脱いでからずっとシオンが背を向けたまま頑なにこっちを向こうとしない。


 シオンの体を洗うのだって後ろからだったから、足を洗う時は体が密着。俺のがシオンの背中に当たって耳が真っ赤になってたなぁ。


 だから、寒い。だから、早く正解してくれ。答えは簡単、俺の今の心の叫び。


「んん、っ…………あっ、入り……た、い?って、シャワーだけにするからってお湯は溜めてねぇだろうが」


 違うわっ!!言葉は合ってるけど、解釈が見当はずれだな!いや、温まりたいから湯船にも浸かりたいけども。


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